彗と兄様と7
体が重い。少し寝苦しい。あの侍女はどうなったかな。彗は大丈夫かな。ほったらかしにしちゃったから。困惑していたら申し訳ない。フワフワとしている感覚がして、それが妙に心地よかった。
だが、それもつかの間のことで、遠くから誰かが呼んでいる気がする。もうそろそろ起きなきゃ。
目を開けると、見慣れた天蓋が見える。手を握られていることに気が付いて、そっちを見ると、父様が私の手を握ったまま眠っていた。その顔にはクマがある。ゆっくりと体を起こす。少しだるいだけで、痛みはない。
心配かけちゃった。
そっと、父様に触れて、ゆする。
「父様、父様。」
反応がない。スイッチが切れたかのように寝てしまったからだろうか。
「‥‥父上‥‥いや、パパ‥‥わっ!?」
パパと呼んだ突如目を開けた父様に驚く。そしてそのまま、勢いよく私の肩に手を置いて問う。
「ルカ。痛いところは???」
「大丈夫です、父様。」
「よかった。本当に・・・・・・。なにを勝手なことをして。その幼さで力は使うなと何度も言ったろう?!目を覚まさなかったらと思うと。」
微かに肩に置かれた手が震えている気がした。だいぶ、心配させていたようだ。
「父様。ごめんなさい…」
「…、父様が、弱いんだ。ごめんな。ありがとう。…彗皇太子も心配していた。元気になったら会いなさい。」
「はい…。」
そう言って頭を撫でてくれた。
次の日クランとレンとロンドが見舞いの品を持ってやって来た。
「姫。大丈夫ですか?」
「おかげさまでね。ロンド。」
「姫様のお好きな探偵のシリーズ本の最新刊をお持ちしました。ぜひ、よんでください。」
「あら、クランにしては気が利くね…」
「姫〜。元気そうで何よりですよ。ほんとに起きてくれて助かりました。陛下が仕事してくれないんですもん。本当にありがとうございます。これで家に帰れますぅ…。」
「レン。大げさじゃない??」
「大げさじゃないですよー、ね、ロンド先輩。」
「そうですねぇ。子供の頃からお仕えしてますが、皇后陛下の件以降みたことなかったですし、仕事をしない陛下。」
「そう。心配かけちゃったね…。」
そういうと…コツっという小音が聞こえそちらに目をやると、クランが片足をついて、臣下の礼をとる。
「目が覚めて良かったです。姫様。、…私がそばにいながらお守りできず申し訳ございませんでした。どんな罰でもお受けいたします。」
「うむ。陛下はなんと?」
「姫様のお好きにするようにと」
「うーん。じゃあ、減給としばらく私に付いてもらおうかな。」




