表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/20

第一話: 異世界転生、神々のいたずら

「これが俺の人生か…」


斎藤悠斗さいとう ゆうとは、ため息をつきながら、スマートフォンの画面を見つめていた。彼は高校三年生。卒業を目前にして、進路や将来に対する不安を抱えながら、日々の生活に追われていた。友人たちが目標に向かって頑張っているのを尻目に、悠斗は特に目指すものもなく、ただ平凡な日々を送っていた。


「もう少し、楽に生きられたらいいのにな…」


そんなことを考えていたその時、不意にスマホの画面が光り輝き、眩しい光が彼を包み込んだ。


「え…?な、何だ!?」


目がくらむような光の中、悠斗は意識を失い、そのまま深い闇へと引き込まれていった。


「…っと、どこだここは?」


目を覚ますと、そこは見知らぬ森の中だった。緑豊かな木々が生い茂り、耳を澄ますと小鳥のさえずりや、川のせせらぎが聞こえてくる。確かに自分は部屋にいたはずなのに、一体どうなっているのか理解が追いつかない。


「お前が、斎藤悠斗か?」


突然、背後から声が聞こえた。驚いて振り返ると、そこには白いローブを纏った中年の男が立っていた。長い髪とひげをたくわえ、まるで昔話に出てくる賢者のような風貌をしている。


「誰だ、あんたは?」


悠斗は警戒しつつも尋ねると、その男は優しく微笑んだ。


「私は神だ。この世界の管理者のようなものと思ってくれ。お前は、我々神々によってこの世界に召喚されたのだ。」


「神…?召喚…?え、ここってもしかして…」


「そうだ。ここはお前がいた世界とは異なる、いわゆる『異世界』というものだ。」


「異世界って…そんな、ゲームやアニメじゃあるまいし…」


悠斗は信じられないという表情を浮かべたが、神はそんな彼に対して真剣な表情で続けた。


「お前は、我々神々のお遊びの対象に選ばれたのだ。我々は時折、他の世界から人間をこちらに呼び、彼らがどのように生き抜くかを観察するのが趣味なのだ。」


「お遊びって…俺の人生を、そんな理由で…?」


「そうだ。だが、安心しろ。我々はただ無作為に選んだわけではない。お前にはこの世界で生き抜くための特別な力を与えた。」


そう言うと、神は手を振りかざし、悠斗の体に何かが流れ込むような感覚が走った。


「お前に与えた力は『インフィニティグロース』というスキルだ。これは、特定の条件を満たすことで、無限に強化される力だ。お前がこの力をどのように使うか、我々は楽しみにしている。」


「成長無限…?それって具体的にどういう…」


「お前が試してみればわかるだろう。さて、そろそろ我々はお前を観察する側に戻らねばならない。最後に一つだけ忠告しておこう。この世界は決して甘くはない。油断すれば、命を失うことになるだろう。」


そう言い残すと、神はその場から消え去り、再び悠斗は一人きりになった。


「インフィニティグロース…か。とりあえず、試してみるしかないか。」


まだ半信半疑ながらも、悠斗はその場で手近な木の枝を拾い、ふと手を握りしめた。その瞬間、彼の体が一瞬だけ熱くなり、何かが変わった感覚がした。


「これが、俺の力か…?」


そうつぶやきながらも、悠斗は少しずつこの世界に適応していく決意を固めた。彼の異世界での冒険は、まだ始まったばかりだが、その一歩が踏み出されたのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ