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タイミングに困ったからって忍び込むのはどうなんだ?

見たら総合評価40000越えてました。皆様のお陰です。ありがとうございます。

 ロウガの修行も終わり俺は家に帰ると、丁度晩ご飯の時間となっていた。

 母さんに呼ばれ俺は席に着き晩ご飯を食べる。今日の夕飯はハンバーグのようで流石母さんだ。相変わらず旨い。俺は美味しそうにハンバーグを堪能していると、ふと夏蓮の方から視線を感じた。



 俺の目の前に座っている夏蓮は俺と目が合うとまた視線を反らした。

 また反らされてしまった。俺なんか避けられてるのか?

 俺は疑問に思ったが、今は目の前のハンバーグに集中しようと頭の中の疑問を捨て去った。







ーーーーーーーーーーーーーーーー







 深夜の寝静まった夜。

 眠っていた俺は急に目が覚めた。【気配察知】で何かを感じとったのだ。一応泥棒対策にと思って何時も張っていたんだがまさか本当に来るとは。



 俺は起き上がり泥棒を捕まえようと思ったが、【気配察知】の反応が俺の知っているものだと分かり動きを止めた。これは、夏蓮か?



 反応が夏蓮だと分かり俺は何してるんだと疑問に思っていたら、夏蓮が俺の部屋の前で止まった。部屋の扉がゆっくりと開くと同時に俺は咄嗟に布団を被って寝た振りをした。

 


 夏蓮はゆっくりと俺に近付くと布団をめくり上げ俺のベッドに入ってきた。

 いや、何してんの夏蓮!

 俺は夏蓮の行動に内心驚いていると、夏蓮は体を横にしながら寝ている俺にピトッとくっついた。



 え、ちょ、何この状況。何で夏蓮が俺の布団に?

 俺はこの夏蓮らしからぬ行動に本当に夏蓮かと思い目を開けて確認しようとすると、



「.........」

「.........」



 ばっちり目が合ってしまった。

 しかも本当に夏蓮だった。

 夏蓮は俺と目が合っても無言でこちらを見続けた。いや内心ではめっちゃ驚いてるんだろうな。

 その証拠に俺と目が合ってから夏蓮の目が若干泳いでいる。



 俺と夏蓮は目が合ってから数秒間お互い沈黙のまま見つめ合い続けた。いや、動きたくても動けないだよなこれ。

 沈黙の中このままじゃどうしようもないと思い俺は勇気をだし重たい口を開いた。



「あー、えと、何、してるんだ?」

「.........何となく」

「そ、そうか」



 夏蓮の言葉に俺はそうかとしか言えず、また沈黙の間が流れた。

 凄い気まずいんだが.......。

 俺はこの状況をどうしようかと考えていると、今度は夏蓮の方から口を開いた。



「......お礼」

「お礼?」 

「お礼、まだ言えてないから」



 夏蓮の言うお礼は先日のドラゴンの事だろう。正直あれはあそこにぶっ飛ばした俺のせいでもあるからお礼なんていらないんだが。



「言うタイミングが、分からなくて、何処で言おうか考えてたら、分からなくなって.....」

「俺の布団に忍び込んで来たと」  



 夏蓮は俺の言葉にゆっくり頷いた。

 だから最近俺を避けるようになっていたのか。

 あれは言うタイミングを伺っていただけだったようだ。

 俺はこれまでの夏蓮の行動に納得すると、夏蓮に言った。

  


「夏蓮、あれは俺が夏蓮の方にドラゴンを吹っ飛ばしたせいでなったことだ。だからお礼は「それでも」」



 俺はお礼はいらないと言おうとした瞬間、夏蓮が言わせないとばかりに遮った。



「それでも助けて貰ったのは事実。それに、他にも助けて貰った事があるから」



 夏蓮はそう言うと俺の胸に顔を寄せ俺に顔を見せないようにした。



「だから、ありがとう。お兄ちゃん」



 夏蓮から出る言葉が俺の頭の中に響いた。 

 お兄ちゃんか.......。



「久し振りだな。お前がそう呼ぶなんて」



 何時からだろうな。夏蓮がお兄ちゃんと呼ばなくなったのは。

 俺は昔を思い出していると、あることを思い出した。確か、あの時からだったな。

 あの時とは俺が小学生の時、夏蓮が同級生に虐められている所を見て俺がキレた時の事だ。



 あの時はつい熱くなって写真や映像を学校中にばら蒔いたんだよな。今となっては少しやり過ぎたと思う。



 あの時の夏蓮は俺の事をお兄ちゃんと呼んでいたのにあの虐めから数日後に「ねぇ」とか「ちょっと」とかで名前で呼ばなくなったんだよな。

 雰囲気も少し子供から大人に変わって女らしくしようとしていた気がする。

 それにしてもお兄ちゃんか。



「夏蓮、もう一回お兄ちゃんって呼んでくれないか?せめて後十回」

「調子に乗らないで」



 俺は夏蓮にもう一回お兄ちゃんと呼んでと頼んだが、あっさり断られた。

 駄目か。せめてもう一回聞いて余韻に浸っていたかったな。

 俺は夏蓮の口からお兄ちゃんと聞けず残念に思っていると、



「でもそれ以外なら、いい」



 夏蓮がそう提案した。

 それ以外って、どんだけ呼びたくないんだよ。兄は少し悲しいぞ。 

 俺は夏蓮の提案にどうしようかと考えていると、いいことを思い付いた。



「じゃあ明日久し振りに二人で出掛けるか?」



 夏蓮と出掛ける事なんてあんまりなかったからな。たまにはそういうのも悪くない。


 

「.....分かった」



 夏蓮の了承も得て、俺は早速明日の為に寝ることにした。



「それじゃあ明日な」

「うん、おやすみ」 



 俺の言葉に夏蓮はそう言って目を閉じた。

 このまま寝るのか.......。

 俺は隣でくっついたまま眠る夏蓮に苦笑し、目を閉じ眠る体勢を取った。

 途中夏蓮の寝顔や寝息で少し眠れなかったが、そこは可愛かったからよしとしよう。

 

おまけ



 【お約束】


“主ー、昨日の夜何してたの?”

「?何でだ?」

“主昨日起きてたから気になったのー”

「昨日は夏蓮がこっちに来て一緒に寝てただけだ」

“ふーん.....ねぇ主ー”

「何だ?」

“昨晩はお楽しみでしたねー”

「ちょっと話し合おうか。ロウガ」


 実際何にもしてません。



ーーーーーーーーーーーーーーーー


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― 新着の感想 ―
[一言] 幼稚園児なら可愛いけどね 妹のコミュ障レベルはさすがにキショい
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