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六角瞳  作者: 有寄之蟻
脱出編
18/114

・18・洗濯室と実験室※図有り

一同はしばし、辛すぎる沈黙に包まれていた。


が、唯一笑顔の絶えないキムが何事もなかったかのように、


「……じゃ、続き…行こうか…」


と始めた事で、なんとか時間は流れ出した。


次は廊下を進み、左側に並ぶ二つの扉だ。


手前に女性陣が、二つ目に男性陣が入った。


そこは手術台があった部屋と同じ程の広さで、どうやら洗濯室と言うべき部屋だった。


洗濯機と乾燥機 が一台ずつあり、物干し竿と洗濯バサミ、干されている白衣や六人が着ている患者服のようなもの、そして畳まれたタオルや患者服の入った棚。


やっぱり特に手掛かりみたいなものはないなぁ、とぼんやり考えていたミーは、またもやハッとある事に気がついた。


いや、それは今さらな事だったが、しかし……自分は患者服を着ているのだ。


気絶している間に着替えさせられたのだろう。


見ず知らずの、男に。


ミーは叫び出したい気持ちで、その場にうずくまった。


下着とか、見られたに違いない。


自分が着ていた服はどこにいったのか。


ヒーッと呻いていれば、


「ちょっ、アンタどうしたのよ!?」


驚いたようにヒロに聞かれ、自分が気づいてしまった事を話す。


すると、あぁ、とヒロはつまらなさそうに、


「今頃気づいたの?そんなの下の世話されるのに比べたらなんでもないじゃない…」


苦々しく爪を噛んだ。


まぁ、確かに…と思い直し、しかし、やはり心に受けたダメージはそんなに簡単には消えない。


自分の服を探したかったが、


「たぶん、とっくに捨てられてるわよ」


と、ヒロに一刀両断され、諦めて部屋を出る。


まだ男性陣はいなかったため、女性陣も二つ目の部屋へ入った。


そこは広さはテールの検査部屋と同じか、それより少し大きい部屋で、たくさんの棚とフラスコなどがある、実験室のような部屋だった。


「…あ、もう来たんですね。あちらはどんな部屋でした?」


入り口近くの棚を見ていたオルが声をかけてきた。


それにはヒロが答え、ミーは部屋の奥を覗き込んだ。


部屋の奥までやはり棚が並び、中間くらいに長机が二個あり、そこにはユンが何か書類のようなものを見ている。


キムの姿が見えず、ミーは奥へ歩き出した。

挿絵(By みてみん)

①…処置室

②…観察室

③…検査室

④…キッチン

⑤…洗濯室

⑥…研究室

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