彗と兄上と9
彗と兄様はたびたびお見舞いに来てくれた。
彗は小説を、兄さまは面白い話や授業で習ったことなんかを話してくれた。おかげで長いベッド生活を乗り越えることができた。
それから、いっきに仲良くなった私たちは一緒に遊ぶことが増えた。遊ぶと言っても魔法アリの鬼ごっことかそういうのが多い。たまに父さまやクラン、ロンド、レン、シフィラも参加する。
そんな風に過ごしているとある日、シフィラが声をかけた。
「姫さま。ルルさまが、里帰りからかえってきましたよ。お久しぶりですよね?お通ししますか?」
「ルルが?いいけど?兄さまも久しぶりですよね?」
ルルって人はゲームには出てこなかったからモブだろう。でも、間違いなく私の記憶の中にいる。
ルルは高位貴族の娘だが城に出仕し、私のお世話係の一人でマナーを数カ月前から担当している。一時的に実家に帰省していた。
ルルという人はまだ前世の記憶が戻る前の段階では好印象を覚えたようだ。
「あぁ。ルルか。お前が大好きだもんな。」
「はい。彗にも紹介するからね。」
「あぁ。そうしてよ。ルカ。あ!だったら今度わたしの従者も紹介しよう。」
「お、楽しみ!!」
そんな会話をしているとガチャリとドアがあき、1人の女性が入ってきた。
「ルカ。元気にしていた?」
金髪の髪に人懐っこい瞳をもつ女性だ。一見幼くみえるが父様と同い年、30歳だ。




