大事なものを無くした気がする
俺とスカラとの戦い。
【テンション魔法】でスカラの気分を下げたお陰か、勝負は俺の優勢だった。
「爆発拳」
「チッ!」
赤い炎を纏った拳がスカラに突き刺さる。
俺から放たれた拳にスカラは咄嗟に両手をクロスさせガードの体勢を取るが、拳の爆発に耐えきれず後ろに後退していった。
「だー、くそ!!何でこんな力が入らねぇんだ!?」
思うように力が出ず、爆風に包まれながらスカラは悪態つく。
そう言う割りには随分と元気そうだな。
苛立ちの表情を浮かべるスカラを見て、俺は少し疲れた顔をする。
(どんだけタフなんだよ.......)
さっきから結構な量を喰らっといているのに、よくそんな平気そうでいられるもんだ。
【テンション魔法】で威力は下げているが、元々のあのデタラメな肉体には効かないってことか。
お陰でこっちが疲れてくる。
驚きを通り越して逆に関心してくるな。
(だが、これならいける)
無言の中、俺は拳をギュッと握る。
先程の一方的な展開とは違うこの様子に、俺は確かな手応えを感じた。
それに、元気そうには見えるが、別にスカラも無事というわけではない。
外傷はそうでもないが、確実に息があがっている。
あれだけやられてるんだ。
ダメージがあるのは当然だ。
「次は絶対に外さねぇぞ!!」
最初とはまるで真逆な戦いにスカラはいきり立つ。
すると、いきなりスカラの体に何やら赤黒いオーラがまとわりついた。
「なんだそれ」
「一々面倒だから特にこいつには名前がないが、こいつで殴れば相手を内部から破壊出来る」
身体中に赤黒いオーラを纏いながら、スカラは淡々と語る。
勝負とか言っときながら殺す気満々じゃねぇか。
スカラの説明を聞いて俺はそう思い、いっそう注意深く警戒する。
いけると思ったんだが、これは厄介そうだな。
「精々死なないようにな!」
「だったら使うなよ」
赤黒いオーラを纏いながら真っ直ぐ突っ込んでくるスカラに俺はツッコミつつも、飛んでくる拳を体を捻ってかわす。
テンションを下げたお陰で、動きが大分鈍くなっている。
これなら、俺でも十分避けれる。
一発避けた後も何度も繰り出される拳を俺は幾度となく避け続ける。
「くそ!何で当たんねぇんだ!?」
自分のパンチが一発も当たらず、スカラは段々と焦りを見せる。
俺はそれを冷静に見切り、スカラの拳にカウンターをかけるように、スカラの腹目掛けて拳を放つ。
「ぐっ!!?」
元々のレベルによる強靭な肉体を持つスカラには、今の俺の拳はそんなにダメージはないだろうが、少しよろめいた。
そのせいで僅かばかりな隙が出来たが、俺にとってはそれは大きなチャンスだ。
少しよろめいてラッシュが止まった瞬間、俺は転移でスカラの後ろに回り拳を後ろに引いて構える。
「爆風拳」
そう呟いたと同時に、俺の腕に荒々しいまでに燃え盛った炎がまとわりつく。
今まで拳だけに纏われるはずのそれは、俺の腕に伝って火柱を立て、肉眼では捉えられないスピードでスカラに突き刺さる。
「ぐぉあぁあ!!?」
拳がスカラに直撃した直後、爆発拳とは比べ物にならないほどの爆発を起こし、スカラは勢いよく飛んでいき、山の方に突っ込んでいった。
スカラが落ちたと同時に、地面から大量の土煙が上がり、少しの間静かな時間が流れた。
爆風拳とは、爆発拳と疾風拳の合成させたような技で、爆発拳の威力と疾風拳の速さが重なり、今みたいなのが生まれるのだが、果たしてこれで倒せたんだろうか。
倒したのか?
俺はスカラの安否が気になり、スカラが堕ちた場所に降りてみると、そこにはまるで隕石が堕ちたかのような光景があった。
周囲の木は薙ぎ倒され、地面はクレーターができている。
俺は暫く堕ちた場所を眺めていると、中から人影が見えた。
「あー、今のは中々効いたなー」
土煙の中から、土で汚れているが元気そうに首をコキコキと鳴らすスカラの姿があった。
「おいおい、嘘だろ........」
あれをまともに喰らって何でそんな平気なんだよ.......。
これには俺も流石に乾いた笑みを浮かべるが、まともに笑えず顔をピクピクとひくつかせた。
「何でそんな元気なんだよ.........」
「いやー、そうでもないぞ。これでも体のあちこちが結構痛いからな」
とてもそうには見えない。
体の確認をするためか、腕をぐるんぐるん回すスカラ。
これがレベルの差なのか。
今まで自分より上の奴の相手をしてきたが、ここまで酷い差がつくことはなかった。
あいつが別格なのは分かるがここまでなのか.....。
俺は呆然とスカラを見ていると、体の確認をし終えたスカラは嬉しそうに呟いた。
「にしても、まさか私がこんなに痛め付けられるなんてよー。こんなになったのなんていつ以来なんだろうなー」
嬉しそうに、そして、楽しそうにスカラは呟くと、途端に俺を睨んだ。
「お陰でーーーー久しぶりに燃えてきたな」
そう呟いた瞬間、スカラの周りにあの時と同じ変化が訪れた。
ぞわぞわと髪の毛が逆立ち、異様な気配を感じさせる。
俺はそれを見て、あり得ないとばかりに動揺した。
ちょ、ちょっと待て!?何であれが使えてるんだよ!?
今スカラは【テンション魔法】でテンションを下げてある。
なのに、何故あれが使えるんだろうか。
目を見開いて動揺した俺だが、ある一つの仮説に辿り着き、まさかという表情をする。
(もしかして、魔法で下げた分のテンションを取り戻したのか?)
スカラは今自分に多大なダメージを与えた相手がいたことに喜んでいる。
その喜びがテンションダウンで下げた分を上回ったというのだろうか。
(全く、これだからチートは......... )
ブーメランにも程がある発言だが、そうでも言わなきゃやっていられない。
このままではまずい思った俺は、と再びスカラに【テンション魔法】をかけた。
「テンションダウン」
静かに唱え、スカラの周りが淡い青の光がまとわりついた。
淡い青の光に包まれ、スカラは微かに苦しい顔をしたが、直ぐに元に戻った。
「効かねぇな!!」
今のスカラのテンションは異常に高かったのか、下げても直ぐに元に戻ってしまう。
どんだけテンション高いんだよ。
「あははは!!これでいつもの力が出せるぜ!!」
髪の毛をぞわぞわと更に逆立て、力を取り戻したスカラは上機嫌に高々と叫ぶ。
こんな攻略のしかたありかよ。
強行突破にも程がある。
無理矢理【テンション魔法】を攻略され、俺はどうするかと頭を捻らせるが、手はないわけじゃない。
じゃあ、何故使わないかと言うと、俺自信これは気に入っていないからだ。
だが、だからといって使わない訳にもいかない。
このままではスカラに確実に殺される。
(やるしかないか........)
覚悟を決めた俺は、使う前にスカラに一つ忠告をした。
「スカラ、今から俺はお前を倒すが、降参なら全力で降参しろよ」
「なに?」
「多分、そうじゃなきゃ俺は止まらない」
俺の突然な意味深の発言に、スカラは首を傾げたが、これから何かするというのだけは分かったようで、更に嬉しそうに顔をにやつかせた。
「おもしれぇ!他にどんなのがあるんだよ!!早く見せてくれ!!」
「どんだけ、戦闘狂なんだよ」
人の忠告をなんだと思ってるんだ。
スカラの異常なまでの戦闘狂いに、俺はため息をつく。
不味い、いっそうやりたくなくなってきた。
テンションの高いスカラを見て、俺はそう思えてきたが、言ったからにはやるしかないな。
少し、というかかなり気は進まないが、俺は意を決して最後の手段を使った。
「テンション変換」
その瞬間、俺とスカラの周りに緑の淡い光が現れる。
さっきの青い光とは違う緑色の光は俺とスカラを優しく包み込むと、俺は体の奥底から熱いものを感じた。
熱い、燃えるような心。
気分が高まる、高揚していく感情。
何だろう、この気持ち。いつの間にか顔がにやけてくる。
全てのことがどうでもいい、ただ目の前の戦いに集中していたい。
「はは.......ははははは!!」
気づけば、自分は喜びにも似た高笑いをあげている。
今までの冷静だった自分からは考えられない、まるで別人のような自分。
この昂る気持ちが俺にさせたいことはただ一つ。
目の前の敵を倒すことだ。
俺は自分の気持ちを確かめていると、スカラは逆の意味で驚いていた。
「な、なんだ!?また、力が抜ける!!.....それに、このやる気のない感情はなんだ!?」
普段とは違う、全く感じたことのない感情に、スカラは戸惑っている。
見ればもう異様な気配はなく、逆立っていた髪の毛も元に戻っている。
自分の体を見回し、スカラは何がどうなってるんだといった感じになってるが、今の俺はそれを待ってやれる程の理性はない。
「なにぼうっとしてるんだ?とっとと始めるぞ」
「え?ちょ、ちょっと待て!?」
「誰が待つか!」
もうこの抑えていた理性をどうにも出来ない。
俺は獣の如く勢いでスカラに襲いかかる。
突然の事態に戸惑うスカラだが、俺の攻撃に身構え警戒の体制をとると、俺の動きに目を見張らせ驚愕した。
「遅い!」
「どあっ!?」
俺の攻撃に備え防御の体制を取ったスカラだが、俺はフェイントで転移を使ってスカラの後ろに回り込み、後頭部を殴る。
予想外の動きにスカラは前に倒れそうになるが、俺は今度は瞬時に前に転移して、スカラを蹴り上げる。
蹴り上げられたことによってスカラは顎が上に向き、上空に浮かぶ。
そこから、俺は楽しそうな笑みを浮かべながら拳に風を纏わせる。
「疾風拳」
肉眼では捉えられない音速を越えた拳がスカラに突き刺さる。
「っっっ!!?!?」
音速を越えた拳がスカラに直撃し、スカラは体を曲げながら山の中を飛んでいく。
飛んでいく最中にある木はへし折られ、徐々にスカラは俺の視界から消えていく。
飛んでいくスカラを見て、俺は快感にも似た感情が芽生え、気持ちよさそうに上を見上げる。
気分がいい。何でこんな体が燃えるように熱く、力が沸いてくるんだろうか。
(そうか、そういうことか)
俺はこの時、やっと自分の真なる気持ちに気づいた。
どうして気づかなかったんだろう。
今まで不幸だと思っていた戦いが、こんなにも楽しいものだったなんて。
俺がこうなった原因は勿論さっきの魔法だ。
俺がさっきやったテンション変換。
それは相手と自分のテンションを入れ換える魔法だ。
あの時、俺は戦いが面倒、帰りたい、魔法を使いたくないという、負の感情が積もっていた。
対して、スカラは俺という相手に対しての喜びに溢れていた。
この感情を入れ換えたのだが、効果は予想以上だ。
【テンション魔法】はテンションを上げれば上げるほど技の威力が増す。
このスカラのテンションのお陰で、俺は先程までの威力の疾風拳が出せたというわけだ。
(もっと、もっとだ........!!)
もっと味わいたい。
もっと敵を倒したい。
先程の殴った感触や戦いの臨場感が忘れられず、俺は早く戦いたいという欲求に駆られる。
思えば思うほど、その欲求は高まり、俺は無意識にスカラが飛んでいった方向に向かう。
転移である程度近くまで行くと、スカラは途中何十本目かの木にぶつかり止まっていたようで、痛そうに頭をふるふると振っている。
「だー、くそ。何だってんだよいったい。なんであいつあんなにパワーアップしてんだ........」
「気分がいいからだよ」
不思議がるスカラに、俺は気分よく応える。
いきなり俺に声をかけられ、俺を見たスカラは慌てて立ち上がった。
ダメージは確かにあるが、まだまだ元気そうな表情をしている。
普段なら嫌そうな顔をする俺だが、今回はたちまち嬉しそうな顔をした。
よかった。まだ元気そうだな。
なら、あれを使っても大丈夫だろう。
まだやれそうなスカラを見て、俺はわぁっと歓喜する。
「な、なんだその顔。気持ち悪い」
「気にするな。今は気分がいいだけだ」
少し弾んだ声で俺は言う。
今俺の顔は終始にやけている。
戦いというものがこんなにも楽しいものなんて知らなかったからな。
俺は今が楽しくて仕方がない。
楽しくてしょうがないと思っている俺だが、やはり魔力や体力にも限界がある。
まだいけるといっても限度があり、途中力尽きて倒れるなんてそんな不完全燃焼なことはしたくない。
ならば最後にド派手なのを一発加えてから終わろうと、俺は思った。
「次だ。次で最後の一撃にしてやる。精々死なないようにな」
人差し指を前に出しながら、俺はスカラに告げる。
俺の警告にスカラは一瞬唖然としたが、面白いとばかりに笑みを浮かべる。
「おもしれぇ。やれるもんならやってみろ!」
そう言うと、スカラはまた身体中に赤黒いオーラを纒だした。
だが、【テンション魔法】で威力を下げられている分、オーラの量も小さい。
赤黒いオーラを纏いながら、スカラは俺に突っ込んでくる。
「さっきから単純なんだよ!!」
俺はそう叫ぶと同時に、目の前に【土魔法】で作った壁を出現させる。
壁が出てきた瞬間、スカラはピクッと反応したが、そのまま勢いを殺さず突っ込んでいき、壁を粉砕する。
こんなもんで止まるなんて微塵も思っちゃいない。
「なっ!?」
壁が壊れスカラが目にしたのは、既に自分の懐に移動して拳を構えていた俺の姿だった。
壁はただの目眩まし。
ほんの一瞬だけ見えなくなるための物に過ぎない。
懐に入り、俺は最大の一撃を放つためのスキルを放つ。
「渾身の一撃」
その瞬間、俺の拳は今までにないオレンジ色の光を帯びる。
それはまるで力を凝縮し、内側に溜め込んでいるような、そんな風にオレンジ色の光は強さを増していく。
やがて、その光は頂点に達し、俺はスカラの腹目掛けて一心に振り抜いた。
「ぶっ飛べ!!」
「ぐぁあっっ!!?」
気合いの乗った声と共に振り抜かれた拳はスカラに直撃し、スカラはこれまでにない苦痛な顔を示し、斜め上に飛んでいった。
渾身の一撃。
スカラとの再戦前にいざというときの隠し玉として造っておいたものだ。
効果はお察しの通り、自分が出せる全ての力を拳に乗せて放つ、そんなスキルだ。
だが、代償としてはこれを使うと十分位の間動けなくなり、尚且つ体が怠くなるに加えスキルも使えなくなる。
使い時には要注意だが、【スキル創造(制限付き)】で造ったスキルは一度使えば消えてしまうから、俺のスキル欄にはもうない。
まさに、一撃必殺のスキルだったが、もうこれで本当に終わりだろ。
スカラをぶっ飛ばし終わり、俺は今の技の感覚に酔いしれていた。
「あー、これだから戦いは止めれない!!」
気持ち良さそうに顔を緩ませ、俺は空に向かっていきいきと叫ぶ。
この感じ、この爽快感、こんなにも俺を熱くさせるのは戦いだけだ。
「もっと、もっと戦いた!?.......」
心と体が熱くなっている俺だが、突如そこでまた自分の体が緑色の光に包まれた。
どうやら、テンション変換の時間が切れたようだ。
突然光に包まれ、俺は言葉が途切れ無抵抗のまま光に包まれていると、やがて光は消えた。
そこから俺は無言のまま固まり、静かにあることを思った。
(死にたい..........)
上を向いたまま、俺はただただ思う。
渾身の一撃のせいで、体が思うように動かないが、動けるなら今直ぐに穴に入りたい。
なんだよさっきのテンション!
何がこれだから戦いは止められないだ!!止めれるのらとっくに止めてるわ!!
あれを使わなきゃ勝てないとはいえ、自分のプライドを捨てるのは早計過ぎた気がする。
勝てたとはいえ、大事なものを無くしてしまった感が否めない俺は、暫く無言の時を過ごす。
(暫く、休もう........)
この体以上に傷付いた心を癒そう。
そうしなきゃ、立ち直れない気がする。
無言の中密かに俺はそう誓ったその時、強大な気配が俺の体に刺さった。
「っ!?」
いきなり出てきた強大な気配に俺は思わずその方向を向く。
この方向は、確かスカラが飛んでいった方だよな。
俺は確かそうだったなと認識すると、唐突に大量の汗を掻き、嫌な予感が脳裏によぎった。
「さっきはよくもやってくれたな.......」
俺は気配がした方向を凝視していると、そこにはボロボロの姿になったスカラがいた。
所々は傷だらけで、重症なのは間違いないが、まさかまだ動けていたとは。
タフにも程があるだろ。
化け物過ぎるそのタフさに、俺はなにも言えず、ただスカラを見つめた。
「まさか、私がここまでやられるなんてな。こんなの生まれて初めてだぜ。この私をここまで追い詰める奴がまだいたんだな」
体はボロボロだが、顔は確実に笑っている。
そしてスカラが笑うにつれて、気配の大きさも異常な程に大きくなっていく。
テンション変換の効果が切れてあっちも元に戻っている。
このままじゃ不味い。
スカラの生存に唖然としていた俺は、スカラの強大な気配を前に我に返り、逃げるため動こうとするが反動のせいで体が動かない。
(くそ!体が動かない!!)
どんどん強大になっていく気配を前に、俺は焦りを募らせていく。
反動でスキルも使えない今、俺に出来ることはなにもない。
俺は迫り来る死に必死にもがこうとするが、一向に体が動かない。
「これで、私の勝ちだ!!」
強大になっていく気配を放ちながら、スカラはデカデカと叫ぶ。
くそ、ここまでか........。
自分の死を直感し、俺は諦めたように目を瞑る。
このまま死ぬのか、俺.....。
そう思った俺だが、ここで一人の乱入者が入ってきた。
「双方、そこまでです」
何処か聞いたことあるような、鋭い、気の強そうな声。
いったいなんだと思い、俺は目を開けると、そこには以前メトロンが造った島で会ったリーナの同僚である天使のサラの姿があった。
おまけ
【盗撮】
「あー、しんどかった......」
「お疲れだな、神谷夜兎」
「当たり前だろ。スカラの奴化け物過ぎだろ」
「私からしたら貴様も充分化け物だけどな」
「あっちの方が化け物だって。お陰であんな目に会うし.....」
「あー、あれか。あれは中々面白かったぞ。いつもの貴様とは違う一面があったな」
「.......おい、その手に持ってるビデオカメラみたいなのはなんだ?」
「みたいなのというより、普通のビデオカメラだが?」
「........撮ったのか?」
「撮ったぞ」
「今すぐ寄越せぇ!!」