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5-5 旅は道連れ



 小川が流れていたっす。

 その近くに狼車を止めると、僕たちは車輪に車輪止めをはめましたね。

 ガゼルの馬具をはずしてあげました。

 焚火を作るために石と枝を拾って集めます。

 その最中。

 先客の四人組のうちの一人、ルピアが近づいてきて、イヨをつかまえていましたね。

 女同士、何か話し込んでいるっす。

 ……まあ、危険は無いでしょう。

 そう判断して、僕は石と枝を探します。

 話を終えたイヨが駆け寄ってきて、僕に言いました。

「テツト、ルピアさんが、今日は一緒に焚火を囲もうって言ってる」

 びっくりしたっす。

 イヨがこうもあっさりと警戒を解くなんて、ルピアはどんな人物なのでしょうか?

 僕としては、特に拒む理由はありませんでした。

「そ、そっか。どうする?」

 イヨは少し逡巡したような表情をして、やがて艶っぽい顔をします。

「良いと思う。食事をご馳走してくれるって言うし。それに、旅は道連れって言うし」

「ふーん。イヨが良いって言うんなら、僕としてはどちらでも良いかな」

 そこでイヨが僕の右腕に抱き着き、耳元に口を寄せてささやきました。

「テツト。今夜、浮気しないでね」

 イヨが鼻の上を赤くしていたっす。

 色っぽい笑顔。

 僕の腕をすぐに離して、次に彼女はヒメの元に小走りで駆けて行ったっす。

 ……。

 そんなこと言われるとですね。

 興奮してしまうっす。

 やばいっす。

 膨張した息子を静めないと。

 僕は集めていた石と枝をその場に置いて、イヨの背中を追いかけました。

 ヒメと一緒にレドナーもいて、イヨが説明をしています。

 二人とも納得したようで、みんなで狼車に戻りました。

 暗がりの中、ガゼルがお座りをしています。

 スキップをしていたヒメが立ち止まりましたね。

「ふんふんふーん、ガゼルー、今夜はあっちの焚火でご飯ニャンよー」

「ぐるる?」

(ん? どういうことだ?)

 パチッと(まばた)きをするガゼル。

 ヒメが人差し指を立てます。

「旅は道連れニャン!」

(ふむ、良く分からんが、我は腹が減った。メシを食えるのなら何でも良い)

 ガゼルのお腹がゴロゴロと間抜けな音を立てました。

 ヒメがガゼルの腕を触ります。

「にゃはは、ガゼルー、お腹空いたにゃんね。向こうへ行くニャンよ~」

(うむ。今日の晩飯は何だ?)

 ヒメとガゼルが並んで歩いて行きます。

「天使さま、お待ちを!」

 レドナーが追いかけて行きました。

 僕は香辛料入りのタルからガゼルの食料である大きなソーセージを二つ取り出します。

 木の桶に入れて、両手に持ちました。

 このソーセージがすごくでかいっす。

 そして木の桶をもう一つ持って行くことにします。

 イヨは手土産を持たずに行くのは失礼と思ったのか、自作のクッキーのお菓子を皿の上に盛っていました。

 僕は声をかけます。

「イヨ?」

「いま行く!」

 イヨが準備を終えて、僕たちもお隣の焚火の元へと歩きました。

 ルピアたちは、焚火で食事を作っている最中でしたね。

 焚火のそばに彼女たちが並んで座っているっす。

 茶髪のショートカットの女性が一人立っており、焚火の上にある円柱形の鍋をオタマでかき混ぜています。

 この人の名前はまだ知りませんね。

 漂ってくるスープのかぐわしい香り。

 ルピアが立ち上がって、会釈しました。

「さあみなさん、どうぞどうぞ座ってください」

 右手を伸ばして焚火の前を勧めます。

 イヨが前に出て、お皿にこんもりと盛られたクッキーを差し出しました。

「これ、みなさんで食べて」

「わあ、素敵なお菓子! もらっちゃっていいんですか?」

 ルピアが両手のひらを合わせて目を輝かせました。

 頷くイヨ。

「うん」

「みんなで食べましょう」

 ルピアが皿を受け取って、クッキーを一つ取って口に運んだっす。

「あ、甘くて美味しい」

 ルピアは笑顔でそう言って、座っているヨナともう一人の女の子にもクッキーの皿を回します。

「ありがとうなのです」とヨナ。

「ども」小さくお礼を言って頭を下げるちっこい女の子。

 ヒメとイヨとレドナーが彼女たちのそばに並んで腰かけたっす。

 ガゼルが僕たちの後ろに伏せりましたね。

 僕はガゼルの口のそばにソーセージの載った木の桶を置きます。

「ぐるるー」

(テツト、我はもう食べて良いのか?)

「いいよ」

 僕は頷きました。

(では!)

 おすわりをして、ソーセージにかぶりつくガゼル。

 僕は自然と笑顔になり、そしてレドナーの隣に腰を下ろします。

「モンスターがいるです!」

 紫色の髪のヨナがびびったように言って、ガゼルを指さしました。

 ルピアがたしなめるように注意します。

「ヨナ! そんなふうに指をささないでください。イヨさんたちは多分、スティナウルフを町に招き入れたことで有名な、あの勇者の町、バルレイツ出身なのでしょう」

 スティナウルフの噂は轟いているようです。

「そうだニャーン。よく分かったニャンね~」

 ヒメが元気に右手を上げましたね。

 人見知りをする素振りがありません。

 猫の時からそうなんです。

 ヒメの持ち味でした。

 その時初めて、料理を作っている茶髪の女が喋りました。

「おーい、ルピア。メシが出来たぞ?」

「およ。ありがとうミリー。それじゃあ皆さんにパンを配らないと」

 ルピアがヨナに目配せします。

 ヨナが立ち上がりました。

「任されましたです」

 焚火の脇に用意してある紙皿を取り、紙袋からパンを取って、一つ一つ皿に載せてくれたっす。

 横の人に渡すようにして、みんなに皿つきのパンが行きわたりましたね。

 続けてスープを盛りつけた深皿とスプーンも同じようにします。

 もちろんガゼルにもスープを盛ってあげるのですが。

 体躯が大きいため、木の桶にいれてもらいます。

 ガブガブとスープを食べるガゼル。

(うむ!? 美味いな! これは美味いぞ!)

 狼の見事な食べっぷりと、心からの絶賛に、みんなが腹をひくつかせて笑ったっす。

 笑いすぎたのか、イヨが目じりの涙を指で拭いながら聞きます。

「何て料理ですか?」

 スープの色は茶色いですね。

 見た目はまるで日本で言うところのカレーです。

 茶髪のショートカットのミリーがあぐらをかいている膝に手を乗せました。

 ボーイッシュな雰囲気の女性です。

「ジールコットだよ。知らねえのか? お前」

 いきなりイヨをお前呼ばわりしていますね。

 だけど悪い気はしませんでした。

 ぶっきらぼうですが、気さくな雰囲気の女性です。

 イヨが小刻みに首を振ります。

「ふーん、知らない」

「知らねえの!? 有名だろ? ジールコットって。羊の肉をマニ草と絡めて焼いて、鍋に水とジャガイモと玉ねぎとニンジンをぶち込んで煮て、最後にユーゴとかナバルとかあたしも詳しく知らない香辛料を混ぜた塊を入れて、あ、それはジールコットのルウとして店に売ってるんだけどな、まあ、そんな感じで出来上がりだ」

「美味いニャーン」

 ヒメが早速食べてますね。

 それを見たイヨの唇がひきつります。

 ヒメの器を取り上げました。

「ヒメちゃん、まだ食べちゃダメ!」

「んにゃん? 何でにゃん?」

 不満そうなヒメの声。

 イヨが目力を込めて言ったっす。

「みんなでいただきますしてから」

「あー、んにゃん~、ごめんニャンよ、イヨ」

「いいんですよ」

 ルピアが笑って両目を細めたっす。

 続けて言いましたね。

「それじゃあ、ジールコットが冷めちゃうと悪いし、いただきますをしましょうか」

「んにゃん! いただきますニャン~」

 みんながそれぞれ「「いただきます」」と言って、スープやパンを口に運びました。

「神よ、今日の恵みに感謝します」

 イヨはいつもの祈り言葉。

 ジールコットの味は、色と同様、カレーに似ていましたね。

 久しく食べていないその味に僕は感動していました。

 食べながら、ルピアが話をつないでくれます。

「イヨさん。そっちのリーダーは誰なのかしら?」

「はーいニャーン」

 ヒメがぴょんと右手を上げたっす。

 イヨが唇をゆるゆるとさせています。

 僕も笑いにお腹がひくひくとしました。

 普段の生活を見ているとリーダーはイヨっぽいですが。

 面白いので訂正せずにおくっす。

 ルピアはびっくりしたようで、両目を丸くしていますね。

「貴方、お名前は? ヒメちゃんって呼ばれてましたよね? それって、本名ですか?」

「んにゃん! あたしはヒメだニャンよ~」

 ルピアが目を(しばたた)かせます。

「なるほど……」

 今度はヒメが聞きました。

「お前たちのリーダーは誰だニャン?」

「「ルピアさま」と、ヨナとちっこい女。

「ルピアだな」とミリー。

 ルピア自身も自分の胸に右手を当てています。

「わたくしが、一応リーダーということになっています」

「そうかニャン! じゃあリーダー同士、仲良くするニャンよ~!」

 ヒメの唇にはジールコットの茶色い液体がついていますね。

 イヨが自分の指でぬぐいます。

「ヒメちゃん、垂れてる」

「んにゃん!」

「行儀よくして」

「にゃん~」

 イヨは自分の指をペロリと舐めて綺麗にしました。

 それを見て疑問に思ったのか、ルピアが水を向けましたね。

「貴方たち、姉妹ですか?」

「いえ、違います」

「違うニャンよ~」

 そろえて首を振るイヨとヒメ。

「ふ、ふーん」

 ルピアが不思議そうに見つめたっす。

 一応納得したのか、人差し指を立てましたね。

「じゃあせっかくですし、一人ひとり自己紹介をしましょう」

「はーいにゃーん!」

 僕は、げっ、と思いましたね。

 このままずっと喋らずに、雰囲気だけ楽しんで帰るつもりでしたが。

 そうもいかないようです。

 ルピアがヒメを手で示します。

「それじゃあ、ヒメちゃんチームから、お願いできますか?」

「良いニャンよ~。あたしは、本名は白浜ヒメって言うニャン。そこにいる男の、テツトのペットだニャンよ~。もともとは猫だったニャンけど、この世界にワープしてくる時に人間になることが出来たニャン。そしてイヨやレドナーと出会い、今は傭兵をやっているニャンよ~。夢は家を買うことだニャン。家を買って、日向でゴロゴロするニャン! 気持ち良いニャンよ~」

 ルピア陣の女性は、顔面を硬直させましたね。

 理解に苦しんでいるようです。

 隣にいるレドナーまでも、目を丸くしていました。

 彼も初めて聞いた部分があるようです。

 ヒメはあるがままの説明をしたんですけどね。

 初めて聞く人には荒唐無稽の物語に聞こえるのでしょう。

 ヒメが隣のイヨの肩を触ります。

「はい。次はイヨだニャンよ」

「う、うん」

 イヨがこほんと咳払いをして語り出しました。

「今のヒメちゃんの自己紹介は本当にその通りなんだけど、飲み込むには時間がかかると思うから、聞き流して大丈夫です。私はイヨ・キステル。山奥の村で一人暮らしをしていたんだけど、ヒメちゃんやテツトと出会って、それから一緒に傭兵をやっています。あと、テツトとは」

 イヨがこちらをちろっと見ましたね。

 どうしてか顔を赤らめます。

 またルピアたちを向きました。

「恋人同士です」

 おおー、と声を上げるルピアたち。

 パチパチと小さな拍手もありました。

 イヨにそう言ってもらえて、僕はかなり嬉しかったです。

 イヨは素敵な恋人っす。

「次は俺だな」

 激しく身を乗り出すレドナー。

 喋り出します。

「俺はレドナー・セッツア。バルレイツの町出身で、勇者になるために修行し、傭兵をやっていた。だけどそれは過去の話。今は天使さまをお守りするため、天使さまの望みを叶えるために日々生きている。そうつまり、俺は天使さまの盾であり剣だ!」

 またしても首をかしげているルピアたち。

 イヨが付け足して言ったっす。

「あ、天使、って言うのはヒメちゃんのことです」

「照れるニャン~」

 ヒメが両手で自分の頬を挟みましたね。

 ルピアが聞きます。

「レドナーさんと、ヒメちゃんは恋人同士なんですか?」

「そ、それは……えっと」

 レドナーが頬を上げてヒメを見ました。

 ヒメがゆっくりと顔を振ります。

「んーん、恋人じゃないニャンね~」

「今はまだなんです!」

 レドナーが力強く言ったっす。

 ルピアたち女性陣は「「ふーん」」と興味深げに言いました。

 ヨナが小さく挙手して質問したっす。

「レドナーさま。レドナーさまは、どうやって傭兵ランクを、Uまであげたですか?」

 レドナーはしまったと言うように顔をひきつらせました。

 イヨが申し訳なさそうに言います。

「あ、それは嘘なんです」

「嘘ですか!?」

 びっくりしたようなヨナの顔。

 ミリーが右手で自分の膝を叩きます。

「やっぱりそうだと思ったんだ」

 イヨが説明をしました。

「ごめんなさい。私たちの傭兵ランクはEで、レドナーだけはDなんです。今回の闘技祭は私たちにとってランクアップ試験で、一回戦でも勝てればランクが一つ上がるんです」

 ルピアたちはなるほどと言ったように納得の声を上げました。

 イヨとレドナーが喋るのをやめます。

 二人がこちらを見ました。

 ……。

 次の自己紹介は僕ってことですよね?

 そうだと思います。

 ヒメも僕を向きます。

「次はテツトだニャンよ~」

「あ、うん」

 口下手なんすよね~。

 コミュ障にとって、自己紹介はハードルが高いっす。

 だけど、何か言わないといけないですね。

「ぼ、僕は、白浜テツトと言います。傭兵をやっています。よろしくお願いします」

 頭を垂れました。

「うん、うん、それだけ?」

 ルピアが物足りなさそうに聞きました。

 僕は頷きます。

「はい。以上です」

「あ、あの、テツトは、初めての人と喋るのが苦手なの」

 イヨがちょっと渋い顔をして説明をしました。

 ルピアたちはまた「「ふーん」」と言って頷きます。

 ルピアが「まあいいわ」と言って、自分の仲間たちを見回しました。

 ミリーがルピアに右手を向けて「どうぞ」と言います。

 ルピアが顎を引いて語り出します。

「わたくしはルピア・ネイプルと言います。ネイプル家は一応貴族の家柄なんだけど、商売に失敗して没落しています。あ、ここ笑うところです」

 僕たちはかすかに笑みをこぼしましたね。

 彼女は続けます。

「わたくしたちはみんな、ロナード王国の王都、ハランクルスの出身で、軍学校で知り合いました。軍人になるよりも、傭兵をやりながら自由奔放に生きたいと思う人たちで集まって、それで傭兵をやっています。夢は困っている人を助けること! 以上です」

 僕たちは拍手をしました。

 ヒメが感心したように言ったっす。

「んにゃん~、ルピアは良い奴だニャンねー」

「はい。わたくしは良い奴ですよ!」

 ルピアは笑顔でそう言って、隣にいるミリーの肩に手を置きました。

 ミリーが緊張したように顔をうっすらと赤くします。

「あ、あたしか?」

「はい、ミリーの番ですよ」

 微笑するルピア。

 ミリーがこちらを向いてぶっきらぼうに言います。

「あたしはミリー。みんなの世話係だ。以上!」

「ミリー、短すぎです!」

 ルピアが眉を寄せましたね。

 ミリーは唇をとがらせて言ったっす。

「だって、他に喋ることねーんだもん」

「もう~。まあ、いいわ。次、ヨナお願いします」

 ルピアが紫色の髪の女性に目配せしました。

 ヨナが「はいです」と言って立ち上がります。

 ……立つのか。

「私は、私はヨナ・リンクル。ネイプル家の使用人の娘です。そして私自身もルピアさまの使用人なのです。弓の才能を認められて、軍学校に通うことを許可されて、そこで皆さんと知り合ったのですよ。とてもありがたく思っているです」

 僕たちはコクコクと頷きましたね。

 ヨナは続けます。

「夢は、そうですね。一生ルピアさまのお供がしたいと思っているです。そしてそして、なんとなんと、今日お会いしたばかりですが、レドナーさまのことがちょっと気になっているです。あ、キャハ! 言っちゃった」

 ヨナは両手で口元を隠して、その場に腰を落ち着けます。

「モテる男は大変だぜ~」

 レドナーが照れたように側面の髪をかいていたっす。

 ヒメの眉に不機嫌そうにしわが寄りました。

 しかし一瞬のことでしたね。

 僕たちは小さな拍手を送ります。

 ルピアがヨナにたしなめるような視線を向けていましたが、「まあいっか」と言って最後の一人に声をかけます。

「ネモ、自己紹介をお願いできるかしら」

「あ、はい」

 ネモと呼ばれたちっこい女の子はこちらを見もせずに、つぶやくように言いましたね。

「私ネモ。寝ることが好き。一生寝てたい。欲しい物はフカフカのベッドと安眠マクラ」

 そこで言葉をやめてしまう彼女。

 ルピアが催促したっす。

「ネモ、もう少し」

「あ、はい」

 ネモが初めてこちらを見ましたね。

「大人たちに魔法の才能を認められて軍学校に行った。だけど性格診断で落ちて、軍人にはなれなかった。仕事が見つからなくて途方に暮れていたところをルピアさまに拾ってもらった。それから傭兵をやっている。ルピアさまは、命の恩人」

 僕たちは「「ほー」」とつぶやきます。

 傭兵をやる人にも色んな動機があるんすねー。

 感慨深いっす。

 これで全員が自己紹介をしましたね。

 そう思ったのですが、最後に後ろにいる狼が念を飛ばしました。

「ぐるるー」

(我が名はガゼル。スティナウルフの長にして、フェンリルの夫であり、フェンリルの牙。立ちはだかる者は全てこの牙で切り裂く。覚えておくことだな)

 みんながびっくりしていましたね。

 そう言えばガゼルが残っていたっす。

 ルピアは口をあんぐりと開けて、それから困ったように笑いました。

「これって、念、ですよね? ガゼルさんは、とても頭の良いモンスターなんですね」

「スティナウルフはみんな頭が良いニャンよ~」

 ヒメが三角座りをしたまま笑顔を浮かべましたね。

 ルピアたちはガゼルを興味深げに見ています。

 気になるようですね。

 ルピアが言ったっす。

「ヒメちゃん、スティナウルフについて、色々教えていただきたいのですが」

「良いニャンよ~。どこから話せば良いニャンかな~」

 そしてヒメがスティナウルフと初めて会った日のことから、どのようにしてバルレイツの町に馴染んで行ったのかを長々と語りました。

 途中イヨが補足説明を入れたりして。

 そんなこんなで夜が更けていきます。

 ルピアたちも、彼女たちがどのようにして出会い、友情を深めたかを語ってくれましたね。

 いつの間にか、普段寝る時間を通り越していたっす。

 やがて一旦解散になり、僕とレドナーとガゼルが、自分たちの狼車のある場所へ戻りました。

 いやー、こういうのもたまには楽しかったですね。

 寝袋に入って就寝です。

 ヒメとイヨはまだ焚火の元にいて、ルピアたちとお喋りを続けているっす。

 楽しんでいるみたいですね。

 明日は寝不足にならなければ良いのですが。


ブックマークを一ついただきました!ありがとうございます。励みになります。これからも頑張ります!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 旅の途中の団らん、いいですね素敵です。 (>_<)
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