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もうそれ邪神の考えじゃん

誤字、脱字報告ありがとうございます。

誤字や脱字が多くて申し訳ありません。


そして今日pv10000000を越えました。

皆様なお陰です。ありがとうございます。


これからもよろしくお願いします!

 俺とゲルマは少しの間睨み合った。

 俺は先手を打とうと【時空転移魔法】を使いゲルマの後ろに転移し、拳を構える。



爆発拳(フレイナックル)



 赤い炎を纏った拳はゲルマの後頭部目掛けて放たれたが、



「ワンパターンですね」



 ゲルマは俺の行動を読んでいた。

 突如ゲルマの足元に黒い霧が出現し、素早くその中に入り回避する。

 回避され俺の拳は空振りに終わり今度はゲルマが俺の後ろを取った。



「先程のお返しです」 

   


 そう言ってゲルマは俺の背中に手をかざす。

 


「暗転」



 すると突如俺の視界は暗闇に変わる。

 光一つない、暗闇な空間。

 感じるのは風が俺を通る感触と音だけ。

 どうやら視界を奪う効果しかないみたいだな。

 俺は突如視界が暗くなったことに動揺しながらもそう分析すると【気配察知】でゲルマの居場所を探った。

 ゲルマの居場所を探ると俺はゲルマの居場所に少し驚いた。



(真っ正面!?)

  


 真っ正面にゲルマがいることに俺は驚き身構えようとするが一歩遅かった。 

 俺が身構えるのと同時に視界は元に戻り、俺の目には既に俺の体に手を当て体勢を整えているゲルマの姿があった。 



「さようなら。ーーーー闇堕ち」

 


 ゲルマがそう言うのと同時にゲルマの手から黒い霧が放出されていく。

 黒い霧は俺の体の中に入り込み俺は入り込んでくる衝撃に少し体を退いた。

 俺はゲルマの攻撃に体に異常がないか確認したが、特に変わったところはない。



(どうなってんだ......?)



 何処も怪我がないことに俺は不思議に思ったが、次の瞬間俺の頭の中にある声が響いた。



 「あいつが憎い」「何で私だけ」「こんなの嫌だ」「私は悪くない」「全部あいつが悪い」「あいつだけは許さない」「殺してやる」「全てを壊してやる」「もう振り回されたくない」「うんざりだ」「自由が欲しい」「縛られるのはもう嫌だ」「騙されたくない」「あいつは敵だ」「敵は殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」「殺す」ーーーーーーーーー



 老若男女、沢山の人の声が俺の頭の中に響く。

 俺に向けていってるのか、独り言なのか分からないがその声には強大な憎悪が含まれていて俺の心に突き刺さる。

 意識が遠退きそうだ。まるで心が蝕まれていくみたいだ。



(何だよ、これ.........)


    

 絶え間なく聞こえる沢山の声に俺は頭を抑える。

 頭を抑えながら苦い表情をする俺にゲルマは楽しそうに言う。    



「この黒い霧に支配されたものは意識を失い暴徒化する。増悪を操る私はその者を自由に操る事が出来、解除するのはほぼ不可能。一度かかればもう抗う事は出来ない。さぁ、貴方も早く支配されなさい」    


  

 既に勝ちを確信しているのか、ゲルマは意気揚々と語る。  

 暴徒化か。まさかこんなのに引っ掛かるとは。

 俺は頭に響く声に心をすり減らしながら自分の失態を悔やんだ。 



 【精神耐性】があるお陰かまだ意識は保てている。だが保てているだけであって解除は出来ない。

 不味いな。このままじゃじり貧だ。

 頭の中の声のせいで上手く思考が働かない。



 「殺せ」「そうすれば救われる」「殺すんだ」「そうじゃなきゃ救われない」「誰も信じるな」「恨め」「憎め」「罵れ」「誰もお前をまともなんて思ってない」ーーーーーーーーーー



 声は段々と独り言から俺に向けて話してくる。

 その一言一言が俺の心に突き刺さり意識が遠退きそうになる。

 やばいな、どうする......。

 俺は頭の中の声に抗いながら考えていると、ゲルマはこれまた楽しそうに俺を煽ってきた。



「何時まで抵抗していられるでしょうねぇ。とっとと負けを認めて支配されて、私の人形になればいいものを。そうすれば殺さずに一生こき使ってあげますから」

 


 楽しそうに笑いながら言うゲルマの言葉に俺はピクッと反応した。



「今、何て言った.......」

「聞こえませんでした?とっとと負けを認めて支配されたらどうですかと言ったんですよ。そうすれば私の人形として使ってあげますから」


  

 勝ち誇ったかのように微笑みながらゲルマは言う。  

 素直に負けを認める?

 俺があいつの人形になる?

 一生こき使う?  

 俺はそれを聞いて身体中から怒りが沸いてくる。  



(俺が負けるだと.......ふざけんな、俺があんなエセ神に支配なんてされるとか、死んでも嫌だ!!)



 俺は自分の体を奮い立たせた。

 あんな奴に負けたくない。こんな声に惑わされたりしない。何時までも抗い続ける。最後の最期まで。そして絶対あいつをぶっ飛ばす。絶対にだ!!

 俺は心の中で叫ぶと、それに応えるかのように頭の中で聞こえる声とは別の声が聞こえた。



“スキルレベルアップにより、【精神耐性】が【精神耐性(極)】に変化しました”



 その声が聞こえた瞬間、遠退いていく意識が急に元に戻った。

 頭の中の声も聞こえるが心には来ずただわめいているだけに聞こえる。  



 ここに来てスキルレベルが上がったか。

 流石【超成長】。随分とご都合主義満載なタイミングだな。

 俺は頭を抑えたまま苦笑した。 

 だが、これでもう支配されることはない。

 思考も十分働く。これならいける。

 俺はそう思い先ずこの頭の中に響く声を消すことにした。



「黙れ」

  


 するとその瞬間頭の中に響いていた声は突如として消え去った。

 消えた理由は【削除魔法】で俺の中の黒い霧を消したからだが、最初からやってればよかったな。

 冷静でいたと思っても思考が働かないもんだな。



 頭の中の声が消え俺は顔を上げ空を見上げた。

 静かなのっていいもんだな。

 俺は染々思っていると、その様子を見てゲルマはあり得ないとばかりに口をパクパクさせた。



「あ、貴方、いったいどうやって.......」

「ご都合主義な俺のスキルのお陰でな」



 俺はゲルマにそう言うがゲルマはまだ納得出来ないのか唖然としている。

 まぁ、あいつが納得しようがしまいがどうでもいい。 

 


「そんじゃあ、こっからは俺の番だ。さっきまでのを倍にして返してやるよ」



 俺の強気の発言にゲルマは我に返ったのか、ひきつった笑みを浮かべながら言った。 



「ま、まぁいいです。正直予想外すぎますけどまだ他に手はあります。次こそは必ず殺してあげましょう」

「悪いが次はねぇよ」



 俺がそう言った瞬間転移した。

 突如消えた俺にゲルマはまた後ろだと思ったのか後ろを振り向く。



「だからワンパターンなんですよ!」



 叫びながらゲルマは後ろを振り向くが、俺はそこにはいない。

 その事にゲルマは驚き辺りを見回す。

 アホか、三回も同じ事をするわけないだろ。



「ぐぶぅ!!」

 


 突如辺りを見回すゲルマの顎に衝撃が走る。  

 俺は下からゲルマの顎に向かってアッパーを喰らわし、ゲルマは真上に飛んでいく。  

 脳が上下に揺れゲルマは若干意識が混沌とする。

 真上に飛んでいくゲルマに対し俺は最後の攻撃として手をゲルマの方に向けた。



「光に焼かれて散れ。ーーーーー 一点太陽(ストライクソル)



 俺がそう唱えた直後、ゲルマを中心に円を描くようにして黄色の魔法陣が現れた。

 それは360度横に包囲する様にして現れ、徐々に輝き出していきその強さが増していく。



「ぐっ!!.....まだ、まだ終わっていません!!」



 アッパーを喰らい顔が上に上がっていたゲルマは顔を元に戻し全身から黒い霧を放出させた。

 黒い霧はゲルマを守るようにして広がっていく。逃げるのはもう無理だと悟ったのか迎え撃つつもりか。

 だがそんなことをしても無駄だ。



「潔く散りな」



 やがて黄色の魔法陣の輝きが一定に達し、光のレーザーが一斉にゲルマに向かって放出された。

 360度全方位からのレーザーにゲルマは動かず黒い霧を張り続ける。

 

  

 だが黒い霧はレーザーと接触すると、少しも押し止める事なくレーザーに消されていき、速度を緩めないままゲルマに向かっていった。

 


「な、何故!?.......ぐああぁぁぁぁぁ!!」



 黒い霧があっという間に消されゲルマは驚くまもなくレーザーの餌食となり悲鳴をあげる。  

 全方位からのレーザーを一点に受けたその場所はまるで太陽の如く光を放ち暗い空を照らしていく。

 やがて光も収まりレーザーも消えそこに残ったのはボロボロの姿のゲルマだけだった。



 服は燃えたかのように黒焦げになり、所々火傷のような跡がある。

 ゲルマはもう気を失っているのかそのまま落下していく。だが地上に落ちる事なく運良くビルの屋上に落ち、俺はそこに向かうと、ゲルマはまだ辛うじて意識が残っていた。

  


「まさか、どうして.....神である、私が.....こんな目に......」



 掠れた声でゲルマは呟く。



「なぁ、あんた神なんだろ?どうして神が自分の世界を破壊したんだよ?」

「私は、自分の....理想の世界の.....ために.....創造していた、だけだ。全て、闇へと....染まった、世界を.....」



 闇へと染まった世界って、それもう神じゃなくて邪神の考えることだろ、それ。

 そんなんでよく神になれたな。 



「まぁ、理由は分かった。だからってここでそれをやるべきじゃなかったな。だから大人しくその体から出てこい。もうそれじゃあ何も出来ないだろ」



 俺はそう言うとゲルマは倒れながらもぎこちない笑みを浮かべた。

  


「確かに....私は、何も出来ませんが....それは、貴方も、同じ.....このまま、出るつもりは、ありま、せんよ」



 まだ希望を捨ててないのかゲルマは諦めずに言った。まだ諦めないのか。その執念深さは逆に尊敬に値するな。  

 確かにゲルマを根暗野郎の体から引っ張り出す方法は俺にもなかった。

 さっきまでならな。



心の光(シャイニングハート)



 俺はゲルマに向かって魔法をかけた。

 すると上空から光が差し込む様にしてゲルマにきらびやかな光が降り注ぐ。



「こ、これは.......んぐぅ!!」



 突如降り注ぐ光にゲルマは急に苦しみだした。

 これは【光魔法】の一種でいわゆる浄化の魔法だ。この光を浴びたものは邪悪なる心を浄化させる、そんな魔法だ。



 ゲルマは憎悪を吸収してそれを力に変えたり傷を回復させる。 

 ならそれを途絶えさせたらいい。

 この光の中なら外からの憎悪も一緒に浄化される。今のゲルマには堪えられないだろう。 

  


「さぁ、早くそこから出た方がいいんじゃないか?」



 俺は苦しむゲルマを見下ろしながら言った。

 このままでは傷が癒える所か死に至る。 

 ゲルマの頭の中ではそんな考えが浮かんでいるんだろう。

 顔に苦しみと焦りが生じている。

   


「!!.....くそっ!!」

 


 そしてとうとう観念したのか、根暗野郎の体から黒い霧が吹き出し中からゲルマが飛び出してきた。 

 このまま思いきり飛び出して逃げようとしたんだろうがそんなことさせるわけがない。



「はいお疲れ」   

「がぁっ!!」



 逃げたすゲルマに俺は即座に【首トン】でゲルマを気絶させた。

 ボロボロのゲルマには【首トン】も効いたのか少しの呻き声をあげ地面に倒れる。

 ゲルマが気絶すると空の禍々しい雲が消え、晴れ晴れとした空に戻った。暗い雲が消え空から太陽の光が差し込み俺は思わず目を細める。気絶すると戻るのか。

 ゲルマの方はこれでよしとして、次はこいつだな。



 俺は今度は根暗野郎に目を向け手を伸ばすと、突如根暗野郎の体は淡い光に包まれ傷がどんどん塞がっていく。

 このままじゃ本当に死ぬからな。こいつの事はどうでもいいが釜石さんとの約束を破る気はない。

 やがて傷も完璧に癒え俺はやっと終わったなと思いふぅっと息を吐いた。



「リーナの所に行くか」



 俺は倒れる二人を抱え、感じる疲労感に堪えながらリーナの所に向かって転移した。

 このエセ神引き取って貰おう。

おまけ


【大佐襲来】



「ねぇ、何かあそこに人がいない?」

「え?どこどこ?」

「ほらあそこ、何か円状に光ってる所」 

「どれどれ『ピカァァン!!』ぎゃぁぁぁ!!目がぁぁぁ!!目がぁぁぁ!!」

「どっかの大佐が出てきたわね」



ーーーーーーーーーーーー


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