幻想入り
初東方小説です、がんばった行きたいですね
「じゃあな、黒羽」
「おう、じゃあな」
科学により全てが証明され、理論により全てが裏付けられた現代。毎日同じ学校に通い、
同じような授業を受けて、同じような会話で友達と盛り上がり、同じような帰路につき、同じような食事をとる、毎日毎日同じことの繰り返し。正直何も面白くない、もっと心躍る冒険、熱い戦い、何があるかわからない旅
そんなものを俺、白波黒羽は求めている
「なんか面白いことないかなー」
家のベッドに体を預け、天井を眺めながら不意にそう呟いた、魔法も無ければ、中二めいた能力も何も無いこの世界は正直つまらない。もっと別の世界で空を飛んだり、かめ○め波のようなもので敵を薙ぎ倒したい
「そんなあなたに、幻想郷は如何かしら?」
「どこだよそこ……て、うわぁぁ!ば、化け物ォぉぉぉ!?」
「何よ失礼な」
眺めていた天井の空間の一部が裂け、そこから上半身だけを出した女性がこちらを見下ろしている、長い金髪を揺らしながらその女性は床にふわりと着地してこちらの方に振り返った
「あなた、この世界が退屈なんでしょ?なら私が異世界に連れて行ってあげるわ♪」
「い、異世界に?!まじですか!」
俺のテンションは雲を突き抜け、はるか彼方へと飛んで行った、まさかの超展開である、こんなつまらない世界から抜け出せるのなら願ったり叶ったりだ
「で、どうやって行くんだ?」
「あなたは疑うということを知らないのね…まあいいわ、でも親とかにはちゃんと伝えなきゃいけないでしょ?」
「いいよ、俺親居ないし」
あれは高校二年の夏、交通事故により両親は他界、祖母や祖父に迷惑はかけたくないので一人でバイトをしてなんとか生活費を稼いでいた
「あらそう、ならいいわ、それでは早速、お一人様ごあんなーい」
謎の金髪女性が指を鳴らすと、俺の体を浮遊感が襲い辺りの景色は一変、謎の神社の前に寝そべっていた
「おーい、霊夢ぅー、ここ置いておくわよ」
それだけ言うと金髪女性は再び空間の裂け目に消えて行った、すると一人の巫女さんと思わしき服装をした人物が出てきた
「あれ?あんた誰?」
「いや、俺も今外の世界から来たんだけど」
「また紫ね!全くなに考えてるんだか」
やれやれとため息交じりに首を横に振る振る少女は頭に大きなリボンを付けており、巫女服を着ているが、なぜか脇だけ空いている
「あなた、名前は?」
「白波黒羽、君は?」
「私は博麗霊夢、この神社の巫女をやっているわ」
俺は立ち上がり、着ているパーカーに着いた砂や落ち葉を払う、よく見たらこの神社あまり人気がなく、参拝客もどこにも見当たらなかった
「ここがどこだかわかる?」
「もちろん!ここは異世界なんだろ!?」
「な、なんでそれを知っててそんなにテンション高いの……」
「で、ここはなんていう世界なんだ?」
「ここは幻想郷、忘れられたものたちが流れ着く世界……」
俺は中二めいた世界設定にテンションが大気圏を突き抜け、宇宙にまで上がっていた
幻想入りを果たした黒羽くんは一体どうなるのかな?それは作者のみぞ知る!