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六角瞳  作者: 有寄之蟻
脱出編
30/114

・30・ついに

あ、そんなのあったんだ、とミーが声をかけると、キムはうんと首肯する。


その後もちょっと探索したが、早々に切り上げて、二人はユン達がいる部屋に向かった。


ユンとスズがいる部屋に入ると、なるほど、確かにマンションの一室のような内装だった。


入口の扉を背に、右側の奥にベッドがあり、クローゼットらしきもの、タンスらしきものがある。


入口右側近くに大きなテレビとローテーブル、ソファがある。


入口左にはドアが二つあり、おそらくトイレと風呂場ではないかと思われた。


右側奥で、ユンとスズがゴソゴソとしており、そこに近づく。


ユンが見ているのはクローゼットで、中にはミーが持っているような白衣や黒や灰色のコートなどがかかっている。


また、下のスペースには黒い革靴が三組、トイレにあるような、とミーが思った足首までのゴムでできた靴が三組あった。


スズはタンスを探っていて、中にはたくさんの白いシャツとキムが見つけた黒いスラックスと同じものがあった。


これなら外に出るにも十分だろう、とミーはホッとする。


四人は手分けしてコートと一応白衣、シャツとスラックスを人数分持ち、靴もあるもの全て持ってオルとヒロの元へ戻った。


二人も収穫を見て喜び、女性、男性に分かれて手早く着替えを済ませた。


正直、男物のスラックスはミーとスズには大きく、シャツもまるでワンピースのようになっていたが、ヒロがサクサクと裾を切り、なんとか見れるような感じに仕上がる。


靴はさすがにサイズが大きすぎたため、男性陣に譲られ、女性陣はゴム靴を履いた。


今度こそ、今度こそこの場合から出られる!とミーは浮き立った。


オルが最終確認に外を見渡し、OKを出す。


安全のため、ヒロから出て、スズ、ユン、ミー、キム、最後にオルの順で窓口から出た。


振り返ると、そこは三階だての洋館のように見え、自分はこんな所の地下に誘拐されたのか、とミーは思う。


オルを先頭、ヒロを最後尾にして六人は敷地内を進んだ。


気がつけば空の遠くに白い光が浮かび、もうすぐ日が登ろうとしている。


「……向こうに壁が見えます。おそらくあれを越えたら敷地から出れるでしょう。皆さん、そこまでは気を緩めないようにしてください」


オルの言葉に五人は真剣に頷き、歩みを進めた。


三分としない内に白い壁が姿を見せ、オルが小さく穴を開けて、向こう側を伺う。


少しして、一度頷き、


「あちらは道路になっていて、住宅地へ出れるようです。完全に外に出られますよ!人はいないので、素早く出てしまいましょう」


にっこり笑ったオルに、ミーもやっとだ!と笑みを浮かべ、ヒロがさっと壁をくり抜こうとして、オルにサイズを小さくするよう注意されていた。


人一人分程の穴を地面ギリギリに開けたヒロが、真っ先に穴をくぐる。


次に先程窓を出たのと同じ順に通り抜け、六人はついに完全に脱出を果たした!

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