第14話 富士山大魔神
「ロシア。」
「誰かが富士山大魔神を起こしたわね。」
私は関東一帯の地面に隠れる富士山の火山ルートを見つめて言った。
私がマーキングして見せたののは、富士山の火山ルートを浮き上がらせていた。
「イラン。」
冴衞門が言った。
「北朝鮮。」
タクローがつぶやいた。
いずれにしても、日本を潰そうとしている奴が、眠っていた富士山大魔神を呼び覚まし、噴火させて日本を鎮めようとしている。
番頭が言った。
「お見事。大桜華取鳥火鳥、さすがだ。」
「待って。」
「もう一つ、何か見える。」
私はじっくり、自分がマーキングした経路図の位置を見つめた。
私の頭の中の記憶をゆっくり見つめる。
頭の隅で何かが引っ掛かっている。気になるのは、運慶やろう大魔神が飛び出してきたあたりだ。
「あいつは、なぜあそこにいた?」
私はゆっくりつぶやいた。
「やっぱり、何かが落ちてくる。それも同時に起きている。」
私はしばらく、皆が見つめる中、辺りを歩き回った。そして、顔を毅然とあげて皆に言った。
「本当に小さな小さな隕石もあるかもしれない。」
「偶然が重なって、この規模になっているのよ。」
私は番頭に言った。
「よし、よくやった。では、早速犯人を探し出せ。ロシアか?イランか?どの敵対国か?」
「富士山大魔神はまだ起きていないわ。この経路図は、未来を示している。これから起こそうとしている奴がいるということよ。」
私は言った。
マキテとゼニキバの各国諜報員に緊急司令が出たのは、そのあとすぐだった。
誰が、富士山大魔神を起こそうとしているのか?
寝た子を起こすと、そのしっぺ返しは覚悟しなければならない。




