やばいの来ちゃったよ
何処か分からない廃ビルの中、俺は今日も出現したモンスターの相手をしていた。
「グルァァァァ!!」
「煩ぇよ」
廃ビルの中で吠える四足歩行の蜥蜴型のモンスターに俺は耳をキンキンさせながら何時も通り一撃で終わらせるため脳天に蹴りを喰らわせた。
「グルァ!!」
だが蜥蜴型のモンスターは俺の蹴りを喰らっても怯むだけで直ぐに俺に牙を向け反撃をしてくる。
俺は一撃で決められなかった事に少し驚くが直ぐに体勢を立て直し今度は【身体強化(中)】のスキルを使い再度モンスターの脳天を蹴った。
「あ」
するとモンスターの顔は地面に埋まり周りの地面がクレーターでも出来たかのような形になった。しまった、やりすぎた。
モンスターは光の粒子になって消え、そこには破壊された地面だけが残った。
やってしまった。まさか俺の蹴りを耐えるとは思わなくてつい【身体強化(中)】を使ってしまった。
これは使えるんだが如何せん加減が出来ない。使い所を間違えると今みたいに新たな被害が生まれてしまう。次からは気を付けよう。
俺は少し反省すると先程のモンスターについて考え出した。
等々モンスターも蹴り一発じゃ倒せなくなってきたな。毎回少しづつ強くなってきていたのは分かっていたが耐えられた時は少し驚いたぞ。
てか何時までモンスターが出現し続けるんだ?
モンスターが段々強くなってくるということは終わりも見えてきているということだよな?
もしこれがテンプレ通りなら最後に超強いモンスターが出現して終わるんだが、まさかそんな事起きないよな?
「.......まさかな」
俺は自分の考えに嫌な予感を覚えたが取り敢えずこの壊れた地面をどうしようかと考えたが、
「まあいいか。どうせ誰も見ないだろうし」
そう言って何時までもここにいるわけにもいかないので、俺は転移で学校に戻った。
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午後の休み時間、夏蓮は今妙な違和感を感じている。
昨日あんなに啖呵を切ったにも関わらず例の三人組が今日はまだ何もちょっかいをだしてきてないのだ。
今日もまた自分は告白をされた。
そして案の定告白はきっちり断り教室に帰ろうとした時、私はまたあの三人が待ち構えているんだろうと思い高を括ったが、あの三人は待ち構えている所か教室で話し込んでいた。
昨日の話で少し改心でもしたかと思ったがあの三人の性格からして直ぐにそれはないと思った。
私は変に思い自分の持ち物をチェックしたが、特に盗られている物などはない。
いったいどういうこと?私は急に態度を変えた三人に不信感を抱き授業中も常に警戒していたが、特に何かするような素振りは見せていなかった。
本当に何もしてこない三人に私は段々警戒が薄れ何もしてこないならそれでいいと思い、次の授業の準備をしようと机を漁ると、中から便箋に入った手紙が入っていた。
中には『放課後、体育館裏に来てください』とだけ書いてあった。
この手紙に私はまたかと思い手紙を机の中にしまった。また断りに行かなきゃな。
私はこれから起こるだろう事に溜め息をついた。全く、めんどくさい。
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キーンコーンカーンコーン
「起立、礼」
「気を付けて帰れよー」
放課後になり帰りの挨拶も済ませ俺はとっとと家に帰ろうとすると、またモンスターの出現反応を感じた。
またか、俺は面倒な気持ちに刈られたが反応の仕方が今までのとは違うことに気付いた。
(何だこりゃ?反応が二つ、四つ、七つ......どんどん増えてくぞ!)
急なモンスターの大量発生に俺は驚き直ぐにその場所に向かった。
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着いた先は緑が生い茂る山の中のようだ。
俺はモンスターが何処にいるのかと辺りをキョロキョロと見回すと、目の前の異様な光景に目を疑った。
俺の目の前には黒色の肌に布を腰に巻き角の生えたモンスター、オーガの大群がいた。
その数は【気配察知】で確認した所、軽く100は越えている。
おいおい何だよこれ。何処の仮装大会だ?
俺はこの途方もない数に若干現実逃避をしたが、動き出そうとしているオーガ達を見て直ぐに我に返った。
「ゴガァァァァァ!!」
「「「「「ゴガァァァァァ!!」」」」」
一体のオーガの雄叫びが引き金となりオーガ達は一斉に山を降りようとする。
オーガの大行進に地面は揺れ辺りは砂煙が舞う。
「させねぇよ」
そうはさせまいと俺は【土魔法】を使い土の壁を造りだしオーガ達を囲んだ。
突然出現してきた壁にオーガ達は驚きぶち壊そうとするが、俺の魔力を纏った土の壁はそう簡単に壊れはしない。
一先ず俺は安心すると、壁の上に立ちオーガ達を見下ろした。
オーガ達は俺の存在に気付いたのか全員こちらを睨んでいる。オーガは俺が蹴り一発喰らわせてギリギリ耐える位の強さを持ったモンスターだ。
このまま降りて素手でやり合うことも出来るが、俺はそんな戦闘狂じゃない。
魔法でとっとと終わらせる。
「久しぶりの攻撃魔法だ。精々死なないようにな」
俺は未だ俺を見上げるオーガに告げると、目を閉じて集中する。
イメージするのは竜巻。
何物をも切り裂く巨大な竜巻。
「切り裂き竜巻」
俺が呪文を放った瞬間、オーガ達の真ん中の所から巨大な竜巻が現れた。
竜巻はオーガ達を飲み込むとオーガ達の腕、足、頭、腹と様々な箇所を切り裂いていく。
切り裂かれたオーガの腕や足は吐き出されるようにしてあちこちに散らばる。
この竜巻に恐怖を感じたオーガ達は必死に逃げ惑うが周りは壁で囲われている。到底逃げらる訳がない。オーガ達は絶望の表情をしながら悲鳴をあげるが、そんな悲鳴をあげてもオーガ達は無慈悲にも竜巻へと吸い込まれ切り刻まれていく。
やがて悲鳴も聞こえなくなり俺は竜巻を消すと、そこには血だらけの地面に腕や足、頭がそこらじゅうに転がっている。まるで地獄絵図だな。
倒されたオーガの破片や血が粒子となって消え、俺はこれで終わったと一息つくと、途端に物凄い魔力反応を感じた。
先程のオーガとは比べ物にならない魔力反応に俺は反射的に魔力がした方向に振り向くと、上空に街全体を包む程の眩い光が現れる。光が消えるとそこには赤い鱗にぎょろっとした眼、蜥蜴に翼が生えたようなモンスターがいた。
その姿は正しくーーーー
「ギャォォォォォォオオ!!」
「........ドラゴンじゃん」
上空で翼を拡げ高らかに雄叫びを上げるドラゴンを見て俺は思った。どうやらさっきの奴等はただの前座だったみたいだな。
うわー、やばいの来ちゃったよ......。
俺はそう思いながら上空を飛び回るドラゴンを見上げた。
何かボスって感じがするな。
おまけ
【小説の裏 オーガ】
オーガの楽屋の中
“おつかれー”
“おつかれー。今日はキツかったな~”
“あぁ、俺腕と足持ってかれたよ”
“俺なんか顔半分だぜ?見ずらくてやんなるよ”
“まあそう言うなお前ら、これも仕事だ。それより今日はどうだ?飲みに行かないか?”
“お!いいねぇ。行こうか”
“それじゃあ皆で行くぞー!今夜はオールだー!!”
“““““イエーイ!!”””””
「元気だなーあいつら」
“体バラバラなのにどうやって行くんだろーねー?”
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【出番が欲しい】
“主ー!!”
「うお!どうしたロウガ?」
“今日僕出番一つもなかったよー!!”
「あー、そういえばそうだな」
“どうすれば出してくれるのー?”
「そうだなー、先ずここの作者に頼む事だな」
“どうやってー?”
「お前から頼めば出させてくれると思うぞ」
“作者さん!!僕を次の話に出して下さい!!”
『いいよ!!』
“主ー、いいよって言ってくれたー”
「簡単だな作者」
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