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プロローグ4
そいつを襲う。日菜子に暴力を振るう男を。不意打ちなら一瞬だ。けれどさ、後悔させたいじゃん。
「相模有志さんかな?」
身体が大きい。ははん、レスラーかな?康夫はにやけた。
「誰?」
「誰でもいいだろ? 身長あるな。2m位? 俺がチビに見えるだろ? あ?」
「日菜子の……か? あの女いつも、んな事触れ回ってるらしいけれどさ、誤解だからな? もう別れてんだよ」
「ああ、そうなのか」
次の瞬間やっぱレスラーだったのかと康夫は思った。一瞬空を飛んでるみたいだった。
「痛!!」
レスラーが声を上げた。
「あのさ、さっきのホント? あの女締めないといけないから、マジ事だけ言えよ、な?」
右太ももからナイフが生えた男は、「バカが、さ、刺しやがった。いてええ、あぁぁ」




