表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/135

116


 なんとかする……。

 たしかにコバルトは、自分の姿が老人に見られることのないように手を打ってくれた。

 まず、水の抵抗を小さくするために潜水服ごと僕を胸に引き寄せたと思ったら、まるでロケットのようにピュッと加速したのだ。

 サイレンの尾びれには、それだけの瞬発力がある。

 牙を突き立てようとするボビーの鼻先から、老人をかっさらうことにコバルトは成功したんだ。

 それだけではない。

 コバルトは老人の片足をつかんでいたのだが、そのままビュンとムチのように振り回し、僕のヘルメットにぶつけたんだ。

 老人の後頭部をだよ。

 ゴン!

 軽金属製とはいえ、それなりに分厚いヘルメットだ。老人は一瞬で失神してしまった。

 もちろんボビーはおとなしくなどしていない。

 コバルトの姿を見ても、ひるむ様子はないのだ。

 それどころか……、

「ボビーのやつ、こっちへ牙を向けたよ」

 この声が届いたのかどうなのか、コバルトは別の仕事に忙しそうだ。

 尾びれを振り回してボビーをけん制しつつ、顔と腕を水面に出すんだ。

 それから船の上へ向けて、老人を荷物のようにほうり投げた。

「コバルト、何をするんだい?」

「ボビーをどうにかする間、ジジイは邪魔になる。船の上でオネンネさせておくさ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ