第二話 暗
またいつの日か
冴えないリーマンの日常
はぁ、今日も上司に叱られてしまった。なんで人がいるところで叱るのだろうか、見せつけたいのか?俺の力を見ろって?こいつは無能だってか?欲に敏感な上司だな。中学の友達と飲んだ時に「まじ上司が神なんだが」そう言って俺の上司に欠如しているところを淡々と話してきた。結局、友達は寝てしまった。こいつ、なんて顔をしてるんだ。こいつも苦労したんだろうけど、今俺も同じような顔ができるかと思うとその壁はまだまだ先か、ないに等しいということなんだろうが。近いようで遠いな。そんなことを思いながら友達をタクシーに乗せた。
はぁ、俺も帰るか。元々自分でも酒は強い方だと自負しているが、今日は酔っているな。それだけ友達と呑み、現実から離れたかったんだろうな。失笑が溢れてきてしまう。せめて家についてから泣きたかったな、こんな開けたシャッターが閉まっている乾ききった無の地でなんて。いや、どこでも変わることはないかな。寂しく思う、おもりが付いたような重い足を引きずるように歩く。一歩一歩がとても沈んでいく。ガチャ、扉を開いた。やっと家に着いたことに喜びとまた長い路頭に戻ってきたのかと苦痛が少し刺し込んでき。壊れるかもしれない。人も所詮、意思がありて体が動く。気合で乗り越えろと言ってくるがはっきり言って、それはクレバスの中に落ちた時のような目の前に救いがなく絶望の暗黒を経験したことがない想像力が乏しい余裕がない悲しき生き物しかいないと思われる。まぁ環境がそのような悲しき生物を作るのであれば彼らに罪はないのかもしれない。だからといってスッキリするかと言えばスッキリはしない。
またいつものようにタバコを取る。ちっ、切れたか。タバコが切れたら俺も切れる。買いに行くかと思い財布にそっと指をかけ寝巻のまま行く。いつもこの時間帯は自販機で買っているが、いつも吸っているセブンスターが売り切れている。俺と同じような人がいるんだろうか、もしくはもう補充しなくなったのか。それでもコンビニで売っているのだから今度からはそっちで買おう。コンビニにこんな格好で行くのかと思うのとこれから買うにしろこの格好が多いから別に変えることはないな。だからありのままで向かうのも良いのだろう。コンビニに入ると定員が挨拶をして、ホットスナックの宣伝をしている。年を感じながら油を感じることはもうしたくないのでタバコの番号を探した。自販機のスイッチを押せば出てくることに慣れてしまったことに、これからのことが全てが変わったように感じる。たかが、たばこを人から受け取るだけなのに違和感を感じる。それだけその生活に慣れてしまったか。もう吸い始めてからあのルーティンをしているからな。時間の恐ろしさを感じるよ。
まあそんなこともあったな。こんなことを思い出したとして何にもならないが、ふと懐かしく思う。
あざっす