2/7
プロローグ2
軽快な音楽が流れる店内、U字ソファーの中央、康夫の膝の上に。明子は対面で座った。
「あいつマジ最低だよ」
「おいおい愚痴から始まんなよ」
隣に聞こえないように、耳元で、康夫の耳に息がかかるくらいの距離で。
「ヤスくん、あいつ殺してくれない」
「つうかよぉ。何あったくらい話せって」
「昨日さ、帰ったんよ。したらさ。あいつ女と抱き合ってんよ。ありえなくない?」
康夫は溜息をつき、適当に話を合わせた。
次いで、日菜子が康夫の膝の上に座った。
「あの、康夫さん……」
「あん?」




