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 僕は眠っていた。いや、気を失っていたと言うほうがいい。

 最後に覚えているのは、自分の足が固い地面を踏んだことで、そこから僕は猛烈にダッシュをしたのだ。

 デコボコしたサンゴの上は走りにくい。

 だが文句を言う暇はなく、走りながら僕は信号灯のスイッチをオンにした。

 そして光を向けたんだ。おそらくはゴーストがいるであろう方向へ向けて。

 ゴーストの立場になって考えてほしい。追跡していたホットドッグが不意に浮上し、信号で誰やらと交信を始めた。

 ホットドッグ以外にももう一隻いるのだ、とゴーストは判断しただろう。

 そんな船など本当は存在しないのだが、月明りがあるとはいえ、サンゴ礁は平らで見えにくい。ホットドッグを倒すついでに、その船にも魚雷をくらわす気になったのだろう。

 だから信号灯めがけて、ゴーストは2発目の魚雷を発射しようとした。

 魚雷の狙いをコバルトから少しでも離すため、僕はサンゴの上を全力で走ったのだ。

 計算通り、僕の手の中の信号灯めがけて、ゴーストはぶっ放してくれた。

 その進行方向はコバルトからは充分に遠いが、当然ながら僕にはごく近い。すぐ手前のサンゴに命中し、魚雷は爆発したのだ。

 爆風をもろに受け、僕は吹き飛ばされてしまった。金属片を体に受けることがなかったのは奇跡でしかない。

 それでも、信号灯が手の中から吹き飛ばされるぐらいではすまず、僕の体は、投げられたカエルのように飛んでいった。

 ここから先は本当に記憶にないのだが、落ちた先は海面だったのだろう。でなければ、小さなスリ傷以外には無傷という状態でいられるはずがない……。


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