誤解
朝学校に行く準備をしていたら瑠璃から電話がかかってきた。(電話じゃなくて普通に俺の家まで来れば良いだろ、家近いんだから)そんな事を思いながら渋々蓮は震えているスマホに手を伸ばし、電話をかけた。
「どうしたんだよ瑠璃」
「くくくく!私はついにわかってしまったのだよ!プールって楽しいよな!」
「だからなんだよ、確かにプールは楽しいけどな」
「今日ってなんの日?」
「別になんでもないだろ」
「そうです!プールの日です!そしてこの学校はどう言う学校ですか?」
「別に普通だろ。何もない」
「違うだろうがよぉおおおお!男女共習だろうが!
つまりやることは一つ!!NO⭐︎ZO⭐︎KI⭐︎だろうが!」
「お前いつから男になったんだよ!!」
「いつから?そんな事は重要ではないのだよ蓮くんや、とりあえず水着のサイズがミニサイズになったからまた今度買いに行くんでお金ちょーだい♡」
「いやだね、自分のお金あるだろ?それで買えよ」
「ちっ!この私の上目遣いおねだりが効かないやつがいるなんてな…!」
「なにバカやってんだよ。って言うか時間は大丈夫なのか?」
「ん〜大丈夫…じゃない!って事で家に帰りまっする!んじゃまた後でね〜愛しの愛しの蓮くん♡」
「語尾にハートばっかつけてんじゃねえよ、じゃあ気をつけてな」
◇
「れんれんおはよ〜」
「おはようございます、ってすみれ先輩どうしました?何か用があるんですか?」
「え?なんもないよ?ただからかいに来ただけさ…
蓮くんだって嬉しいでしょ?こんなに可愛くて綺麗な人を朝から見られるなんてさ〜?」
そう言って蓮の目の前でわざとらしくニヤニヤとし反応を待っている。
「いや、一ミクロンも嬉しくないからな?先に言っとくがすみれ先輩は俺の中じゃ異端児扱いしてるし迷惑極まってるやつだからな?」
「え?え?え?すみすみかなしいー!私、病んじゃいそう!」
またもやわざとらしく蓮に問いかけるが、蓮から帰ってくる反応は…
「あっそ、かわいそー」
これだけである。たまらずすみれも何か言い返そうとするものの何も言えずに話を変える。
「ぬぐぐぐぐ…取り敢えず話を本題に変えるよ。真面目な話、次の生徒会に入る気はない?もちろん私達は今年で卒業だから一緒には仕事はできない。その上で次はだれがこの学校を引っ張っていくのか、私は君にこの学校を引っ張ってほしい。もちろん嫌なら無理にとは言わないよ」
少しの間虚無の時間が流れる。その間にも蓮はしかめた顔のまま何かを考えて一言。
「俺には無理です。気持ちは嬉しいんですが、少なからず俺が引っ張るよりもっと適した人間がいると思います。」
「本音を言うとさ、瑠璃ちゃんが蓮くんと生徒会をやりたいって言ってたんだよだから誘ったって言うのも多少ある。とは言えさっき言った方も全部事実だよ。もし仮にやってくれると言うのなら。私のことを好きにする権利を君にあげよう!!これ以上ない案件だと思うんだけど?」
そう透美鈴麗が言うと蓮は「はぁ」と少しため息をした後透美麗の目をしっかりと見て自分の考えを答えた。
「わかりました。少し考えさせて下さい。まだきちんと自分のことを整理できていないので。」
「おっけ〜じゃあそう言うことだから!私はクラスに戻るね。困った方があったらいつでもこの透美麗パイセンを頼ると良いよ!全力で可愛がってやるから」
「最後の方はいらねぇな…ありがとうございます」
なんかちょっと辺なこと聞こえた気がするけどまだ気のせいかな!んじゃ!」
そう言うと廊下をバタバタと音を立てて走り去っていった。
{どうしたもんかな…瑠璃ならあの容姿と頭の回転ですぐに人くらい集めらると思うが本当に俺が必要なのか。)考えれば考えるほど自分に対して言葉にするには難しい感情で溢れかえる。そんな状況に対してもまた嫌になる。そんな負のループを何度も何度も続けているうち心が痛んだ。(ダメだ、ネガティブなのは意味がないもっともっと頭を回せ。何も考えるな。バカは考えることだけしておけばいいんだよ)
「蓮くんおはよう。今日は少し浮かない顔だけど何かあったの?私でよければ話を聞くわよ?」
「ん?ああ悪いおはよ。別に何もないから大丈夫だそれより今日は少し学校に来るの早くないか?いつもならあと十分くらい後に来ていたと思うんだが?」
そう言ってさっきまで考えていたことは少し考えるのをやめてルナに心配をかけない様にすることだけに集中する。
「そう?ならいいのだけれど…無理だけはしないでね?無理して体調壊したらもともこもなくなるでしょう?」
「そうだな。これからは少し気をつけるよ。それよりなんで今日は朝学校に来るのが早かったんだ?特に集まりとかはなかったと思うんだが…」
「別に集まりじゃないだけれど、少し用事があって早めに学校に来たの。」
「用事?なんなんだそれは」
そうルナに聞くとルナは少し考える素振りを見せた後に答え始めた。
「実は瑠璃さんから朝話があるって呼ばれていたのよ。だから今日は早く来ただけ。蓮くんはどうして早く来たの?」
実はこの誰も居ない教師の雰囲気が好きだからとか言うかなり厨二病チックな理由だとは言えないし…
とりあえずは適当な理由。
「なんとなく早く来ておこうかなと思っただけだ」
「そっか、じゃあ私はちょっと瑠璃さんに会ってくるね。」
「了解。またあとで」
ふぅと小さなため息をついたと同時に今度は慧音が入ってきた。
「おい蓮、何楽しそうに二人でいちゃこら話してんだ?」
「は?イチャコラしてねえよ。お前目ついてんのか?」
そう蓮が慧音に問いかけるもそれを無視して慧音は話し始める。
「お前、まさか一人で抜け駆けとか考えてんじゃないだろうな。もし仮に考えてたら…わかるよな?」
「安心しろ、俺が抜け駆けできるわけがないから」「どうせお前は可愛い女の子と関わりが多いから色んな人と話してんだろ?わかってんだよ。クソが」
「…話通じねー」
それから朝のホームルームが終わるまでずっと慧音に朝のことについて問いかけられるのだった。




