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物語の途中で殺される悪役貴族に転生したけど、善行に走ったら裏切り者として処刑されそう  作者: maricaみかん
15章 作られる未来

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523話 メアリの頑張り

 お兄様に誘われて、メアリは戦いに行くことになったの。ミーアちゃんとかリーナちゃんが困っているみたいだから、助けてほしいって。


 もちろん、受けたの。お兄様が手伝ってほしいのなら、それはメアリのやりたいことだから。それに、褒めてもらえるのも楽しみだから。


 敵のところに転移して、やっつけていく。それが、メアリの役割なの。


 ミルラさんに作戦を聞いて、その通りに動いていくことにしたの。メアリには、あんまりよく分からないから。とっても分かりやすく、説明してくれたの。


 お兄様の魔法で、敵のところにたどり着いたの。なんか、倉庫みたいな場所。


「えっと、ミルラさんに言われたのは……」


 手順を指示されていたんだけど、倒してほしい敵がいるんだって。それで、どうやって見つけるかを教えてもらったの。


 ちょっとだけ考えて、思い出していく。出てきた場所が倉庫だから……。


「そうだ、とりあえず、大きく壊すの。雷炎岩竜巻(フェイタルストーム)!」


 竜巻を起こして、いろんな場所を壊していくの。まずはそうして、混乱させるんだって。敵が確実に動いてくるから、それに合わせて対応していくんだって。


 とにかく、敵が動いてくるまで壊していく。人も巻き込まれていくけど、それでいいの。確実に壊して、敵に動きを強制するのが狙いなの。


 それで、敵が慌てて動き出したの。いろんな人が走り回っていたから、様子を見て回ったの。


「何事だ! 状況を報告しろ!」


 そんな感じで、敵はメアリの攻撃に対処しようとする。だから、合わせて次の動きをするの。


 順番にこなしていけば、ちゃんと狙った敵にたどり着けるはずだから。


「確か、指示を出している人を殺すんだよね。もう一発なの! 雷炎岩竜巻(フェイタルストーム)!」


 それで、指示している人に向けて直接魔法をぶつけていく。簡単に、やっつけられたの。だけど、全員は倒さない。まだ、次の動きを見なくちゃいけないから。


 目的は、敵将を倒すこと。だから、それを見つけるのが大事だって言われたの。


 実際、隊長みたいな人を殺したら、また動き出した人たちがいた。


「おい、本陣に報告しろ! 行け!」


 そう言われて、本陣に向かっていく敵がいたの。そこが、たぶん目的の場所。つまり、ミルラさんの作戦はしっかり決まったってことなの。


 うまく敵を殺していけば、狙った形に敵を誘導できるんだって。それで、ちゃんと作戦を成功させられるんだって。


「それで、報告に行く人について行くんだっけ」

「行かせるものか! 子供だろうと、容赦はしない!」


 メアリが呟いたら、敵はこちらに向かってきたの。追いかけるためには、足止めをされたらダメなの。


 だから、しっかりと殺してから、次の行動をしていく。予定通りに動いていけば、それで良さそう。


「邪魔。雷炎岩竜巻(フェイタルストーム)。さあ、ゆっくり追いかければいいの」


 ひとまず、道にいる敵は殺していって、報告に向かう敵を追いかけていく。できるだけ、こっそりと。あんまり騒ぎになると、面倒なことになるかもしれないからって。


 しばらく着いていくと、少し大きな建物みたいな場所に敵が入っていったの。しっかりと、追いかけていく。邪魔な相手を殺しながら。でも、楽なものだったの。


 そして報告が始まったの。誰かに頭を下げながら、話し始める。ミルラさんによると、その人が大将の可能性が高いんだって。


 だから、メアリは狙いを定めていったの。


「増援を要求します! このままでは、ここは……!」

「何が相手だ? どこに敵がいる?」


 腕を組みながら、話を聞いている人。それが、きっと大将。だから、メアリは魔力を集中させていったの。


「うん、この人を殺せば良いんだよね。雷炎岩竜巻(フェイタルストーム)!」

「な、なにごと……」


 竜巻で、まとめて殺していったの。これで、一番大事だって言われたことは達成できた。残りは、おまけみたいなものなんだって。


 でも、うまくやった方が、きっとお兄様のためになる。だから、気は抜いたりしないの。


 仮にさっきの人が大将じゃなくても、全員殺せば同じなんだから。


「後は、逃がさないように残りを殺すんだよね。雷炎岩竜巻(フェイタルストーム)!」


 細かいことを考えずに、適当にいっぱい竜巻を出す。そして、できるだけ暴れさせていくの。そうしたら、たくさんの敵を巻き込めるから。


 実際、建物が壊れて人が巻き込まれたり、そういう流れもあったの。良い感じに、殺していけたの。


「なんだ、この竜巻は! こんなこと……!」

「誰か、助けてくれ……!」


 そんな風に、ただ混乱しているだけの人もいたの。さっきまで、メアリが戦っていたことも分からないみたい。


 祈っていたり、全力で逃げ出したり、立ち向かおうとする人なんて、全然いなかった。もしかして、自然にできた竜巻だと思っているのかな? ありえないと思うけど、でも状況が分からない方がありえないし。


「あはは、敵がいることにも気づいていないの。これなら、楽に終わりそうなの」


 そんな調子で、いっぱい殺していけたの。ただ的あてするくらい、単純に。どんどん竜巻を広げていって、プチプチと潰していく。ちょっとだけ、楽しさもあったかな。


 でも、楽しいかどうかよりも、お兄様の役に立てるかどうかが大事なの。だから、遊びじゃない。


 メアリが暴れまわっていると、こっちに向かってくる相手もいたの。


「見つけたぞ! お前が、術者だな……!」


 メアリに向けて杖を向けてくるけど、魔力の動きがとっても遅い。なんか、情けないなって思っちゃった。


 たぶん、何もしなくてもメアリには通じない。普通に身にまとっている魔力だけで、足りるはず。


 でも、油断なんてしないのが立派なレディだから。ちゃんと、本気で殺すのが大事ってこと。


「うるさいの。雷炎岩竜巻(フェイタルストーム)


 敵が魔法を完成させるより先に、メアリが魔法を撃ったの。簡単に当たって、それで終わり。


 メアリに挑むには、ちょっと早かったみたい。もしかしたら、一生をかけても足りないかもしれないけど。


「あっ、がっ……」


 ただ倒れていく敵を見ながら、悲鳴や動きの気配が消えたのを感じたの。たぶん、全滅させられたんだと思う。


 とりあえず、やれることはやったの。でも、完璧を目指すのも大事だよね。


「うーん、これで終わりかなあ? 一応、全部壊しておくの。誰も出てこなくなったら、終わるの」


 全体が平地になるまで、全部竜巻で壊していったの。そうしたら、何も出てこなくなった。きっと、確実に全員殺せたはず。


 それってつまり、お兄様の力になれたってこと。完璧に、任務を果たせたってこと。


「お兄様に、いっぱい褒めてもらうんだから!」


 メアリは、全力で叫んだの。それが、遠くまで響き渡っていったの。


 お兄様、メアリはこれからも頑張るからね。

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