地下ダンジョン、脱出せよ
が、戻れなかった。
後ろを振り返ると、見知らぬ影がひいふうみい。
敵と認識され、睨まれている。
そしてこちらへ向かってきた。
来た道に引き返すことが出来なくなった。
「前言撤回だ。扉に突っ込むしかない。
カヅチで突進しても良い。思いっきり暴れて来い。
爽真よ、先に行け。後ろは任せろ。
武蔵皇子と合流しよう。」
筋虎は、直ぐに作戦変更を余儀なくされた。
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『地下ダンジョン』が発生しました。
地下ダンジョンから脱出し、武蔵皇子と合流せよ。
特別ルール
失敗すると、メインストーリーが未達成となり、ゲームオーバーします。
タイムリミット:一時間
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カヅチは扉に突っ込んだ。
広い洞窟が広がっていた。
透明な白い鉱石が幾つか剥き出しになっており、そこから明りが差し込む。
居るわ居るわ、
一つ目、三つ目、ろくろっ首、ぬらりひょん。
扉を破って入ってきた爽真達をみるなり襲ってきた。
出るわ出るわ、数の恐ろしさよ。
50体以上いるのではないか。
一つ目や三つ目達は、目から水鉄砲並みの勢いで謎の水をかけてくるわ。
ろくろっ首達は、柔らかい首のような縄で絞めようとしてくるわ。
ぬらりひょんは、隙あらば扇など身につけている物を盗もうとするわ。
確実に狙われている。
厄介だ。
途中、カヅチの角の電気の灯りが消えかけた。
「角の電気を貯めよ。」
と、カヅチに命令をする。
カヅチに命令している間に、三つ目に水をかけられてしまった。
「ぉう゛ぇ。」
なんだこの水は。
毒が入っているのか。
この一撃で、爽真の体力が残りわずかとなる。
これはもうダメージを受けてはいけない。
爽真は一か八かでカヅチの背中に跨り、逃げる。
カヅチに振り落とされないよう、しっかり捕まる。
そして、とにかく襲われないよう、必死に逃げて距離を置きながら、地形の把握や敵攻略の策を練る。
探している間にも、前から襲ってくる。
カヅチの電撃も、敵が触れるたびに痺れを与えた。
爽真は、何処から脱出すれば良いかを優先した。
天井を眺め、出れそうな場所を探す。
御殿の板底がみえている場所が何箇所かあった。
が、人が通れなほどの大きさはなかった。
爽真は、諦めて複数の細道の一つを選び、カヅチに乗って進む。
坂を登るが、だんだん道が細くなってカヅチから降りる。
四つん這いにならなければいけない狭さになった。
敵は頭のサイズで引っかかり、追って来なくなった。
その先に太陽の光が差し込む。
幸運なことに、北区の門の外に出れた。
外の紅葉樹の根の隙間から脱出したようだ。
そして、武蔵皇子が常駐している畳の間へ。
武蔵皇子と合流を果たす。
皇子も戦っていた。
約25人ほどの兵士と共に、守りを固めながら未知の相手と応戦していた。
「カヅチよ、突進せよ。」
爽真も参戦し、カヅチに『命令札』が発動した。
皇子を狙った敵達を次々と倒した。
護衛隊も、残り1/3切った辺りから合流した。
襲ってきた敵を全て倒した。
地下ダンジョン、ミッション達成。
畳の部屋は、家臣達やその場で一緒に戦った武人達と協力して片付けを終える。
武蔵皇子は、いつもの位置に座る。
「爽真殿。」
「はっ。」
名が呼ばれたので、返事をする。
「本日の褒美をやろう。」
武蔵皇子は扇を口元に抑え、目元の笑みを見せる。
「ははー、ありがたき幸せ。」
爽真はお礼を述べた。
式から100銭を受け取った。
武蔵ポイントが80ポイント増えた。
「それで、其方の事の詳細を聞いても良きかな?」
ステータスの怪物図鑑に一つ目、三つ目、ろくろっ首、ぬらりひょんが追加された!
「ふむふむ、たぬきが何故このようなことを起こしたのか、調べる必要がありそうじゃのう。」
『メインストーリー:たぬきが皇子を襲った理由を探せ!』が追加された!
爽真は北山神社に帰宅した。
「夜も遅い。今日はもう寝よう。」
「おやすみなさい。」
爽真は、就寝した。
セーブ中...
ステータスの物怪図鑑に4種類追加された!
◎一つ目
紐で耳に掛けるタイプの一つ目のお面を被る。
目から毒水を噴射する。
◎三つ目
紐で耳に掛けるタイプの三つ目のお面を被る。
目から毒水を噴射する。
◎ろくろっ首
柔らかい首の縄を扱う。
首は収縮、回転が自由自在。胴が本体の様な。
狙われると顔がすぐ飛んでくるが、脚の移動は遅い。
◎ぬらりひょん
大きな頭が特徴。頭の一部の素材は粘土の様な。
ぬらりくらりと突然出てふらりと消える。
身につけてる物に手を出そうとする。
神のお供:カヅチ
主: 建御雷之男神
建御雷神
型: 鹿
役割:角に電気を溜めることが出来る。
電気のボルト数は調整できる。
突進することができる。




