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物語の途中で殺される悪役貴族に転生したけど、善行に走ったら裏切り者として処刑されそう  作者: maricaみかん
9章 価値ある戦い

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307話 ミュスカ・ステラ・アッシュの願い

 私は、レックス君と久しぶりに会って、少しだけ話をしたんだ。いつも通りに、いっぱい好意をぶつけていったよ。なんて、演技なんだけどね。


 レックス君のことが何より愛しい。ずっと心に刻むべき、大事なことだよ。自分すら騙せない嘘で、人を騙せるわけがないんだから。といっても、レックス君は私を強く信じてくれているとは思うけどね。


 とっても嬉しいよ。レックス君は、私のことを大好きで居てくれる。つい笑顔になっちゃうくらいに、胸がドキドキするくらいに、最高だよ。そうだよね、私。


 レックス君の前で頬を染めちゃったりしたら、少し恥ずかしいかな? 私の気持ちに気づかれちゃうんだから。でも、レックス君はきっと喜んでくれるよね。そんな彼が、私は大好きなんだからね。


「せっかくの機会なんだから、レックス君ともっと仲良くならないとね」


 そうして、過ごせる時間を増やしていきたいよね。レックス君との時間は、とっても大切なんだから。私のすべてと言っていいくらいに、ね。


 だから、私と会おうとしてくれたことは、すっごく嬉しいよ。天にも登りそうなくらいに。このドキドキは、きっと伝わらないよね。少し、寂しいな。私の想いを、どこまでも感じてほしいのに。


 歯を食いしばりたい気持ちは、少しあるよ。でも、レックス君の前では、いつでも笑顔でいたいんだ。可愛いって思ってほしいし、素敵だって思ってほしいから。


 そのために、もっともっと頑張るよ。頑張りやさんのこと、レックス君は大好きだもんね。


「私の贈ったチョーカーも、役立ててもらいたいよね。そうして、もっと好きになってもらわないと」


 せっかく、私の魔法を込めたんだからね。レックス君のことが、いつでも伝わるように。私には、レックス君がどこに居るか、どんな動きをしているか、全部わかるよ。


 だから、レックス君が敵に襲われたことも、ちゃんと知っているんだよ。もし苦戦しそうなら、私の力を貸してあげるからね。そうして、困難に打ち勝ってもらいたいな。


 私は、レックス君を応援しているよ。だって、誰よりも大好きな人なんだもん。


「どんな道を選ぶにしても、レックス君に信頼してもらうのは大切だからね」


 そして、もっとずっと大好きになってほしいよ。そうすれば、私の心は満たされていくんだから。とっても熱い気持ちでね。


 だから、どれだけ都合の良い女にもなってみせるよ。レックス君の望みは、何でも叶えてあげたいな。私の持っているもの、何でもあげるよ。体でも、心でも、魔法でも、他のなにかでもね。


 そうして、どんどん頼ってほしいな。私は、尽くす女なんだよ? そう、教えてあげるからね。


「いつか裏切るとしても、レックス君を私に溺れさせるとしても、他の道だとしてもね」


 レックス君に勝つために、ね。何を選ぶとしても、レックス君に好きになってもらえれば、それで良いんだから。そのためになら、私はどんなことでもするよ。苦しくても、つらくてもね。


 ねえ、レックス君。私の気持ち、伝わっているかな? 私の胸に触れてもらえば、高鳴りに気づいてもらえるかな?


 私は、ずっとレックス君のことを考えているんだよ。寝ても覚めても、どんな時でもね。きっと、これから一生変わらない事実だよ。


 だから、レックス君にもらったチョーカーは、ずっと大切にするからね。どんな宝石よりも、ね。


「気軽に話しかけられるのは、ありがたいよね。いつでも、元気づけてあげられるよ」


 私だって、いろんな感情をもらえると思うな。レックス君の声が聞けるのなら、ね。お互いにとって、良いことがたくさんだよね。


 レックス君が悲しい時は、慰めてあげる。苦しい時は、寄り添ってあげる。嬉しいことは、一緒に喜ぼうね。迷っているのなら、背中を押してあげるからね。


 私とレックス君は、友達なんだから。それに、大好きな人の役に立ちたいって思うのは、当たり前のことでしょ?


 だから、私も努力するからね。レックス君に必要としてもらえるように。


「私の武器は、同じ闇魔法を持っていることだよね。お互いに教え合ったりとか、できるはず」


 基本的には、レックス君のほうが強いんだけどね。ただ、闇魔法には無限の可能性があるから。私が思いついた魔法がレックス君の力になる場面だって、きっとあるはずだよ。


 そのためにも、もっと魔法の勉強と練習をしないといけないよね。レックス君にだって、負けないくらいに。


「そういえば、闇魔法には邪神が関わっているとか言っていたよね」


 アイク先生。私とレックス君で倒した、危険な闇魔法使い。なんて、私は足を引っ張っていたんだけどね。あの時は、悔しかったな。枕を涙で濡らしたもん。


 そのアイク先生が、いずれ邪神がどうこうって言っていた。レックス君が関わるような口ぶりで。


 フィリス先生に聞いたところによると、邪神から力の誘惑に誘われて、それに負けると体を奪われちゃうんだって。そんなの、何の意味もないのにね。


 そして、レックス君が邪神と関わることになる。アイク先生は、そんな事を言っていたはず。


「レックス君を奪おうとするのなら、ただの邪魔者だよね」


 力をくれるとか、そんなのどうでもいいことだよ。私の道をはばむ存在でしかないかな。レックス君を狙っているのなら、私の敵だよ。それがどんな意味だとしてもね。


 私は、あらゆる手を尽くして邪神を排除すると思う。だって、邪魔だから。


「でも、闇魔法の力の根源は邪神なんだよね」


 つまり、闇魔法を極めようとすれば、邪神との関わりが深くなる。圧倒的な力を持っているレックス君は、どうなっちゃうんだろうね。少し、不安だな。


 レックス君が誘惑に負けるとは思えない。絶対に、私達の方を選んでくれるよ。邪神の誘惑に乗るってことは、私達と敵になるってことなんだから。


 それなら、どうするのが正解なんだろうね。


「邪神にすがることは、ありえないけれど。何か良い手はないかな?」


 殺せる存在なのかどうかも、気になるところだよ。邪神が闇魔法の根源だっていう、その意味も。とにかく、取れる手段を探るべきだよね。


「利用するなり使い潰すなり、道はあるはずなんだよ。そうならないのなら、消えてくれても良いんだし」


 封印でもして、魔力だけを引き出し続けるとか。とにかく、まともに向き合う意味はないんだから。どうせ、敵になるんだからね。


 そんな相手なら、いくら傷つけたって良いよ。みんなのためだもん。レックス君だって、納得してくれると思うな。


「レックス君は、私のものなんだから。ただの神なんかに、譲らないよ」


 レックス君を誘惑するのは、私の役目。私のすべてを大好きになってもらうのは、誰にも邪魔なんてさせない。もし仮に私を狙ってくるとしても、やることは同じかな。


 とにかく、私とレックス君の未来を邪魔することは、絶対に許さない。それだけは、決まりきっているんだから。


「仮に誘惑してきても、踏みにじるだけだよ」


 素直に手を取るなんて、ありえないよね。私には、力よりずっと大切なものがあるんだから。この力を失ったとしても、変わらないことがあるんだから。


「レックス君が手に入らない未来に、意味なんてないんだからね」


 そのためになら、私は何でも捨てられるよ。魔法でも、名誉でも、立場でも、金銭でもね。だから、ずっと私を見ていてほしいな。


「待っていてね、レックス君。もっとずっと、どこまでも私を好きになってほしいな」


 それだけが、私の人生の意味なんだから。だから、ずっと、永遠に、私達は一緒にいようね。

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