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六角瞳  作者: 有寄之蟻
脱出編
13/114

・13・探索再開※図有り

「……ミー、大丈夫…?」


そっと背中に手があたり、ミーは視線を上げる。


微笑のない真顔なキムがじっと彼女を見下ろしていた。


ミーは慌てて大丈夫だと首を振る。


初めて視線が合った時のような美しさに、急いで視線を逸らした。


その先でばっちりとヒロの真紅の瞳とかち合い、ビクリとしてしまう。


「何よ、人の顔見てビックリするなんて失礼ね」


吐き捨てるような言い方に、さらに視線を泳がせて結局地面に落とした。


まぁまぁとオルがヒロを宥める声が聞こえ、


「とりあえず、ミーさんの問題に関しては一度保留としましょう。それはおそらくこの施設を調べれば分かるかもしれません。彼女が見たところでは出口はなかったようですが、扉はテールで壊せるので、手分けして出口を探そうと思います」


何か意見はありますか、とオルは言葉を続け、皆反対する事なく了承した。


ミーを除く五人は同じ空間にいたとは言え、検査など以外で目隠しと耳栓が外される事がなく、全く接触はなく、存在も知らなかったという。


つまり赤の他人同士、手分けをするといってもどう分かれようかと少し議論になった。


結論として、この場所があまり広くない事を考えて、男性三人、女性三人と分かれる事に決定した。


六人がいる部屋は、ミーが入ってきた物を含めて三つの扉がある。


そこで、まだ通っていない扉をそれぞれで開ける事になった。


ミーが来た扉からすぐの扉を女性陣、そこから右に折れ広がっている部屋の奥の扉を男性陣。


女性陣では、常にスタンバイしているヒロが紺色のテールをしならせた。


ヒュンヒュンと風が鳴り、扉が綺麗に円形にくり抜かれる。


ガダン!とかなり重たい音をたてて円形部分が廊下側に倒れた。


「さっ、行くわよ」


くり抜かれた扉を威勢良くくぐったヒロはそこで、


「あら?」


と、立ち止まる。


どうしたんだろう、とミーとスズが思った時、


「……あ、れ?……同じ、廊下…」


困ったようなキムの声が聞こえ、ん?とミーは首を傾げた。


円を抜けてヒロの視線の先を見れば、少し先の廊下左の扉を四角く切り取ったのだろうキムが、テールをしまっているところだった。


んん?と首を反対に傾け、ミーは周囲を見渡す。


そして、はっとした。


自分の後ろに廊下奥の扉、廊下に左にキム達が出てきた扉、その真正面、ミーから見て右側に扉、そして正面奥には歪に穴のあいた扉と左右に続く廊下がある。


ここは、始めの部屋を出た、真正面の三つの部屋があると思った廊下だった。


扉だけを見てそう判断したが、実際は五人のいた広い部屋の扉が二つだったわけで、ミーは始めの場所に戻って来たようだった。

挿絵(By みてみん)

①…ミーが初めにいた部屋。処置室。

②…五人が拘束されていた部屋。観察室。

③…女性陣が出た扉。

④…男性陣が出た扉。

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