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六角瞳  作者: 有寄之蟻
脱出編
12/114

・12・原因不明

「あ、そこからか。ミーさんは本能がないみたいだしね。えっとー……ヘキサアイズはたぶん、血液で伝染するみたいなんだ。ぼくもなんとなく分かるだけなんだけど……」


そう言って、オルが話す事では、オルたち五人は誘拐されて始めに何か赤い液体を注射された。


すると体が熱くなる感覚と共に気絶し、次目覚めた時はまだ何も変化がなかったという。


しかし、しばらく時間が経つうちに、何がとは言えないが、なんとなく自分の感覚が変化し、気がついたらテールの事を理解し、ヘキサの能力が血液に宿ってる事も分かったのだそうだ。


そして、そこから始めに注射された液体が誘拐犯の血液だったのではないか、と考えたらしい。


ミーは内心大混乱だった。


今の話の中で、自分と共通したのは体が熱くなった部分だけ。


しかも、自分は注射される前だった。


どういうことなのだろうか。


それに、あの医者っぽい男がヘキサだったという事にも驚いた。


正直、手術台の上には強い電灯があり、男の顔は逆光で見えなかったのだ。


その事を話すと、


「アイツ、テールあったわよね?それも気色悪い緑色の」


と、顔をしかめてヒロ。


「視力検査みたいな事をさせられた時、あの男の目は水色に光ってたなぁ」


と、思い出すようにオル。


「……と、いうか…ヘキサ、のにおい……だった、し…」


小首を傾げてキムが言い、そうだそうだ、と五人が賛同する。


そうなんだ、と納得したところで、ミーは元々の問題を思い出す。


そう、なぜ自分はヘキサになっているのか、だ。


テールはある。


目もどうやらヘキサアイズの名の通り、六角形な上に青く光っているらしい。


しかし、五人の言う『本能』も匂いとやらも分からない。


そういえば、身体能力の向上というのもあったが、ミーは自分の腕力が全く変化してない事に気づいた。


もし一切光のないこの状況で、数m先の人の髪色さえ分かった視力を考えれば、腕力もテールと同様に扉をぶち破れる程度には持ってるはずではないのか。


しかし、実際はミーには極普通の運動しない女子程度の腕力しかなく、テールがなければあの部屋からの脱出は不可能だっただろう。


聴力はどうだろう。


嗅覚はたぶん、全く向上してない。


触覚や味覚も変化しているのだろうか。


脚力や体力にも影響はあるのか。


思いつけば次々と出てきて、ミーは大きな不安に襲われ、ぎゅっと目を閉ざした。

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