・28・六角瞳⇆人間瞳
そこでミーは、事実を隠すのは、別の意味で不可能だという事に気づいてしまった。
そうだ。
テールはともかく、六角形の光彩と、暗闇で光る事はどうにもできないではないか、と。
愕然とするミー。
服装の事など気にしている場合ではなかった。
それ以前に、目を隠さなければ。
この光る瞳だけでもかなり異常なのだ。
結局…無理じゃん、と小さくこぼす。
かすかな呟きを拾ったのか、
「……何、が…無理なの?」
キムが覗き込むように聞いてきた。
ぐったりと顔を上げれば、他四人もミーに目線を向けている。
ミーはぽつぽつと、気づいてしまった現実を話した。
すると、沈み込んだミーとは裏腹に、六人はきょとんとした表情を見せた。
そのあまりに不思議そうな顔に、言ったミー自身もん?となる。
なぜそんなに、この子何言ってるんだろう?という目線で見られるのだろうか。
ヒロは眉を寄せてミーを凝視したかと思うと、あっと口を開けた。
「あ、あぁ!そういう事!アンタ知らないのね。そうよ。知らないのよね。」
うんうんと何度も得心がいったというように頷き、ミーに驚きの事実を伝えた。
いわく、なんと光彩の形は変化させられるらしい。
誘拐されてから、注射すらされなかったミーは知る由もなかったが、ヒロ達五人は視力検査の時にそれを発見していた。
詳しい仕組みなど分からないが、テールと同じような感覚らしい。
つまり、瞳を普通の人間のように丸くしたいと思えば、簡単に変化する。
そうすると、視力は人間並に落ち、瞳の光も消えるのだそうだ。
五人は、服装や事情説明については悩んでいたが、瞳は変化させられるため、全く問題にしていなかったのだ。
ミーはそうなんだ…、と驚きつつ、あんなに落ち込む必要なかった、と少し恥ずかしい。
ミーがなんとも言えないもやもやを感じていると、話は先ほどの問題に戻っていた。
ユンとスズは悩んでいたが、他に方法がないとオルの提案をのんだ。