表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/125


 この日も僕とコバルトは、いつものように潜水艦を追跡していた。

 しかし毎回同じ仕事ばかりで、コバルトじゃなくても退屈していたのだろう。こんなことを言い出した。

「お前が所属して、この私をコキ使っている部隊のことだが、なぜ『ストロベリー』なんて名なんだ? この仕事と赤い果実にどういう関係がある?」

 僕は答えた。

「そうじゃないよ。秘密の部隊だけど、何か名称を付けなくちゃならない。スパイの目をごまかすために、できるだけ海とも人魚とも潜水服とも関係のない単語を選んだんだってさ」

「それでストロベリーか? まさかお前の祖父がそう名付けたのではあるまいな」

「お祖父さんの仕事ぶりなんか知らないよ。ただ僕が知っているのは、お祖父さんは息子に自分の跡を継がせたかったけど、女の子しか生まれなくて、その後は孫に希望を託したんだけど、孫たちも軍人には興味を示さなかったんだよ」

「それでどうなった?」

「お祖父さんはついに『だれか孫の一人でも職業軍人の道を選ばぬ限り、ワシの遺産は誰にも相続させないぞ』と宣言してしまった」

「絵に描いたような老害だな」

「だからみんなで作戦を練り、不運な一名を人身御供に差し出すことに決まったんだよ」

「それがお前か?」

「できるだけ競争率が低くて、楽そうな部隊に願書を出したら、それがストロベリーだった」

「まさか、ストロベリーがサイレンと協力する部隊だとは夢にも知らなかったのか?」

「知ってたら入隊してないよ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ