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チュートリアル前編

???「爽真、そろそろ起きんか。」


爽真は、誰かからの呼びかけに応じて起き上がる。


⁇?「依頼を受けに行くのじゃろ?

今起きんと、定刻に間に合わなくなるぞ。」


爽真「...んー。」

爽真は布団から起き上がった。


???「昨日、晴天神社からこの北山神社に引っ越したばかりでまだ眠気が勝っているのは分かる。

だがのぅ、皇子を待たせては行かんよ。

ほれ、身支度をするんじゃ。」


爽真は急いで外の井戸から釣瓶つるべを引っ張り、水を手で掬い、顔を洗う。

寝癖を治して帽子を整える。


そして、服を寝巻から正装服に着替え、扇を持つ。


爽真「北山さん、ありがとう。

お陰で寝過ごさずに済んだ。

さて、依頼主の元へ向かいましょう。」


北山さんは、北山神社の神主であり、叔父である。


北山神主と晴天神主は、兜ノ京の壱ノ宮へ向かう。

兜ノ京の入り口の門を通る前に、北山神主が言う。


「扇は持っとるか?」


「ええ、きちんと持ってますよ。」


「では一つ目の忠告じゃ。

兜ノ京の門をくぐって空気に含まれる独特の臭いを吸うと、体力や気力が落ちるから気をつけるんじゃ。」


(⁈!)



「えっと、...なにか臭うんですか?」


「ああ、臭うぞ。もしや知らなかった口か?

まぁ元から兜ノ京内にいる者には特に影響が無いが、

外部から来た人間には毒なのじゃ。

そのことを知らん者もいるかもな。

だが、兜ノ京の外にいる儂等にとっては一目瞭然。

そうそう。

この間のことじゃが、新人の役人が不運にも毒で亡くなったと噂で聞いたな。

扇で鼻や口を隠すとな、その臭いがしなくなるし、

体力や気力を奪われずに済むのじゃ。」


「なるほど。」


「扇といえば、もう一つ役割があるんじゃ。

何か確認したり記録することがあれば、扇を頼ると良いぞ。では、門番に通してもらえるよう、話をしてくるから少々待っておれ。」

北山神主は、門番と手続きを行う。


その間に、爽真は扇を開く。

すると、ステータス画面が現れた。


====================================

メインストーリー: チュートリアル中

▷お知らせ

【New】職業:役人の死亡フラグを回避!

    新たなサブイベントが解放されました。

    〜新たな役人を探せ〜

▷ステータス

職業:神主

体力:10/10

気力:10/10


基本スキル:命令札

職スキル:神のお供召喚


▷扇を持つ 自動 OFF

▷記録集

 台詞 ON

 回想 条件を満たしていません

====================================

ステータスを見る。

体力と気力の数字が随分少ないな。

気をつけなければ。


お知らせを見る。

どうやら、職業を選ぶ時点でゲームオーバーがあるらしい。選ばなかった場合、サブイベントとして発注できるのか。


危なかった。


現在所持しているスキルが2つあるようだ。

後で試してみよう。



扇を持つコマンドをONに設定した。

常に手動で持っているのは面倒だからありがたい。

ゲームで良かった。



北山神主は、門番との手続きを終えた。

北山さんと共に、兜ノ京の門をくぐる。

その先は壱ノ宮の裏庭に出た。

急を要するのか、勝手口から入れさせて貰った。



そして、畳の間に到着した。

「待ち侘びていたぞ。さぁ、座ってくれ。

爽真殿、北国の遠くから遥々よく来てくれた。」

武蔵皇子の声が暖簾越しに聞こえる。


現在、武蔵皇子は体調を崩されており、布団に横になっている。


「此度はよくぞ、我の依頼を受けてくれた。誠に感謝する。

早速であるが、其方の力を頼りたい。

これが我々の都となる地図である。

なんとなくだが、この兜ノ京の空気が悪い気がするのだ。この京について調べて欲しい。

受け取ってくれ。」


地図を入手した!

すると、『職スキルの神のお供召喚のボタンを押してみよ。』と表示された。


早速、職スキル『神のお供召喚』を発動した。



マガツヒを召喚した。

『命令札を使ってみよ。』と表示された。

「都の悪い相を調べよ。」

と言葉に出す。

基本スキル『命令札』が発動した。


すると、マガツヒが地図上に全面に転がり、そして役目を終えると影の中に消えた。

地図上を見ると、兜ノ京全域に悪い相が表示された。

悪い相とは、何かがそこに不吉な事象が発生しているという意味。紫のマークで表示される、と地図の右側に説明があった。


「全域に、悪い相が出ているじゃと!」

思わず武蔵皇子は声を出した。

前途多難だ。


武蔵皇子はすぐ冷静に切り替えて話を続ける。

「やはり全域に悪い相が出ていたか。

悪い相が出ている原因を突き詰めなくては。

非常に困ったものだ。

一つでも悪い相が減ればいいんだが。


我のスキルの『名声』であれば、民にこの状況を届けられるんだが。体力と気力が足ず、今は使えんのだ。


其方が我が都が良くなるスキルを他にも持っていると聞いているぞ。

悪い相が解決できたら、我にその話を聞かせてくれ。

我の体調も回復できて『名声』が使えるであろう。

『名声』で情報を広め、京を良い環境に変えたいのだ。

そして、我が親族が倒れる謎を解決まで導いてくれ。


其方にはこの悪い相が一つ解決することにつき、それに見合った褒美の金を与えよう。

また其方に個別に依頼をしてくる民もいるであろう。

頼りにしている。」



こうして、爽真は武蔵皇子からの依頼を受理した。




『メインストーリー:親族が倒れていく謎を調査せよ!』

が解放されました。




神のお供:マガツヒ

主: 八十禍津日神やそまがつひのかみ

  大禍津日神おおまがつひのかみ

型: 狛犬

役割:地図上から禍いを起こす根源を探し、悪い相として表示する。

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