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彗と兄様と5

だらだらと嫌な汗が出てるような気がする。黙ったままの彗の顔をちらりと見ると…。

声を押し殺すかのように笑っていた。

「えっ・・・?」

おもわず声が出た。

そのこえで、彗がこちらに気が付いた。

「。すみません。つい、、、お、面白くて。」

彗の幼少期はゲームでは文章で、彗がヒロインに自分の過去を淡々と語るものしかなかったが、画面越しでもひしひしと伝わる悲し過去には胸が締め付けられそうになった。年齢よりも悪い意味で大人びている彼が子供のような笑顔を浮かべた。その顔をゲームでみたどんなスチルの彗よりもかわいかった。


「い、いえ、そんな。でも、どこがおもしろかったのですか??」

「いや、えっと、こう冷たいような印象を持っておりましたので。そんな姫が饒舌になって、楽しそうに本の話をするものですから、その差に少し笑ってしまいました。本当にすみません。」

「そりゃあ、私はまだ子供ですもの。猫かぶってても、精神的にはまだまだ。ついつい、好きな本に乗せられて表情管理を忘れてしまいましたし。」

頬っぺたに手を持っていき、ほぐれている表情筋を引き締める。

「あっ、そうだ。よかったら、私のお気に入りの本をお貸しします!!滞在期間だけでも、オススメの本を交換しませんか?」

これは名案だと思って、引き締めたはずの表情筋がまた緩む。それを見たのか彗が優しいまなざしでこたえる。

「ええ。面白そうですね。」

何がいいかな。探偵もの?いや怪盗も好きかな?いや、伝記もいいな。図書室に行くのが楽しみになった。

そんなことを考えていると、

「失礼します。お茶のご用意ができましてにございます。」

あ、そうだった。当初の目的を忘れてしまってた。

「ありがとう。メル。」

さっき案内していた侍女が光栄ですと頭を下げた。

この子が毒を手に入れたという情報を得て、阻止しようとしてたんだったわね。



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