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プロローグ
修正してみましたー^^
風が通りすぎる。
魂をさらって行ってしまいそうな強く、でも優しい風。
その風は雲を、木々を、人を動かす。
雲が空に包まれる。
そこに悠々と飛ぶ黒いカラス。
淡い色とそこにある小さな黒い点。
自分とは違う色の中に、違う世界の中に一生懸命生きている。
なぜ?
今、空を見上げている僕らとは違う。
今の僕らは自分の世界に違う色がある事を拒む。
忌み嫌い、消し去る。
その色が自分たちを拒んでいなくとも。
その色が何の害が無くとも。
その色が僕らを望んでいても。
その色を消そうとする。
一緒に生きようと考えない。
考えられない。
生きられない。
人間とはこんなものだ。
人間が一番下等だ。
自分たちだけでは生きられないくせに。
他の物を下等と見下すくせに。
でも、僕らは旅に出る。
下等な者は旅に出る。