釜石さんとテロリストと体育館倉庫の組み合わせといったら........
ジャンル別、総合共に日間一位......胃が痛い....。でもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
「遅いなぁ、神谷君。どうしたんだろう?」
神谷君が一人頼み事といって屋上を出てから私は一人ベンチで座りながら足をぱたぱたさせながら待っていた。
「頼み事って何なんだろう?」
知り合いの刑事さんと話していたみたいだからやっぱりテロリストに関することなのかな?
でもそうだとしても何で神谷君に頼むんだろう?そもそもその刑事さんって神谷君とどんな関係なんだろう?
私の頭の中は様々疑問で絶えなかった。
そう考えると神谷君ってやっぱり謎だよね。
何か色々と隠してそうっていうか何を考えてるか分からないというか。
でも、それはそれでいいっていうか、ミステリアスな感じも有りっていうか.......って何言ってるの私一人で!!
両手で顔を隠しながら私は羞恥心に悶えていると、ここで一つの不安が覚えた。
「神谷君、大丈夫かな?」
もし刑事さんに頼まれた事がテロリスト関連の事だとしたら、もしかしたら今神谷君って危ない状況にいるって事だよね。もしそうだとしたらどうしよう..........。
「早く帰ってきて、神谷君」
私は一人そう願っていると、屋上のドアの奥から何やら足音が聞こえてきた。
カツン カツン カツン
音は確実にこちらに近付いている。
もしかして神谷君!!よかった!無事だったんだ!私は嬉しくなりながらも急いでドアの所に駆け付けた。
「神谷君!!」
ドアを開けて神谷君を出迎えようとしたその時、私は目の前の人に絶句した。
「あぁ?何だお前?」
目の前に現れたのは全身黒の武装をしたドクロマスクを被った図体のでかい男だった。
見た目不審者のこの男の格好を見て私はその正体が直ぐに分かった。
この人、テロリストだ。
な、何でこんな所に.......。
私は目の前のテロリストに怯えて震えていた。
「お?てかよく見たら結構可愛いじゃねぇか。よしお前で暇潰しするか。おら!こっちに来な!」
「い....やぁ.....」
こっちに来させようと手を伸ばすテロリストに私は怯えながらも後退りしながら声も出ないまま逃げ回る。
直ぐにでも大声で叫びたい所だったが持ち前の男嫌いのせいで私にはそれが出来ずにいた。
「ちっ、面倒くせぇな。大人しくしろや!!」
「うぁ.......」
痺れを切らしたのかテロリストは何処から取り出したのかスタンガンを取り出し、私のお腹に当て気絶させた。
私は若干唸りながら床に倒れ、意識が遠退いていく。
こんなの.....嫌....神.......谷.....君。
薄れ行く意識の中私はただただ彼に助けを求めた。
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テロリストに俺の存在がバレ、俺はただ今そのテロリスト達を一掃している真っ最中だった。
「はい首トン」
「ぐぅあ!!」
俺の首トンでテロリストは床に倒れ白目を剥きながら気絶した。
ふぅ、これでラストだな。
俺は床に倒れている合わせて10人はいるだろうテロリスト達を見てそう言った。
しかし強いな首トン。ここまで使えるなんて正直思っていなかったぞ。もうスキルとかで扱ってもいいんじゃないか?
“スキル、【首トン】を習得しました”
なっちゃったよ本当に。何でもありかスキルよ。もうこれなら首トンで世界狙えるんじゃないか?首トン世界チャンピオンってな。
そんな馬鹿な事を考えていると、床に倒れているテロリストの一人が呻き声を上げながら微かに動いた。まだ生きてたのか。
「まさか.......我等がたった一人の小僧に...負けるなんてな.....」
「あんたはこいつらの親玉か?」
「そう、だ」
「運が悪かったな。俺が居なかったら、あんた達の計画は成功していただろうによ」
「ふん、そうかもしれないな。だがな、我等はこのままでは終わらない。必ずや生き延び貴様に復讐を...がぶぁ!!」
「あ、ごめん。つい殴っちゃった」
俺は親玉にそう謝るが親玉は既に顔を床に埋もれピクリとも動かなくなっていた。
やばい、つい殴っちゃった。だって何か急にシリアスな流れになるんだもん。
俺シリアスな感じ苦手なんだよ。つい殴っちゃいたくなるほどにな。俺の前でシリアスな流れを作るからこうなる。
さて、取り敢えずこれでテロリスト全員制圧したんだよな。一応確かめてみるか。俺は【空間魔法】により一応学校全体を調べてみた。
ん?何だこれ?俺は【空間魔法】で調べてみたら、おかしな反応を見つけた。体育館倉庫に二つの反応がある。一つは、あれ?何で釜石さん?もう一つは、テロリストの反応だ。もう一人居たのかよ。
しかしあれだな。
体育館倉庫に釜石さんとテロリスト。
この組み合わせで行われる事といったら......あれしかないよな。
「急いで行くか」
俺は【転移魔法】を使って釜石さんとテロリストがいるであろう体育館倉庫に向かった。
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ここは、何処だろう?
目が覚めるとそこは薄暗い部屋の中にいた。
よく見るとここ体育館倉庫だ。下はマットの上だし。
でもどうして私、こんな所に.......。
私は今までの経緯を思い返した。そうだ!私、テロリストと遭遇して、それで捕まって!
「よう、目が覚めたみたいだな」
私は声がした方を振り向くと、そこには私を捕まえたさっきのテロリストがいた。
「ったくお前を運ぶのには苦労したぜ。日本の薄い本の真似をして体育館倉庫で犯してやろうと思ったんだがよ、これが遠いの何の」
機嫌よさげに話すテロリストとは対照的に私は恐怖で言葉が出なかった。
「だがまあ、それも今からすることに思えばそれも吹き飛ぶってもんだ。なぁ?」
急にテロリストに話を振られ私は体をビクッとさせ後ろに後退った。
「そう怯えんなよ。直ぐに気持ちよくしてやっからよ」
そう言ってテロリストは私に近付き手を伸ばしてきた。私は迫り来る恐怖と憎悪で自然と涙が出てきた。
「いや、こないでぇ........」
「いいぜ、その顔だ。もっと俺にその顔を見せてくれよ」
私は壁まで後ずさると涙を流しながら目を瞑った。
嫌、こんなの嫌。
どうして?どうして私がこんな目に合わなくちゃいけないの?
どうしてこんなことになったの?
私何か悪いことした?
助けて....誰か助けて.......。
神谷君!!
「はいストーップ」
私が心の中で叫んだのと同時に、何処からか聞いたことあるような声が聞こえた。
「な、何だお前!?」
「煩い、寝てろ」
「がぁ!!」
すると何やら鈍い音が聞こえテロリストが呻き声を上げながら何かが倒れる音が聞こえた。
な、何が起きたの?
私は若干怖がりながらも恐る恐る目を開けると、そこには目の前で倒れているテロリストとそれを見下げる神谷君がいた。
「よぉ、釜石さん。大丈夫か?」
「神谷....君?」
私はおもむろに立ち上がり神谷君の姿を見続けると、自然と涙が溢れでながら思いっきり抱き着いた。
「神谷君!!」
思いっきり抱き着いた事に神谷君は少し驚いた様子だったけど、直ぐに受け入れてくれて、私が泣き止むまでずっとこうしてくれた。
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