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初めまして、そしてぶっ飛ばす

違うんだ......。今回メトロンをボコボコにしようと決めてたんだ。

なのに、意外と長くなってしまった........。

これは....誰のせいだ!

......はい、すいません。僕です。

というわけで、ボコすのは次回ということで。

本当、すいません。

 とある部屋。

 本やゲームが床に散らばり、食べかけであろうお菓子の袋。

 服はソファーに掛けられ、机には現代でお馴染みのパソコンが置いてある。

 そして、そのソファーに寝そべっている金髪の子供が一人ゴロゴロしていた。



「あ~、疲れた~」



 ソファーに寝転がりながら、メトロンは体を伸ばす。

 今日の業務を終え、メトロンは疲れを癒すようにしてソファーに身を預ける。



 ここは見ての通りメトロンの自室。

 普段使っている白い部屋は業務用の部屋であって、ここがメトロンの安息の地だ。

 お菓子、漫画、ゲーム、【遊戯神】の名に恥じる事なき遊びだらけのこの部屋は、メトロンにとってかけがえのない財産の一つ。



 中でも最近はまっているのは机の上に置いてあるパソコンを使ったネットゲームだ。

 興味本意で地球から持ってきてやってみたが、これが面白いのなんの。

 オンラインゲームとはここまで面白いのか。

 初め見たときはメトロンの頭に稲妻が落ちていたことだろう。



 もし、このデータが消えたら死ねる。

 徹夜に徹夜を重ねた今までの苦労が水の泡になるなんて堪えられない。

 そう思えるくらいに、メトロンはネットゲームにはまっていた。 



「少ししたらまた続きやらなきゃな~」



 今度はジョブチェンジして生産スキルを極めなければ。

 ソファーに顔を埋めながら、メトロンは疲れ声で言う。

 ふと、ここでサラに任せていた仕事の内容が頭に甦った。



「大丈夫かな~、サラ」



 サラのスキルは破壊にはもってこいのスキル。

 彼女なら余裕で終わると思ってたんだけど、それにしては連絡が遅い。

 


「何かあったのかな~」



 あの島には防衛、というかほぼ悪ふざけで造った魔法陣とか色々あるけど、多分もう作動しないだろう。

 あの島を管理しているあのAIだって、もうとっくに前に僕があげた魔力が切れて死んでる筈だろうし。



「まぁ、大丈夫か」



 今更思っても仕方ないし、何しろあそこまで行く魔法陣は隣の物置と名ばかりのごみ部屋に埋もれているから、とても行く気にはなれない。

 ソファーに寝そべったまま、メトロンはダルげに言う。



 ーーーーーーその短絡的な思考がこれからの悲劇を招くなんて、思いもよらずに。


 

「やっと、見つけた」



 唐突に聞こえる見知らぬ声。

 突如聞こえたその声にメトロンは寝そべったまま上を向くと、その目に飛び込んだ人の姿にメトロンは驚愕する。


 

「っ!!?!?き、君は!?」



 その人を見た瞬間メトロンは咄嗟にソファーから起き上がり、立ち上がろうとする。

 だがその途中、立ち上がろうとするメトロンの頭に、鈍い衝撃が走った。



「いったぁぁ!!!」



 ゴンッ!!っという鈍い音を建て、メトロンは痛そうに頭を抑える。

 あまりの痛さに目が涙目になり、頭を抑えたままメトロンはその人を見ると、手で拳を作っていた。



「初めて会ったら一発殴るって決めてたんでな。だから殴らせて貰った」



 悪気など一切感じさせないその物言いに、メトロンは改めてその人の姿を認識する。



「神谷、夜兎......」

「初めまして、だな。クソガキ」



 目の前の人物、神谷夜兎の存在を。







ーーーーーーーーーーーーーー







 転移魔法陣に入った瞬間、俺の視界は真っ暗な闇に染まった。

 体が思うように動かない。    

 少し体を動かそうとしても、何かがつっかえる感じがする。  



 なにかの中か?

 暗い視界の中、俺は冷静に考察する。

 なにかの中で埋もれてるのだろうか、そのせいで息もしずらい。

 ていうか、ほぼ出来ない。

 最初は冷静さを保っていた俺だが、この息も出来ない程の空間に次第に焦りが生まれた。



 不味い、早く出なければ!

 俺は早くこの空間から出ようとめいいっぱい力を入れた。

 すると、右手がこの密集した空間から這い出たのか軽くなった。  



 これならいける。

 俺は続けて力を入れ、上に上がろうとする。

 そしてとうとう、体が密集空間から解放された。  



「ぶはぁ!!」



 やっと解放され、密集空間にいたせいか息をきらす。

 はぁ、はぁ、と息切れを起こしながらも、俺は今自分が起きている事態を把握しようと、辺りを見渡した。 



「何だこれ?」

 


 今俺の足元にある山の様に積まれた物に、俺は首を傾げる。

 俺の足元に積まれているそれは、一言で言えばガラクタだ。 

 木製のおもちゃに何やら意味不明な形をした異形な物。

 宴会でありそうな宴会ネタのグッズに高そうな宝箱。 



 それら全てが乱雑に置かれ、ガラクタの様に扱われている。

 俺はこのガラクタ達を見て何処かで見たことがあるような感覚に駆られ、思い出そうとしていると、



「これは、魔道具、です」



 メルが応えてくれた。

 突然メルの声が聞こえ、俺はポケットに閉まっていた携帯を取り出す。

 するとそこには、携帯の中で静かに立っているメルの姿があった。



 あの後、俺はメルと交渉して魔法陣を動かして貰うことに成功した。

 本人は仕方ないという感じだったが、あの状況でもうメルが打てる手段はない。

 何も出来ずに破壊されるよりは、行って真実かどうかを確める方が最適と考えたんだろう。

 だから、メルにはこうして俺の携帯の中に居て貰い、一緒に来ている訳だ。



「そこにあるのは全て魔道具、です」

「そういえば、リーナの家のやつのもこんな感じだったな」



 メルに言われて俺は思い出す。

 確かにこんな見た目が何だか分からない感じだったな、魔道具って。  

 一つの疑問が晴れ、俺は改めて周囲をキョロキョロと見回す。



「ここが、メトロンのいる所か」

「その筈、です」



 何か普通の家と変わりないな。 

 壁も天井も、殆んど見えないが床も特に変わった所はない。

 強いて言うなら、少し古い感じに思える内装だ。それ以外は特にない。

 

    

 ここからどうするか、部屋も確認し終わり俺は次の行動について考えたが、目の前にあるドアが目に飛び込んできた。

 行くとしたら、あれしかないよな。

 そうと決まれば、俺はガラクタの山を下り、ドアの前に立つ。



 どうする、取り敢えず覗いてみるか。

 そう思い、俺はそっとドアを開ける。

 ドアを開けた向こうの先にはここ程ではないが、中々散らかった部屋が広がっていた。

 その中には見知った物まであり、部屋の中のソファーから声が聞こえる。



「何かあったのかな~」



 幼い、無邪気さを感じる声。

 この声には聞き覚えがある。

 紛れもない、メトロンの声だ。

 


(いた!)



 俺は直ぐにでも飛び出したい衝動を抑えながら、メトロンの方を見続ける。

 念のため気配を消しておくか。

 そう思いながら、俺は影に隠れ身を潜める様なイメージをする。



“スキル、【気配遮断】を習得しました”



 これでよし。

 即席でスキルを取得し、俺はいざ近づこうとするが、メルが唐突に喋り出した。



「マスターはいました?」



 唐突に話しかけられ、若干緊張していた俺は体をビクッ!と跳ねさせ慌てて携帯を取り出す。

 


「急に話しかけるな。びっくりするだろ」

「視界が見えないので、私も見たい、です」 



 小声で注意する俺に、メルは不満を垂らす。

 携帯はポケットにしまってあるから、見えないのは当たり前だろ。

 不満を垂らすメルに俺はそう思ったが、このまま騒がれては困るので、俺は携帯を胸ポケットに入れた。



「これでどうだ」    

「ちょっと見えづらい、ですけど、これでいい、です」


    

 携帯カメラの方でも見えるんだな。

 メルの不満も解消し、俺は今度こそとゆっくりとドアを開け、ソファーに近づく。

 段々とソファーに近づき、徐々にメトロンはその姿を現す。



「やっと、見つけた」



 その姿を見て、俺は歓喜にも似た声を出す。

 唐突な俺の声にメトロンは驚きながらこちらを向くと、更に驚きの顔を見せた。



「っ!!?!?き、君は!?」



 驚きのあまりメトロンはソファーから飛び上がるが、その隙に俺はメトロンの頭に向かってげんこつを一発浴びせる。



「いったぁぁ!!!」



 躊躇なく振り下ろされた拳はメトロンの頭上に真っ直ぐ突き刺さる。

 俺のげんこつにメトロンは涙目になりながら、頭を抑える。



「初めて会ったら一発殴るって決めてたんでな。だから殴らせて貰った」



 取り敢えず一つの目的を果たし、俺は悪気なしの言葉をメトロンに向けて放つ。

 すると、驚きも次第に薄れ冷静になったメトロンは恨めしそうな目をしながら俺の名前を呼んだ。



「神谷、夜兎......」

「初めまして、だな。クソガキ」



 今ここに、俺がここまで来るのに至った元凶であるメトロンと俺は、初めての出会いを果たした。

 



次こそメトロンをボコす。

こんなもんじゃ済まさん。



おまけ


 【女子会】


夜兎が転移した後


「そういえば、この後どうする?」

「そうだなぁ、もう一回海行くか?」

「それもいい」

「じゃあさ!じゃあさ!海が終わったら、私達だけでリーナちゃんの家にお泊まりに行かない?」

「私達だけでか?」

「うん、たまには女の子だけのもいいでしょ?」

「私は賛成」 

「女の子だけか.....悪くないな」

「じゃあ、決まりね!」


「......あんた達、一欠片も心配してないわね......」



ーーーーーーーーーーーー



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