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?区、其の一

爽真は、神社の小道や田んぼの細道を通って帰宅する。


すると、道中で腰を抜かした婆さんが居た。


「ひぇぇええええ!」


その婆さんの目の先には、なんとも恐ろしい影が。


〈ガゥォオ〉

〈シャーーーーッ〉

〈グゥーーェエエ〉



黒い煙を纏った蝙蝠、虫や蛇などがお婆さんを襲う。

特に鴉達が壊れた和傘を持って飛ぶ姿や、小熊が大きな布を被って寄ってくる様を、お婆さんが怖がった。


「ば、化け物ーーー!!ひぃ!や、やめてくれぇ!」


他にも様々な鳴き声が、数メートル先にある大きな葛籠つづらから聞こえる。

そこから、黒い煙が火事の煙の様にもくもく上がっている。


まるで前回の鳥インフルエンザと同じような広がりを見せる。





爽真は、前回のことを思い出し、カグツチに命令札でお婆さんを襲う動物達と、その葛籠に入っているものを全て燃やしてとお願いした。





とりあえず、今の現状を把握するため、お婆さんと話す。


「大丈夫ですか?肩貸しますよ。よいしょ。

それで、どうしてこんなことになったんだ?」


「ありがてぇ、家に帰って爺さんと話したほうが早い。」

そう言われたので、お婆さんの家の近くまで送っていった。





お爺さん南門から京の外に出てきて、事情を話してくれた。


「あぁ、儂がつい最近までおちょんという怪我した雀の面倒を見ていてな。その後、山へ芝刈りに行くため、婆さんにおちょんを頼んだんだ。儂の留守中に、のりのつまみ食いをしたらしく、婆さんが怒っておちょんの舌を切ってなぁ。そんな可哀想なおちょんを探しに出かけると、竹林の中に屋敷があってな。そこにおちょんが居て、お礼の品を色々いただいたんじゃ、が...。」



お婆さんが割り込むように話し始めた。

「お礼の品は2種類あったのさ。爺さんが選んだ小さい葛籠がお宝でな。けど、少なかったんじゃ。だから、まぬけな爺さんの代わりに大きい葛籠も貰ってきたんじゃ。」




甲高い声で話した後、爽真にだけ聞こえる小声でその続きを言う。

「道中でその宝物の確認をしようとしたら化け物がわんさか出て驚いただけじゃ。」







お爺さんは、その婆さんの小声もしっかりと聞こえていた。

その話を聞いたお爺さんは、婆さんに「無慈悲な行いをしたり、欲張るものではない」と諭した。



お爺さんは爽真に目を向ける。

「化け物を退治してくださり、ありがとうございました。この件は後追いではありますが、爽真殿に指定依頼として発注しますので、後程受注して褒美を受け取って下さい。」

話を続けた後、お辞儀した。





(どこかで聞いたことのある昔話だったな。)

爽真は、その言葉をグッと心の中だけに留め置き、その場を後にした。



『サブストーリー:南区、其の一』が解放されました。



その後、無事神社に帰宅。

残りの家事手伝いをして夕飯を食べた後、就寝した。



セーブ中...


ステータスの記録集に2種類追加された!

◎風邪に罹っていた動物達

葛籠に入っていた鳥や昆虫、動物達はなんと、死に関わる風邪の感染症に罹っていた。


◎猛毒を持つ蛇

葛籠に入っていた蛇は、人を死に至らしめる毒を持ったマムシであった。マムシは、駆除や捕獲で対応する。

咬まれたとき、傷口が膿んでいれば毒液が注入されている可能性大。咬まれるのは大半が手や足。

ネフローゼの作用を引き起こす。

(白血球、赤血球が破壊され殺菌作用が低下。)

30~60分で患部が赤く腫れ、数時間以内に脚や腕全体に影響が及ぶ。放置しておくと死亡することがある。

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