聖女が持ってきた、バレンタインの贈り物は?
バレンタインにこんなものはいかがでしょう?
誤字脱字報告感謝です。
今日はバレンタインデー。
このヴァンタイン王国には、バレンタインデーに
互いにプレゼントを贈り合い、建国のお祝いと神への感謝をするという風習がある。
元は建国祭と贈り物は別々に行われていたが、
建国記念日がバレンタインデーと一緒の日なので
一緒に盛大に祝おう、という昔の王の考えもあった。
そんなめでたい日。建国を祝うパーティの会場で。
ここにいるこの王国の第3王子
ライハルト・ヴァンタインは、自身の婚約者である
聖女、アメリー・ウィンスコット公爵令嬢がパーティに来ない事に苛立ちを募らせていた。
そんな王子の側にはピンクブロンドの髪とピンクの瞳を持ち、フリルが沢山付いたふわふわドレスを着て、アクセサリーを沢山付けた、
庇護欲をそそられる少女と側近1人。
「アメリーの奴、めでたい日に来てないだと?
何を考えている?
『王子』かつ『勇者』である私の婚約者という立場なのに!
私に泥を塗りたいのか?あの『お飾り聖女』め!」
「すみませんライ様。姉が迷惑をかけて・・・」
「いや、キールのせいではないよ。それより
チョコレートありがとう。こんなに沢山。
今年は不作で手に入れるのは骨が折れただろう」
「そうですね。いくら公爵家でも大変だったのでは?」
そう呟いたのは宰相子息である
ルイージ・ザイオン公爵令息。
「ライ様達に喜んでもらえて良かったです!
元々お姉さまがチョコレートが食べたいと我儘を言っていたのを苦労して集めた物です。
沢山あるのでこの会場にいる皆様や、民達に食べてもらえばわたし、幸せです!!」
「やはりキールは優しいな。それに可愛らしい」
「本当に。
・・・そういえば、ドットもトマスもマルカスも
来ていませんね」
「用事があるから遅れると言っていたが・・・」
(キールを婚約者にする為に、
アメリーに婚約破棄を宣言しなければならないのにあいつ、来ないつもりなのか?)
この王子、あろうことかこのめでたい会場で、
婚約破棄をしようとしていた。
そんな王子と側に侍る令嬢を見る貴族達。
「あの王子、また例の令嬢を連れていますわ」
「最近は隠しもしませんわね」
「チョコレート、公爵家が買い占めていたな。
そのせいでプレゼントを別の物に変更せざるを得なくなった」
「アメリー嬢が我儘を言ったとか」
「そう言えば、今年は来ないつもりなのか?
社交には出ないご令嬢たが、毎年このパーティだけは欠かさず出席していたよな」
「何かあったのか?」
ひそひそと話す。
とそこへ
「失礼します!!
アメリー・ウィンスコット公爵令嬢が到着されましたが・・・」
衛兵が青ざめながら乱暴に扉を開ける。
「ようやく来たのか。
なんだ、外が騒がしいがどうした?」
ドタバタという音に怒鳴り声も聞こえる。
王子が尋ねると
「ご機嫌よう。ライハルト殿下」
そこには簡素な鎧を着たアメリーとぐるぐる巻にされた2本のツノが生えた黒目黒髪の浅黒い肌の男。
そしてその男を殺意マンマンの目で見つめる、
髪と瞳が紅い長身男性がいた。
「アメリー!?ようやく来たかこの悪女め!!
その格好はなんだ!それにその男は何者だ!?
拘束魔法をかけているようだが何故だ!?」
一気に捲し立てる王子にニコリと微笑むアメリー。
「遅くなって申し訳ございません。
バレンタインのプレゼントを狩ってくるのに時間がかかり、遅れてしまいました」
「バレンタインのプレゼント?」
「はい、この拘束している男性を。
この方、魔王ジャガンナード3世ご自身です。
因みに横にいるのは竜王ドーラソニア様ですわ」
あっけらかんと言うアメリー。
会場内の音が無くなった。
「魔王だと!? 嘘をつくな!!!」
再起動した王子が喚く。
「そうですよ!アメリー様。
嘘をつくならもっとマシな嘘をついて下さい。
魔国内にいる魔王を連れてくるなど・・・
魔王は『勇者』であるライハルト殿下しか倒せません!
『お飾り聖女』である貴女ができるわけありません。
それに竜王?気高く誇り高いかの竜が貴女と一緒など、あり得ませんね」
ほぼ同時に復活したルイージが言う。
「お姉さま!殿下に振り向いて欲しいからと言って
嘘を吐くなんて・・・
わたし恥ずかしい!」
とキール。
それを見ていたアメリーは
「あらあら、信じていただけないとは」
「当たり前だろう!
聖魔法など使った所は見た事はないのだから。
魔物の討伐にも参加せず、
怪我人の治癒も神官任せで自分は動かない。
どんなに「働け」言っても「働いています」と嘘を吐く。
学園の成績も低い癖に「勉強しろ」と言っても
「頑張ります」と言うだけ。
家でも妹であるキールを虐め、我儘放題で散財する。
公爵達に迷惑をかけてばかり。
今日のバレンタインのチョコレートだって、
お前が我儘を言って買い占めて。
皆に迷惑をかける。
そんな者の言う事が信じられるか!」
大声で喚き散らす王子にそうだそうだと頷いて賛同するルイージ。
「恥ずかしい」と顔を覆うキール。
「丁度いい、
ここで婚約は破棄する!
聖女の仕事をせず、妹を虐めて散財する悪女など
『勇者』である私の婚約者に相応しくない!!
妹であるキール・ウィンスコット公爵令嬢を新たな婚約者とし、新たな聖女とする!!
お前は皆を騙した偽聖女として断罪する!」
指を差して一気に言い上げる王子。
顔が赤くなっている。
「ライ様嬉しい!」とキールは抱きつき、
アメリーにしか分からない角度でニヤリと笑う。
ルイージは笑顔で拍手をして祝福をする。
会場にいる貴族達は困惑や侮蔑、冷めた顔が半分以上。ニヤニヤしている者(主にアメリーを嫌う者、噂を信じる者)は僅か。
公爵夫妻もいるが、アメリーを庇う気はなく、
キールに祝福の拍手を贈っている。
当のアメリーはため息をつき
「予想はしていましたが、これほどまでに愚かとは・・・。
この婚約は王家からの打診であり、王命ですよ?
王子である貴方が破棄できるものではありません。
国王陛下に反逆するおつもりですか?」
「反逆だと!?その様な意思は無い!
説明をすれば陛下も分かってくださる!」
その国王は壇上に座り、頭を抱えている。
隣にいる王妃は扇で顔を隠しているが、凄い目で睨んでいる。
王太子と第2王子はその下にいて不快そうに顔を歪めているし、その婚約者の令嬢二人も扇で顔を隠しているが不快そうに見える。
「それに、聖女認定は教会が行うもの。
貴方に権限はありません。
それと貴方は公爵家に婿入りする立場ですが。
公爵である私が許すとでもお思いですか?」
「なんだ?その言い方は!
まるでお前が公爵家当主の様な言い方をして!
当主はお前の父親だろう!!」
「いいえ?父は当主ではありません。
私が成人して当主になるまでの代理です。
亡くなった母が公爵家の血を引く当主でした。
父は元々侯爵家の人間で入婿です。
そうそう、
わたくし今日誕生日で成人になりましたので、
当主になりました。手続きもして受理されております。
今まで公爵家の当主代理お疲れ様でした。
まあ貴方は仕事をせずわたくしに押し付けて、
自分は遊んでばかりでしたが」
さらりと言った言葉に反応する公爵代理。
顔を青くする。
王子とルイージは「何だって?」と言い、
妹は「え?どういう事?」
と言っている。
「キールの反応を見るに、自分が公爵だと言っていたようですわね。
ついでに言うと、自称公爵夫人は公爵家に籍を入れておりますが、キールは公爵家の血を引いてはおりません。
元々駆け落ちした母の弟・・・叔父の妻がそこの女で、叔父との間に産まれたのがキールです。
叔父が事故死した後に父の所に押しかけて籠絡して籍を入れました。
キールは妹ではなく従妹です。因みに
叔父は駆け落ちした際、公爵家から籍は抜かれました。自称公爵夫人も籍を抜かれていますから、
2人とも平民ですよ?」
キールは「嘘よ!私は公爵令嬢よ!そうよね
お母さま!」
と母親を見る。
「そうよ!貴女は公爵令嬢よ。
その女が嘘を吐いているのよ!」
と言う。
「ほら、お母さまもそう言っているわ!
嘘言わないで!『お飾り聖女』が!」
そう言うキールにため息をつくアメリー。
「貴女が来たのは4歳くらいでしたわね。
その時から聞かされていた筈だけれど?
「貴女は私の従姉妹」だと。
公爵令嬢ではない、身の程を弁えろと。
なのに聞かずにあれが欲しいこれが欲しいと物をねだり、わたくしから奪い父におねだりして買ったり。
挙げ句の果てには貴族しか通えない学園に通いたいと言い出して・・・。
あの時は大変でしたわ。
父が学園に脅しをかけて学園に通わせました」
そう言うと周囲はザワザワしだす。
「平民が学園に通っていただと!?
由々しき事ではないか」
「しかも学園を脅して通わせるなんて」
「横暴な方ですもの。脅すくらい、
普通にするでしょうね」
侮蔑と嫌悪の視線が公爵代理夫婦に刺さる。
「正統な跡取りはわたくしでしたのに部屋も服も奪って。
執務は丸投げで少しでも遅れると食事を抜いて。
わたくしに様々な事をしてくれましたね。
今日で終わりですが」
アメリーがそう言うと
「嘘だよな?な?キール」
「あの悪女の出鱈目ですよね?」
と王子とルイージは言う。
「そうそう、殿下も
自分は強いからと鍛錬もせずにダラダラして、
弱い魔物は「強い私が相手にするのは相応しくない」とか言って人任せ。
毎回わたくしが倒しておりましたわ。
強い魔物には歯が立たずに怪我人が出ても毎回
「今回は調子が悪かっただけだ!」
と言って反省なし。
魔物を倒す為に剣を学び、怪我人も治療してと大変でした。
貴方はわたくしの聖魔法を見ていないと言っておりましたが、その場にいなければみる事なんてありません。
わたくしが治すのは主に重症者ですし。
貴方はわたくしが治療中は怪我の軽い者達に声を掛け、自分の手柄だと言うよう脅しておりましたから。
目が覚めたら重症者にも声を掛けていたようですが。
このままだと魔王を倒すどころか辿り着けないと思いまして魔王城に乗り込んで、3日3晩戦って倒してきましたの」
そう言うと王子は「なんだと貴様!」と憤慨する。
「ルイージも学園の授業や試験の点数をわたくしの分だけ低くする様に、教師達にお金を握らせて指示していましたね。
おかげでいつも成績は下の方」
王子は嘘だろ?という顔をしてルイージを見る。
「証拠は!?証言だけで証拠はないだろう!」
ルイージがそう言うと、
「証拠ならあります」
その声と共に、殿下の側近である
『勇者』パーティのメンバーに選ばれていた側近達が現れる。
そしてアメリーの側へ。
「お前達!今まで何をしていた!?
何故アメリーの側に行く!?
お前達の場所は私の側だろう!?」
そう王子が言うが
「は?なんで味方をしなければいけないのですか?面倒くさいと魔物討伐を押し付けて、
逃げ回っていた貴方に」
と侯爵子息で『魔導師』のドットが言い。
「俺より弱い癖に散々こき使ってくれた王子につくなんてないない」
と同じく侯爵子息で『騎士』である
トマスが言う。
「子爵令息で『盗賊』のスキル持ちであるからと散々馬鹿にながらその癖こき使った貴方とはもう一緒にはいられません」
と子爵令息で『盗賊』である
マルカスが言う。
そして胸から映像記録用の水晶を取り出して魔力を込める。
すると
「この書類、明日までに処理しておけ」
といい、公爵代理が大量の書類をドサッと乱暴に
置き、内容を確認したアメリーが
「分かりました」と言う場面。
王子が小型の魔物の討伐依頼に顔をしかめ、
「そんな小物、私が相手をする価値はない。
ドット達に倒させ汚れた土地はアメリーに浄化をさせろ」
と言い、剣を巧みに使うアメリーとそれぞれの得物で戦うドット達、疲れながらも浄化するアメリーを横に「これは私が倒した、私の手柄だ。いいな?」と怪我人を脅す王子を映した場面や、
ルイージがとある教師に
「あの女の試験結果、いつも通りお願いしますよ」
と言って袋を渡す場面などが記録されていた。
「あとこちらが使用人達から聴き取った、
屋敷でのアメリー嬢の普段の様子です。
寝起きは古く離れで使用人は付けてもらえずに1人で着替えなどをし、
学園へ通いは辻馬車を使っていて、
学園から帰ったら執務。
魔物が出現すれば剣で倒し、
怪我人がいれば治癒をし。
1日の睡眠時間は殆ど取れなかったそうです。
これをもう数年もしていました」
ドットが書類を取り出して読み上げる。
「そんなの捏造されたものだ!」と王子は言った
その瞬間。
「黙れ」
と今まで口を開かなかった竜王が言葉を発する。
一言で、聞いた者を震え上がらせる。
「こんなのが王子で其方の婚約者とは、
世も末だな。
・・・小僧、私の事を覚えているか?」
唐突に王子に問いかける竜王。
「ああ、萎縮して声も出ないか。
コレが今代『勇者』とは呆れ果てるわ」
その前で魔王が「竜の姿ではないから分からないのではないかな・・・?」
と呟く。
ふん、と鼻を鳴らし
「人の姿をしていても、気配は同じだ。
分からない様だな、これは。
私は以前魔王に操られ、暴れ回って近隣の村や街を破壊した竜王だ。お前が倒そうとしていたな。
お前は敵わないと知ると一目散に逃げ出したがな。
あの時に元に戻してくれたのがアメリーとこの3人だ」
数年前、北の森に住む竜が暴れ出し、近隣の村や街を破壊する事件があった。
『勇者』である王子が退けたと発表されていたが、
真実は違う。
「あ、我も発言いいかな?」
とぐるぐる巻きの魔王が発言する。
「いいですわよ?」と許可するアメリー。
ついでに拘束も解く。
竜王が目を剥きアメリーを見るが、
「大丈夫」と言われてため息をつく。
「我は正真正銘の今代魔王、
ジャガンナード3世である!
我は聖女と戦い敗れた。
だが聖女は命を取る事はしないと言い、
それどころか魔国への侵略もしない、
和平を結びたいと申してきた!!
自分が国王を説得すると!!」
国王は驚き、王妃や王子達も目を見開きます。
「アメリー嬢、勝手な「元々は共存していた関係でした。
それを数百年前の国王が、領土を広げたい為に一方的に攻め始めたのが始まりですわ。
魔王はわたくしが倒しました。
これ以上、争う必要はないかと愚考いたします」
むむむ、と唸る国王。
「和平を結ばないと言うのなら・・・」
そう言うと覇気を解放する魔王。
当てられて腰が抜けた王子達と青ざめる国王。
「そこのバカ王子では我は倒せん。弱すぎる。
それに我は聖女アメリーを気に入った。
そのアメリーが婚約を破棄されたのだ。
どうなるかは分かるな?」
脅す魔王の頭を竜王が思い切り叩く。
「痛ぁ!何をする!」
涙目の魔王に冷ややかな視線を向ける竜王。
「やり過ぎだ。バカ魔王。
和平を結ぶ気あるのか?」
「少〜し覇気を解放しただけだ!
「魔王はもういいですわ「早い!もう少し話を
「陛下、如何なさいますか?」
サクッと無視して国王に聞く。
「・・・・・本当に魔王を倒すとは。
竜王も懐いているし、愚息が迷惑をかけたのもある。
儂もどうしようかと考えていた所だった。
その提案、受けよう」
国王が言うと王妃や王子も頷く。
「父上!?なにを「陛下と呼べと言っているだろう!」
「陛下、提案を呑むとは!?
わ、私の出番は?
『勇者』の出番は!?」
「愚か者!!
魔王の覇気で腰が抜けているお前に出番などない!
それにお前は自分の事しか考えず、傲慢で、
儂の許可なく婚約を破棄しようとした!!
自分で調べもせずにそこの平民や噂話を鵜呑みにしてな!
影を付けてお前の行動を監視していた。
『勇者』に相応しいか見極める為にな。
お前は『勇者』にふさわしく無い!王家の恥だ!
誰かこやつを連れて行け!
ついでにそこの平民と公爵代理もだ!
聖女虐待は罪は重い!」
そう言うと近衛が出てきて、連れて行く。
「離せ!」「嫌ぁ助けて!」
等声が響くが無視だ。
「アクシデントはあったが、
皆はこのままパーティを続けてくれ。
儂達は退席する。
ウィンスコット公爵達も付いてきてくれないか?」
国王がそう言うと、
「かしこまりました。国王陛下」
アメリーは頷き、魔王と竜王もそれぞれ頷く。
国王以下王妃や王子達も退出する。
扉が閉まると音楽が流れ始めてパーティが始まった。
◇◆◇
その後会議室
「すまなかったな、ウィンスコット公爵」
そう言って国王以下王族が頭を下げる。
「いいえ、もう済みましたので。
頭をお上げください」
アメリーはそう言う。
「ライハルトは廃嫡の上で幽閉し、一生外に出る事を禁ずる。
あれでも『勇者』だからな。
ルイージも廃嫡で平民落ち。
公爵代理は正式な調査の後に沙汰を出すが、
正統な血筋である公爵を虐げた罪のみならず、
身分詐称に脅迫、これだけでも重罪だ。
毒杯か縛り首か・・・。
他2人は問答無用で縛り首だな」
「そうですか」
「悲しみなないんだね?」
魔王がそう尋ねた。
「あの人達は家族ではありませんわ。
母が亡くなって、すぐに来て。
すぐに部屋を奪われ服も奪われて。
最初は我慢していました。でも
あの男が執務を押し付けた瞬間から
そう思うようになりました」
「そっか」
魔王はそう言うと黙り込む。
コンコンコン、とドアがノックされ
「入れ」という王の声の後、
大臣や書記官が入室して用意された席につく。
「さて、それではこれからの事について、
話し合おう」
国王はそういうと為政者の顔をした。
それから簡単な話し合いで魔王の国への侵攻は中止し、和平を結ぶ事が決まり、
後日ヴァレンシア王国と魔国の間に和平条約が結ばれた。
第3王子は魔法封じの枷をつけられて塔に幽閉。
ルイージは激怒した侯爵から跡取りから外され廃嫡。平民落ち。
公爵代理は虐待、身分詐称、脅迫他
アメリーに執務を押し付け、贅沢三昧していた事も罪に問われて身分剥奪の上で縛り首。
自称公爵夫人と令嬢を名乗っていた2人も同様の刑に処された。
アメリー側についたパーティ3人はお咎めなし。
よくやったと褒められ、それぞれ普通に暮らす。
公爵家を継いだアメリーは、
しょっちゅう息抜きにやってくる魔王と、
これまたしょっちゅうやってくる竜王の相手をしながら、日々執務をしているとさ。
終
この国では身分詐称は重罪。
後継者虐待は罰が重いのです。
因みに、魔王と戦っていたのはアメリーだけで、
竜王は後ろで見ていただけ。(1人で戦わせてとお願いされた) 拘束後の運搬係。
パーティ3人は証拠集めをせっせとしていた。
数ある作品の中からお読み頂きありがとうございます。
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