使節団の到着3
ん?ゲームなら、魔の王国側からの婚約の提案だったはずなのに、なんで竜神帝国皇帝に提案されているんだ?
「.........ありがたい提案ですが、お断りさせていただきます。」
「なぜだ?」
「私情ではありますが、竜神帝国には後宮があるからです。権力争いなんて、お断りですし、それに父様からも、結婚は私の好きにしていいと言われております。」
「関税をかけないことは、民のためになると思うが?」
「でしたら、いい案があります。人払いしていただいても?」
「ああ。」
「で、なんだろう?」
「貴殿の国の流行り病。どうにかして差し上げよう。」
「どういうことだ?」
「だから、貴殿のお探しの、医者を手配しよう。..........いい医者団が我が国にいる。体の構造が似ているから、役に立つかもしれない。」
「それで、何が望みだ。」
「それは、父様が決めることですが、一つは殿下の妃になるのは、私と殿下が望まないかぎり、やめていただきたい。」
「後宮でいじめのないようにしっかりと管理しよう。それでもだめか?こう言っては何だが、皇太子は、顔もいいし文武両方に優れている。」
中が16歳なだけで、頭がいいだけだから、そんなに手に入れようとしなくてもいいのに。どうせ、大人になったら、私より頭がよくて、きれいなヒロインが現れるんだし。皇帝には言えないけど。
「はい。まさしく、殿下の才能は素晴らしいです。そんなお方と婚姻を結べたら、竜神帝国にとってもこの国にとっても、いいことでしょう。しかし、私は普通の恋がしたいのです。後宮制度については、姫としては、理解できていますが、一人の女子としては、受け入れがたいです。」
そう答えると、目の前のイケオジはわざとらしく肩をおとした。
「では、友人としてでもいいから、あの子と仲良くしてやってくれ。」
そう言った皇帝の目は父様が私を娘として見ているときと同じ暖かさを持っていた。後宮で母親と後ろ盾のない。彗を考えている父親の目だった。
皇帝が後宮で起きていることを知らないはずはない。ただ、いじめに他国の姫がかかわっているのならば、国際問題に発展する可能性もあって、関与することは難しくなる。
そこで、友達でもと思ったのだろう。
「私も、友達はまだ、いませんので、ありがたく。」
こうして、私は一つ目のフラグを折ることに成功したのだった。