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これ完全に遊ばれているな

 モンスター出現から翌日、俺は何時も通り学校へ登校した。朝テレビを見たがモンスターに関する報道はなかった。どうやら他の地域ではモンスターは発生していないみたいだ。



 ということはモンスターは俺の近くの地域にしか出現しないことが分かったが、正直それに何らかの意図が感じる。

 完全に俺の所に送ってるよなこれ。   



 どういうことだ?俺にモンスターを倒せって意味なのか?でも何の為に?モンスター送って何がしたいんだ?

 俺の頭には疑問が尽きなかったが、俺の地域にしか出現しないと分かればやることは一つだ。



 出てくるモンスターを全て殲滅する。

 正直面倒だがこのまま放っておく訳にはいかないからな。やるしかない。



「おはよう神谷君」



 教室に入ると何時も通り釜石さんが一番に挨拶をしてきた。いや、友達のいない俺からしたら一番も何もないか。釜石さんも釜石さんで俺以外の人と話す姿を見るのはあまり見たことないな。 

 まだ友達がいないのだろうか。可哀想に。



「おはよう」

「ねぇ聞いた神谷君。昨日この学校の近くで変な鳴き声が聞こえたって」



 俺は釜石さんの言葉に鞄を置く手が止まった。まさか聞かれてたのか。だがまあ、考えてみればそうか。あんな住宅街で叫んだんだから一人位は聞いた人がいるに決まっている。



「へ、へー。そうなんだー」

「中には化け物を見たって人もいるらしいよ。何なんだろうね?」



 何と目撃者までいたのか。

 不味いな、写真とか撮られたら厄介だ。 

 これは見つけ次第即倒しに行った方がいいな。

 俺は釜石さんの話を聞いてそう思った。








ーーーーーーーーーーーーーーー









 授業に入り俺は何時も通り寝ていると、急に魔力の反応を感じガバッと起き上がった。

 モンスターが出現したのか。

 突然ガバッと起きたせいでクラスの連中は少し驚いた表情をしていた。

 おいおい今来るのかよ。時間考えろよ時間を。

   

  

「お、おい神谷。どうしたんだ急に」



 俺が起きた事が驚きなのか先生が俺に話し掛けて来た。



「先生、体調が悪いんで保健室に行っていいですか?」

「あ、あぁ、そうか。確かにお前が起きるなんてよっぽど体調が悪いんだな。分かった行ってこい」



 それは言い過ぎだろ。

 幾ら俺が何時も寝てるからってその反応はどうなんだ?

 俺は反論したくなったが今はそんなこと言っている場合ではないので、直ぐに教室から出ていき転移でモンスターがいる所に向かった。







ーーーーーーーーーーーーー   








 

 モンスターも倒し終わり俺は釜石さんに誘われ一緒に下校している。モンスターに関しては今はそんなに強くない。俺の蹴りで一撃だからな。

 だが少しずつ強くなっているのは確かだ。

 いつかは手強いモンスターもくるかもしれない。



「それでねぇーーーーー」

「へぇ、それはまたーーーー」



 俺と釜石さんは会話をしながら歩いていると急に目の前に光が現れた。

 あ、これは不味い。



「あ、何だあれ」 

「へ?」



 光が現れた瞬間俺はすかさず釜石さんの視線を別の方向にそらした。

 その隙に【風魔法】を使い風の刃を出し、モンスターが出てくる瞬間に首を切り落としモンスターを消滅させた。

 危なかった。いきなり目の前に現れて来るとは、人が少ない所に出現するんじゃないのか?



「何?何かあったの?」

「いや、俺の気のせいみたいだ」



 俺は釜石さんにそう言って再び歩き出そうとすると、また目の前に光が現れた。



「あ、あそこに何か飛んでる!」

「へ?何かって何?」



 俺はまた釜石さんの視線をそらし【風魔法】で音もなくモンスターを消滅させた。

 またかよ。同じ所に二度も出現するってどうなってるんだ?



「何?何が飛んでたの?」

「いや、やっぱり俺の気のせいみたいだ」



 俺は釜石さんにそう言って再び歩き出そうとすると、またまた目の前に光が現れた。

 嘘だろ!?またかよ!?



「釜石さん!!」

「へ?えぇ!?」



 俺はつい勢いで釜石さんの両肩を掴み視線をこちらに移した。急なことに釜石さんは驚き俺の顔が近付いたからか顔を紅くしている。



 俺はその隙に顔をそらさず釜石さんを見つめたまま【風魔法】でモンスターを瞬殺し消滅させた。危なかった。まさか三回目があるなんて思わなかったぞ。



 だがこれで一つはっきりしたことがある。さっきまでは分からなかったが今なら分かるぞ。

 これ、完全に遊ばれている。



「あ、あの、神谷君。どうしたの?き、急に」



 今だ顔を近づけられて顔を紅くしている釜石さんに俺はどう言い訳しようかと考えていると、



「あー、髪にゴミが付いてるぞ」



 っとゴミもないのにゴミを取る振りをして俺は釜石さんから離れた。

 釜石さんは今だ訳が分からなくなっているのか顔を紅くしたままぼうっとしている。



 これで何となく分かった。

 先ずモンスターを送り込んでいる奴がいる。

 そしてそいつは何故か俺を標的にしてきている。何が目的かは知らんがこれで一つ決めた事がある。



 犯人見つけたら一発ぶん殴る。

 俺は密かに燃える怒りを隠しながら今だボーッとしている釜石さんの目を覚まさした。

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