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プロローグ7
で、父親か。
あまり話したくはないな。ホントしょうもない、はあ。思うだけで、ため息が漏れる。
「お前なあ」
親に向かっての口ではないけれど、許されてると思う。警察の取り調べ室で決まり悪そうに、頬をかく。俺の父親。「悪いな。康夫」
「悪いと思うならよ!」
どうせ、何処にも届かない、何度言っても同じだ。
着替えを放り投げ、「死ね」と言葉を添えた。言葉通り一刻も早く死んでくれると良いと思う。
はあ。「死ね」警察署を後にした後も、何度も何度もその言葉が口をついた。それ程までの思いと思ってもらえればいいのでは?




