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プロローグ3
「お願い……助けて」日菜子は康夫に抱きつきながら、震えた。
「言ってみな」
「あのね、私は嫌だったんだけれど、無理矢理付き合う事になって、一緒に住んでる彼がいるの……彼……」
「ん?」
「彼ね暴力を振るうの。顔とか、お腹とか何度も何度も、もう……殺されちゃう……」そう見れば、ファンデーションで隠してあるが、頬に痣があるのが分かる。
「逃げろよ。んなこたあ、わかんだろ?」
「無理よ。3回逃げたわ。逃げたもの」
「わかった」その為の自分であると自覚はあった。康夫は言葉と同時に頷く。




