再会
石壁で出来た扉が開き外の光が目に飛び込むのも久しい。
そして、何やら人の声が外から聴こえてくる。
「ほらっそっち、あぁ…そうそこ」
「違うよ、だからそっちじゃ無いってばっ」
「こっちはどうする?」
部屋の奥から楽しそうな声が広がる。
「おい、これはどういう事だ」
エドガーは部屋の変わり果てた様子に驚き辺りを見回す。
エミリーとマリアが部屋を掃除しようとするもの無惨な仕上がりになり二人は悪戦苦闘してしていた。
エドガーの背後から飛び出しマリアの元へ駆け寄るドロシーが居た。
「マリアさまご無事そうで何よりです。お怪我はありませんか?」
ドロシーの心配そうな顔を見るなり抱きつくマリア。
「ごめんなさい、わたくしルーシーを置き去りにしてしまって…… 」
ポロポロと涙を流すマリアの抱き寄せるドロシーもまた一筋の涙を流す。
エドガーは亡骸となったルーシーを丁寧にベッドへ運ぶ。
「こんな事になって済まない…もっと早く駆けつけるべきだった…… 」
ベッドサイドで膝をつき眠るルーシーの冷たい手をそっと握った。
隣の部屋から大声が聞こえる。
声の主はメアリーだった。
「リタちゃんは何処?何処へ行ったの? 」
どうやら片付けに没頭してたらしくリタの姿が見えない事にも気づかなかったらしい。
エミリーとマリアは顔を見合わせて申し訳ないと顔を曇らせる。
「台所からいい香りがしていたから台所でお茶の準備してをて居るのだと思ってました。」
エミリーが弁明をする。
メアリーはいい香りのする方向へ走り出す。
台所は先程まで用意をしていた様子が伺える、テーブルにはポットやカップにソーサー、花瓶が幾つも用意されていた。
一体何処へ……。
しばらくすると勝手口の扉が閉まる音がした。
バタンッ
エドガーが警戒しながら勝手口へ向かう。




