第三話 笑
三話目
また今日も一日が始まることに絶望を感じている。寂しいような、心の穴を感じる。何かが満たされない。ここで漫画だったら、転生や幼馴染が来たりすることもあるのだろうが。あいにく、私の周りにはそのキャラに該当するひとはいない。雨が降ってきた。幼いころは雨が好きだったと思う。水たまりに長靴を履いてビチャビチャと服を汚して帰ったものだな。あの頃に楽しかった雨は、今では悲しみの象徴にように感じてたまらない。人混みが今日も多い。この一人ひとりに人生というのがあるというのは当たり前のことなのだが、当たり前すぎて考えたこともない人が多いだろう。頬に冷たい雫が流れるのが感じる。みんなは時代に流れに流されすぎて、本来感じるべきのことを気づかずにいるのかもしれない。もしくは、それが当たり前になりすぎて麻痺しているのかもしれない。汚れちまったな、悲しみに。
まあ考えてみれは今の現状は納得するかもしれない。なんせ人間は後のことを考えれる人は少ない、今の現状に満足していて胡坐をかいている人が多い。社会に出てきて分かったのは、そのようなだらしなく傲慢でどうしようもない人間にかぎって上司になることもあるということ。今日だってミスしたとはいえ、部長が事前に資料を修正したからである。その商談の資料は私が完成させたからいいもの、なぜ商談の内容も把握していない上司が蛇足を書いたのであろう。まったく許せないものだ。理想の上司とは遠いものだ。友達の上司と変わってほしいものだ。はあまたネガティブになっちまった。自己啓発本に書いてあったのになあ。いや、逆に考えればその本が売れるということは同じようなひとがいるということか、無意識に口角が上がり、鼻で笑った。
ふう、一息ついた、たばこを吸っていないとおかしくなりそうだ。この地位が上の人だけが幸せになる暗黒の世界にいるうえで、たばこを吸っていかないとやってられないものだな。また吸っちまった。健康に悪いとわかっていても無理だな。タバコの代替品を開発されるまでは無理だな。こんな暗い気持ちになったのか、自分でも驚きだな。さ、寝るか。
読んでくれてあざす