ルール・世界観の設定資料
ゲームタイトル:
【Different・World・Summons ~異世界に召喚されし者たち~】
ジャンル:
【スキル制オープンフィールド神経接続型フルダイブVRMMO】
「ガチャ? ランダム? リアルラック? ユニーク? チート称号?
この世界にあるわけがないッ! 努力は報われる、それこそがゲームの醍醐味だろう。
最後に。【魔王】が王国に迫っている。轗軻なるゲーマーの諸君よ、大志を抱け。
……1億円の争奪戦だ」
――GM神崎
西暦2066年人類史上初のVRゲーム「Different・World・Summons〜異世界に召喚されし者たち〜」は一世を風靡し、戦いの火蓋は切って落とされた。
多くのゲーマーが1億の大金を求め、電脳世界へと参戦していく……。
【オリジン】――経験値と素材を喰わせることで進化する武器の種。1人1つだけのユニーク武器だが、他人と全く同じ成長も理論上可能。
<スキル>――行動を繰り返すと熟練度が上がり、習得&Lvアップする超常技能。無限通りのカスタマイズができる。もちろん他人と同じ構成も可能。
プレイヤーは2つのギミックを駆使して、魔物蔓延る世界を好きに生きる――。
◆◇◆◇
▶舞台説明
ゲームの舞台となる世界【Different・World】は、魔物ひしめくファンタジーの世界。
人類――【種族∶人間】の生存域は、国を覆う結界の内側のみ。
王国を中心に、世界は4つに大別されている。
王国南に広がる、無限の森林。
様々な種族の魔物が息づき、弱肉強食の生態系を形作っている。
そのためか、死と隣り合わせの世界とは思えないほど、雄大な自然が広がる。
素材アイテムが豊富で、生産職のようなプレイスタイルを目指す勇者、駆け出しの勇者や金欠の勇者にオススメのエリア。
王国西に広がる、虚無の荒野。
かつて始祖の魔王と英傑が決戦を繰り広げた舞台であり、自然は破壊され、砂の大地のみが見渡す限り広がっている。
障害物のない見晴らしのいい地上から隠れるためか、弱き魔物は地下に潜って生き延びようとした――ダンジョンの誕生である。
地下には、かつての勇者が遺した武器や装備、アイテムが埋もれており、ダンジョンで出土することもある。
洞窟型ダンジョンで冒険をしたい勇者、強力な武具を見つけて一攫千金を狙う勇者にオススメのエリア。
王国東に広がる、命の海洋。
全ての生物は海から生まれたと、古くから言い伝えられている。
そのためかエリア内の魔物のほとんどが強敵で、相応の船と装備を整えないと、矮小な人の命はすぐに深海へ沈められてしまう。
海の魔物から手に入る素材はどれもレア度が高く、より強固な装備を作成することができるだろう。
また、海には魔物やそれ以外が住む【島】も点在し、そこでしか取れない特別な素材や、新たな出会いもあるかもしれない。
さらに高みを目指すプレイヤーに、オススメのエリア。
最後に、王国北に広がる、死の火山。
このエリアは、ドラゴン――【種族∶龍】の群雄割拠である。
人類は当然のこと、他の魔物はおろか並の勇者ですら入ることを許されない。
強くなることを極めた、自信のあるプレイヤーにオススメのエリア。
◆◇◆◇
●ファクターNo.1【スキル】
この世界の生物は、スキルという超常的な力を持っている。
勇者の場合。
ステータス画面を開くと、ここで自身の覚えたスキルを確認できる。
また、スキルのONとOFFもここから切り替えられる。
基本は、スキルは“システムに沿った行動”を一定回数以上行うことで、システムに認められて習得する。
中には特殊条件の隠しスキルや、前提のスキルを一定まで育てる上位スキルもあり、覚えるまで時間のかかるスキルも存在する。
なお、プレイヤーの誰かが一人でも習得したスキルは、習得条件を公式HPに公開される。
「誰もが何にでもなれる」とはつまり、「誰もが誰の真似でもできる」という意味でもある。
そのため、「誰かが取ったせいで2人目以降が取れなくなる」ような、いわゆる“ユニークスキル”は存在しない。
開発者曰く、
「そんなことをしたら、ゲームじゃないだろ。ゲームなら可能性の上だけでも、公平性を保つべきだ。
まあスキルにはレベルがあるわけだし、先に習得した者のレベルの方が高いのだから、公平にするなら最初から習得方法を明記しとけ、と言われそうだが。
でもそれだとつまらないだろう?」
だそうだ。
スキルは大きく2つに大別される。
▶アクティブスキル
任意発動型のスキル。コストが必要なことが多く、基本的に効果の影響が大きく、持続型ではなく瞬時発動の単発型が多い。
発動条件はスキルによって違うが、主にスキル名や詠唱を声に出すを「音声発動」と、網膜に表示されたHUDに映るスキル名をタップしての選択発動がある。
ファンタジーでよくある“魔法”はこれに当たる。
プレイヤー自身のスキルとして覚えられるものは少ない。
例)<縮地>、<鑑定>、<火球弾>、<土柱壁>、<斬飛>、<>等々。
▶パッシブスキル
常時発動型のスキル。コストが不要なことが多く、比較的効果の影響は小さいが、発動時間が長いことが特徴。
常時発動のため、効果を消したいときはスキルをOFFにすることが必要。(ものによってはOFFにできないスキルも存在する。習得時に注意)
プレイヤー自身で覚えられるスキルはパッシブスキルが多い。
例)膂力《STR》強化の<剛腕>、脚力《AGI》強化の<飛脚>、聴覚強化の<兎の耳>やその上位スキルの<地獄耳>、視力強化の<鷹の目>やその上位スキルの<心眼>、等々。
※スキル公開情報について
全てのスキル、アイテムの情報が保存されている――が、最初期は全ての情報にロックがかかっている。
一億人のプレイヤーのうち、一人でも新たなスキルやアイテムを見つけたら、その習得条件や記載された効果などの情報が、一億人以上が閲覧するこのページに同期される。
……つまり、運営によって“発見者による知識の秘匿”が出来なくなっている、というわけだ。
このシステムにより、“全てのプレイヤーが何にでもなれる”が実現されている。
(サービス開始一年後、2067年現在、情報開示率14%)
なお自作されたアイテム、新たに生まれたアイテムに関しては、システムに存在を認められ次第、新たな情報として追加される。
つまり公式HPの情報は日を追うごとに増えていく。
◆◇◆◇
●ファクターNo.2【アイテム】
アイテムは、大きく3つに分類される。
●消費アイテム
HP回復のポーションや、使い切りスクロールなど。
その大別として【使えば無くなる、一度のみ効果を放てるアイテム】として分けられる。
基本の入手方法は、素材アイテムからの作製や、魔物からのドロップ、NPCからの購入。
勇者は、仮想ストレージに収納することで、各種アイテムごとに決まった数だけ、持ちながら行動できる(アイテムの総量で限界は決まる)。
規定数を超えるアイテムの量を持つと、行動制限ペナルティがかかり、脚力(AGI)にマイナス補正が入る。
そのため必要以上のアイテムを持ち込むことはできないが、誰か一人にすべてのアイテムを持たせる“荷物屋”と呼ばれる役回りも存在する。この手法は遠征時などに使われる。
●装備アイテム
剣、槍、ハンマーなどの武器。布の服、メイルアーマーなどの防具。翡翠の腕輪、ルビーネックレスなどの装飾品。
これら全てをまとめて装備アイテムとする。
大別として、【装備時のみ恒常的に、スキルのような超常効果を放てるorプレイヤーにスキルを追加するアイテム】として分けられる。
基本の入手方法は、<鍛冶>系統スキルの使用、NPCからの購入、ダンジョンの宝箱から入手。
勇者は、5つある【装備スロット】に登録して、着用することで、その装備アイテムの恩恵を受ける。
なお、着用するのみでは効果は得られず、いわゆる“見た目装備”となる。
勇者の仮想ストレージに収納することも出来るが、ストレージの枠をかなり圧迫する。
そのため、敵によって変えるために持ち運ぶのは愚策といえる。
●素材アイテム
アイテムの作成素材となるアイテム。
大別として、【それのみでは意味のない、消費・装備アイテムを作るための素材】とされる。
魔物からのドロップ、フィールドエリアでの採取が基本の入手方法。
勇者は、仮想ストレージに収納することで、一度に大量の素材アイテムを持ちながら行動ができる。
また、オリジンに食わせることでオリジンの進化を促したり、オリジンの強化を図ることができる。
◆◇◆◇
●ファクターNo.3【武起種】
プレイヤー1人に1つ紐づけられた、オリジナル武器。オリジンは、魔物を糧に、成長する。魔物のスキルや身体能力を奪い、己の力とする。
倒したモンスターや与えた素材アイテムによって独自進化する、特殊な武器。
これによりプレイヤーは、恒常的に“基礎身体値”を向上させたり、超常的な魔物のスキルですら使用できる。
オリジンの覚えたスキルについては特に名称がないが、プレイヤーによっては【オリジンスキル】だったり【必殺技】だったり、いろいろな言い方をする。
プレイヤー自身のスキル枠を消費しない。また、装備時に装備枠も消費しない。
このスキルのレベルアップは、通常のスキルのように繰り返し使っても不可能。そのスキルを覚えた魔物の素材や、元となった素材アイテムを喰わせる必要がある。
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いくら練習したって、人は口から炎を吐けないし、空気中から水を出せない。
しかし、魔物達は平然とやってのける。
――なら、奪えばいいじゃないか。
今まで人が魔物たちから奪われた分。
今度は魔物たちから奪い返せばいい。
自然現象を操れ、超常現象を手中に収めろ。
逆境を跳ね除けて、理不尽を覆せ。
武起種は全ての原点にて、全てに進化する可能性の者。
希望は既に託された。
――【錬金王ラ・ブラヴァール】
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●ファクターNo.4【基礎身体値】
プレイヤーには基礎身体値パラメータが存在する。STR、VIT、AGIの三種類。
オリジンや装備アイテムにはこのパラメータを上昇させる力が備わっている。
●STRは筋力値パラメータであり、攻撃力の高さを示す。
与えるダメージが増える、重たいアイテムや武器が持てる、攻撃速度が上がる、など
●VITは耐久値パラメータであり、防御力の高さを示す。
HP増加、状態異常への抵抗確率が上がる、体重の増加など
●AGIは敏捷値パラメータであり、速度の高さを示す。
体重が軽くなり移動速度が素早くなる(回避行動がとりやすくなる)、体感時間の微増、など
3つの値はどれも相互関係にある。
例えばSTRが突出して他が低すぎると、筋力の異常量で身体を操れなくなり、最終的に自己崩壊を招く。
逆にVITのみが高すぎれば、身体の異常な鈍重化により、最終的にその場から動けなくなる。
AGIのみが高い場合は、体重の減少によって身体がうまく操れなくなり、最終的に風で飛ばされるほどになる。
どれも平均的に上昇させるのが一般的である。
●これ以外のデータ
攻撃力ATKと防御力DEFは、装備やオリジン自体の性能。
ATKの上昇値がある剣で切りつければ、ATK数値分の追加ダメージがSTRに比例して与えられる。
DEFの上昇値がある鎧の部分で攻撃を受ければ、DEF数値分のダメージをVITに比例して減少させられる。
装備するだけで上がるわけではないため、ビキニアーマーなどの面積が小さい鎧は、鎧として機能しにくい。
また、マスクデータとしてSIZとCHAやAPPなどがある。
SIZはサイズのことであり、大きさを数字としている。
CHAは魅力のことであり、対象に対してどれだけ好感度があるかを数字としている。
APPは外見のことであり、一般的にどれほど“イケメン”であるか、“可愛い”顔なのかという容姿の度合いを示している。
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●デスペナルティについて
アバターのHPが0になると、その場にアイテムとG(お金)を落としてしまう。
アイテムは、仮想ストレージの中から1割。
Gは、全体の一割を失う。
大事なアイテムは個人用の礼拝堂に預けておこう。
ギルドの預金限度額は、プレイヤーのギルドランクに応じて増える。
プレイヤーの仮想ストレージ容量は、課金等によっての増加は不可能。
<格納>などのスキルがついた装備【サブアイテムポーチ】や【アイテムリュック】などを装備することで、増やすこともできる。これが先に出した“荷物屋”の必需品である。
なお、余程の事情がない限り、仮想ストレージで事足りる。
◆◇◆◇
●PKについて
一部エリア(具体的には中心の王国から1キロメートル以上離れたエリア)では、プレイヤーがプレイヤーに対して攻撃を仕掛け、倒すことができる。
プレイヤーを倒した者は、【属性:中立】から【属性:混沌】となり、他人に表示される名前が赤色――いわゆる【レッドネーム】となる。
(実質、魔物と同じになる)
レッドネームとなったプレイヤーは、【勇者権限】を剥奪される。
それにより、以下の不利益が生じる。
▶魔物と同じように扱われるため、{王国}に入ることができなくなる。
▶手に入れたGを現実の電子マネーに還元できなくなる。
▶ログアウト時、アバターが消えずに残り続ける。
▶一度でも死亡すると、復活処理が行われず、実質アカウント凍結状態となる。(常時残機1の別ゲーの始まり)
アバターは魔物が蔓延るフィールドに残り続けるため、もしログインしていない間にも倒されたらおしまい。
実質ログアウト不可能のサバイバルゲームが待っている。
特に、手に入れたGを電子マネーに還元できないのは痛手であり、PKに手を染めてまでして稼いでも意味がない。
以上の理由より、よほどこのゲームに飽きたプレイヤーでもなければ、PKに手を出す者はいない……だろう。
なおレッドネームから元に戻る方法は存在し、魔王討伐の際に1%以上の貢献成果を挙げ、ランキングに入賞する、というのが最も簡単だろう。
◆◇◆◇
【異世界人特権】
1.HP全損(死亡)時、アバター再構成処理(復活)を行います。リスポーン地点は「セーブポイント」です。(<スキル>による例外有り)
2.生物を撃破時、ドロップアイテムをアイテムストレージに自動回収します。(<スキル>による例外有り)
3.獲得Gを異界に持ち込むことができます。
4.安全エリアにのみ限り、ログアウトする際、アバターを世界から退避させます。
5.以上、1から4の特権は【属性∶中立】の者のみ利用可能です。【属性:混沌】へ堕ちた者は利用不可。
■この世界に存在しない類の魔法
▼洗脳、思考の読み取り等、プレイヤーの思考に直接的に干渉する過度な精神魔法
▼時間を“止める”魔法
▼他人の所持する装備・アイテムをデスペナルティ以外で不当に奪う、盗難系の魔法
▼確率で相手を一撃で葬る、ドラクエで言う「ザラキ」のような即死魔法