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モンスターって全員馬鹿なのか?

 モンスターが出現した場所に向かうとそこは近くの山の中で、そこには先程見たのと同じようなオークがいた。 



「ブォォォォォォ!!」

  


 オークは武器である剣を上に掲げながら雄叫びをあげている。豚の鳴き声にも似たその声は周囲の木を揺らし近くにいた小鳥や小動物達が逃げたしていく。

 やっぱ煩いな。



「それじゃあロウガ。やってくれ」

“何て言えばいいの?”

「取り敢えず話を聞いて貰えるようならここに来る前に何をしていたかを聞いてくれ」

“わかったー”



 そう言ってロウガは俺の前に出てオークと会話を始めた。



「わんわん!」

「ブォォ!!ブォブォォォォ!!」


  

 目の前で歩く豚と犬みたいな狼が会話をするという不思議な構図が出来上がっているが、会話は進んでるようだ。これなら期待出来るんじゃないか?



 ロウガとオークの会話している姿を見て俺は少し期待をしていると、話が終わったのかロウガが俺の足下に戻ってきた。

 ロウガと喋り終えたオークは黙ったままこちらを見つめている。これは成功したか?



“終わったよー。主ー”

「どうだった?」

“うんとねー、さっきから「女騎士を出せ」って言ってる”

「.......は?」



 予想外の答えに俺は目を丸くした。

 


「どういうことだ?お前らさっきから会話してたんじゃないのか?」

“それがねー、こっちが幾ら聞いても「女騎士を出せ」「女騎士を出せ」の一点張りなのー”



 いや確かにオークに女騎士は薄い本では定番だが、何故にこいつはそんな事言ってるんだ?



「何で女騎士なんだ?」

“それが自分でもよく分からないみたいでー、ここに来てから兎に角体が女騎士を欲してるんだってー”



 何じゃそりゃ。オークの性って奴なのか?

 そんなんよりもここに来る前の事が知りたいんだが。



“後ときどき「俺は誰だー!!」って叫んでる”



 覚えてないんかい。

 期待持たせて結局それかよ。

 


「それで、お前はオークに何て言ったんだ?」

“女騎士女騎士言うから主に聞いてみようかって言ったらお願いされたー”



 何をお願いされてんだよ。だからさっきからあのオークは黙ってこっち見てたのか。

 俺は今だ黙ってこちらを見つめて来るオークを見た。その目は何処か希望に満ちた目をしている気がする。いや、そんな目をされても無理なんだが。



“ねぇ主ー、女騎士って何処にいるのー?”

「いやこんな時代にいるわけないだろ」



 俺がそう言うとロウガは“わかったー”と言って再びオークの前に出た。

 ロウガとオークは会話を進めていると、次第にオークの顔が驚愕の表情に変わり、そこから段々と哀しげな表情に変わっていった。



「ブォォォォォォ!!」



 するといきなりオークは雄叫びをあげ、俺に向かって剣を振り上げながら突進してきた。

 それに俺は一瞬驚くが冷静に対処し、突っ込んでくるオークの顎を蹴り上げた。



「ブォォ~.........」



 俺の蹴りにオークは後ろに頭から倒れ嘆きの声と共に光の粒子となって消えていった。  

 急に何だったんだ?



「ロウガ、さっきのオーク何て言ってたんだ?」

“女騎士いないよーって言ったら否定してきたけどー、時代が違うって言ったら「ちくしょぉぉぉぉ!!」って言いながら主に向かってったのー”



 ただの八つ当たりかよ。

 


「最後は何て言ってたんだ?」

“「女騎士に、会いたかっ、た」だってー”



 最後の最後まで女騎士って、どんだけ女騎士が欲しかったんだよ。

 もういっそそのまま異世界にでも行って女騎士と会ってこい。

 俺はオークが来世で女騎士に会えることを祈ると、ロウガが話し掛けてきた。



“主ー、他のモンスターはどうするのー?”

「ん?あぁ、そうだな。一応そっちにも聞いてみるか」



 他のもこれじゃあ、あまり期待は出来ないけどな。

 俺はそう思いながら他のモンスターがいる所に転移した。








ーーーーーーーーーーーーーーー

 








“結局駄目だったねー”

「そうだなぁ」

 


 モンスターの聞き込み調査も終わり俺は今自室でベッドに寝転がりその上にロウガが座っている。調査の結論から言うと全員何も覚えていなかった。

 正直聞く相手を間違えたかもしれない。


  

 ゴブリンに聞いてみるは「女寄越せ」ばっかいうし、ゴーレムに聞いたら「ここの石材質悪すぎ」とか関係ない事言うしスケルトンに至っては「栄養が足りてない」とか意味わからん事を言うはで散々だった。

 お前骨しかないだろ。何処に栄養が必要なんだよ。



 モンスターってこんな奴等ばっかりなのか?だとしたらロウガはかなり賢いな。俺の言うこと聞くし変な事言わないし、お前を選んでよかったよ。

 俺はそう思いながらロウガを見た。



“何ー?主ー?”

「いや、お前は賢いなって思っただけだ」



 そう言って俺はロウガの頭を撫でた。

 理由はよく分かっていなさそうだが俺に撫でられたロウガは嬉しそうにしながら尻尾をぶんぶん振っている。やっぱ可愛い奴だな。



 俺はロウガの可愛いさに頬を緩ませていると、突然ドアノブが回る音がした。



「ねぇ、ちょっといい?」



 ドアノブを回し部屋に入ってきたのは夏蓮だった。今日の髪型はポニーテールか、やっぱり似合うな。てか妹よ、頼むからノックをしてくれ。

 俺は急に入ってきた夏蓮に驚いていると、夏蓮がキョロキョロと辺りを見だした。



「今、何かいなかった?」

「気のせいじゃないか?」



 夏蓮が言うように今この部屋には俺と夏蓮しかいない。ではロウガは何処にいったかというと、【使役魔法】の魔法で異空間にいる。

 【使役魔法】は使役したモンスターを自分の異空間の中に入れる事が出来る。

 だからロウガには予め誰か入ってきた時は異空間の中にいるように言ってあり、今回はギリギリ間に合ったみたいだ。

 ロウガが賢こくて本当によかった。



「それで、どうかしたのか?」

「あぁ、うん。実はーーーーー少し、相談」



 

おまけ


 【ゴブリンの会話】



 目の前でゴブリンの集団が何やら話していた。


“俺はやっぱおっぱいだな”

“いやそこはお尻だろ”

“馬鹿野郎、足に決まってんだろ”

“うなじも捨てがたい”

“へそが一番に決まってるだろ”

““““それは絶対にない””””


「何してんだ?あれ」

“性癖暴露大会だってー”




ーーーーーーーーーーーーーー


 【何ならいいの?】



“ここら辺の石材質悪すぎ”

“何が駄目なのー?”

“先ず固さだ。それに材質だろ、肌触りだろ、輝きだろ、兎に角色々駄目だ”

“じゃあ何ならいいのー?”

“そうだな、強いて言うなら.......ダイヤモンドだな”

“それ石じゃないよー”



ーーーーーーーーーーーーーーーー

 何となく始めたおまけコーナー。適当に流して読んでください。


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