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何か見かけ倒しなんだけど

2月10日 リーナのステータスを変更しました。

 切実な願いを無視するが如くリーナは戦闘体勢を保ったままこちらの機会を伺っている。

 これはやらなきゃいけない流れだな。



 深夜の眠たい夜に戦闘は余りしたくないと思っていたが、相手がやる気でいる以上こちらもやるしかない。

 そう思い俺は取り敢えずリーナのステータスを確認した。

 神様の配下なんだ。いったいどれだけ強いんだか。俺は少し興味深くステータスを見ると、



 リーナ 16歳 女 天使族 Lv86


 体力 7200/7200

 魔力 7280/7300


 スキル


 鑑定 光魔法 無魔法の極意 ボックス 剣聖 身体強化(中) 天使化 白羽の裁きウィングジャッジメント(使用不可) 料理 清掃



 予想より低かった。

 あれ?意外とレベルは低いんだな。  

 これじゃあまだ俺の方がレベルは上だぞ。



“ロウガ”

“何ー?主ー”

“悪いがもしかしたらお前の出番ないかもしれないぞ”

“えー!何でー!!”

“それはあいつのステータスに言ってくれ”



 そう言って俺はロウガとの会話を切ると、改めてリーナのステータスを見た。

 やっぱり低いよな。見間違いじゃないよな。

 俺はリーナのステータスの低さに驚いていると、



「どうした?まさか今になって怖じ気づいたのか?」



 何を勘違いをしたのかリーナが勝ち誇ったかのように微笑んだ。

 いやまさかな。だって本人あんな得意気な顔してるんだぞ。あれで俺より弱いとかあるわけないだろ。



 俺はまさかまさかと思っていると、痺れを切らしたのかリーナが仕掛けてきた。



「来ないのならこっちから行くぞ!来い!我が愛剣よ!」

 

 

 そう言ってリーナは手を前に出すと、突如目の前に白銀の剣が現れた。

 これは多分【ボックス】ってスキルだろうな。差し詰め効果はアイテムボックスみたいな感じか。



「行くぞ!!」



 剣を握ったリーナが俺に向かって突っ込んできた。突っ込ん来るリーナに対して俺は体勢を整え待ち構える。

 さあ、どっから来る......。

 俺はリーナの動きに集中していると、リーナの動きに少し目を見開いて驚いた。



「はぁぁぁぁ!!」



 リーナは気合いを入れながら俺の所まで向かってくるが、その動きが余りにもーー遅すぎる(・ ・ ・ ・)

 


 いや速いっちゃ速いんだが、予想してたよりは大分遅いぞ。

 これじゃあ簡単に避けられる。

 俺はリーナの余りにも動きの遅さに拍子抜けになりながらリーナの剣を避けていると、



「ふん!多少は出来るようだな!!」



 リーナは面白いとばかりに言った。

 多少はっていうかこれまだ結構余裕なんだが、まさかこれが本気なのか?

 いやいやそんなことないだろ。仮にも本人はまだあんな得意気な顔してるんだぞ。

 まだまだこんなもんじゃないだろ。



「どうした!避けているだけか!!」



 俺は剣を避け続けながらそう思っていると、リーナは俺を挑発してきた。

 まあ、確かに避け続けるのも相手に悪いか。見たところ何かリーナの息が少し荒くなっている。

 ここは一つ俺から反撃といこう。



「よっ」 



 俺はリーナの動きを見ながらタイミングを見計らい、リーナの剣を持つ手を蹴り上げて剣を弾いた。



「なっ!?」



 剣が弾かれた事にリーナは驚き一瞬固まるが、俺はそれを待ってやる程優しくない。

 固まっているリーナの腹に俺は蹴り上げた足を戻しながら回し蹴りを喰らわせ、俺の足がリーナの腹に突き刺さった。



「うぐっ!!」



 リーナの体は若干くの字に曲がり呻き声をあげながら後ろに後退した。弾かれた剣は地面に落ちると光になって消えた。

  


「くっ!!まさかここまでやるとはな......貴様を少し見くびっていた」

「あ、うん、そう.....」



 腹を押さえながら一人で盛り上がっているリーナに俺は何て声を掛ければいいか分からないでいた。何かあいつとの間に温度差を感じる。

 確かに結構強めにはやったがまさかたった一撃でそこまでダメージを負うとは。

 これやっぱりリーナって普通に弱いのか?



 俺はリーナの弱さにそう思っていると、リーナは手を上に挙げ魔法の体勢を取った。



「どうやら貴様は接近戦に関しては得意なようだな。なら遠距離から攻めるまでだ」



 またリーナは何を勘違いをしたのか俺が遠距離を苦手ということにしている。

 別に近距離も遠距離も苦手じゃないんだが。寧ろ遠距離の方が得意だぞ。魔法があるから。



「いや、別にそういう訳じゃないぞ」

「ふっ、見栄を張るな」



 訂正しようとした俺にリーナは虚言だと思っているのか軽く笑って流した。

 いや別に見栄は張ってないぞ。

 余裕そうな感じから分かって欲しいんだが。

 リーナの言葉に俺はそう思っていると、リーナの手の上から灰色のモヤモヤとした球体の形をした物が現れた。



「これは私達神に仕えし天使にしか使えない【無魔法の極意】。これに触れた物は全て無に返り、消滅する」



 説明し終えるとリーナは俺に警告した。



「出来ればあまり使いたくなかったんだがな。これは威力が強すぎるが故、下手をすれば貴様は死に至る。悪いことは言わない。抵抗を止めて私と来い」 



 そう警告するリーナに俺はだったら使うなよと思った。死んでほしくないなら使わないで欲しいんだが。



「さっきも言ったが俺は行く気はない。お前こそ諦めてとっとと帰れ」



 俺の言葉にリーナはこれ以上言っても無駄だと思ったのか「そうか」と言って諦めた様に目を瞑ると、



「では仕方ない!多少の痛みは我慢して貰うぞ!!」


 

 目をカッ!!と開いて挙げていた手を前に出し灰色の球を放出した。

 俺はそれを特に焦ることも避けることもなくただ突っ立っていた。

 それにしても無魔法か。



 全てを無にする【無魔法の極意】なら確かに俺の【魔法の極意】じゃ歯が立たないかもしれない。だがそれが効かないだけでまだ他にもやりようはある。

 例えばその一つとして、



「削除」



 俺がそう言った瞬間灰色の球は一瞬にして消えていった。この通り【削除魔法】を使えば一発だ。他にも【時空転移魔法】を使って逃げるのもあったが、力の差を見せつけるにはこれが一番だ。



 自分の魔法が一瞬にして消えていった事にリーナは唖然としていると、口をワナワナさせながら言った。



「な、何だ.....今、何が起こった?な、何故、私の魔法は.....」

「お前の魔法を俺が消したからだよ」



 ワナワナ震えるリーナに俺は応えた。



「け、消しただと!?そ、そんな馬鹿な!?私の魔法を消す魔法何て聞いたことないぞ!?」



 そりゃあ俺が創ったんだからな。

 知らなくて当然だ。

 てかこいつさっきから何を驚いてるんだ?あいつも【鑑定】を持ってるんだから俺のステータスを見ていないのか?

 驚くリーナに俺はそう思っていると、



「そんな、そんな馬鹿なことがあるか!!」



 やけになったのか手から灰色の球を連発し始めた。気性を荒くしながら放つリーナに俺は【削除魔法】で冷静に削除していく。    

 何発もの灰色の球が飛んでいく途中で音もなく消えていき、やがて無駄だと分かったのかリーナは撃つのを止めて地面に膝を着いた。



「そんな......馬鹿な...」



 有り得ないとばかりに呟くリーナに俺はゆっくりリーナの前に近づいた。



「諦めな、お前じゃ俺に勝てない」



 静かに言う俺にリーナは黙っていると、徐々に声の音量を上げていき否定した。



「まだだ.....まだ終わっていない!!」



 その瞬間、リーナは俺の顔の前に手を出し光を放った。



「っ!?」



 完全に虚を突かれた俺は目の前の光に眩み、少し後ろに後退した。



「ーーーまだ私は負けていない!次会った時は私が必ず勝つ!!その時まで首を洗って待ってろ!!」



 光に目が眩み、耳にリーナの言葉が聞こえていく中暫くして目を開けるとそこにリーナの姿はなかった。

 逃げられたか.......。



 誰もいない暗闇を見ながら俺はふぅっと息を吐いた。気配を感じない。【無魔法の極意】で自分の気配を無にしたって感じか。

 にしてもあいつ何だったんだ?

 急に来といて急に帰るって。



 俺を異世界に連れていくとか言っていたがこれで終わるだろうか。

 .....いや、さっきのあいつの口振りからしてまた来るだろうな。

 まあ、今度来たらまた返り討ちにすればいいか。



「......帰るか」



 真夜中の戦闘にどっと疲れた俺は気だるそうに言った。また寝不足になりそうだな。

おまけ



 【妄想】



「あー.....」

「どうしたの神谷君?何か凄い眠そうだけど」

「昨日色々あってな」

「昨日何かあったの?」

「あー、いや、昨日ちょっと夜あいつに(リーナに)襲われてな」

「襲われたって......まさか夏蓮ちゃんに!!」

「ちょっとその妄想止めようか」



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