使節団と皇太子2
続きです。
それから、私は約2日間で出迎えの準備を行った。
先方のアレルギーの確認や、結ぶ条約の内容、礼儀作法の復習。あと竜神帝国の言語確認などをレンのサポートを受けつつ終わらしていく。
あの多忙な日々を思い出すのはつらいので、なにをしたのかの説明はこれぐらいにする。
まぁ、いろいろあって当日。私は朝から自分の身支度をしていた。まず服は魔の王国の伝統衣装トゥストだ。客人の前ではこれを着ないといけない。トゥストは古代ギリシャ女性の服、トゥニカに色鮮やかな帯を腰につけ、腕輪と耳飾りをつけるもの。女神みたいな服装である。
服を着ると次は侍女に化粧をしてもらう。薄くしてもらうことにした。こどもがバリバリの化粧とかヤバいしなぁ…。魔の王国ではバリバリの化粧は普通…というか当たり前らしいがやめておく。化粧が終わると侍女に鏡を持ってくるようにいうとすぐに持ってきてくれた。
鏡には自分ではない小綺麗な少女が映っていた。やっぱ、このキャラの顔が美しすぎる。キラリと光る銀髪に射貫くような赤い瞳。この世のものだとは到底思えない。こどもで色気があるってすごすぎる。さすがは乙女ゲーム。
前世は可愛くなかったし、色気もなかったもんなぁ…。そんなことを考えながら、鏡とにらめっこしていると、一つ良いことを思いつき、侍女を呼ぶとこっそりと耳打ちし、手配して貰った。入れ替わりのようにレンが入室し片膝を付き、報告してくれる。
「姫様。使節団の一行が先ほど首都の門をくぐったと報せがきております。もうそろそろ出迎えたほうがよいかと。」
「分かった。ご苦労だったと、門番に伝えてくれ。……レン。お前も私のサポート頼んだぞ。」
「御意」
こうして、私は竜神帝国の皇帝と向き合うこととなり、さっきの威圧感を感じることとなるのだった。
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