健やかなる眠りの行方。
翌朝、ココ最近はしっかりした寝具で休む事が無かったので快適な朝を迎える予定だった。
普段の寝具にはない温かくとにかく柔らかいそして良い香りの…。
リタの顔はメアリーの胸に埋もれていた。
寝ている内に抱き枕にされていた。
会話でもスキンシップでも絡まれる事が多いけど睡眠時間まで絡まれてる。
まぁ、好かれる事はいい事かとまた眠りに落ちる。
何か懐かしく温かい…。
暫くしてメアリーも目を覚ます。
この状況は一体…。
リタちゃんかぁ、こんなに小さな体で冒険して大変だろうなぁ。
などと沢山考える内に胸が熱くなる…。
リタを抱きしめて頭を撫でる。
そんな眼差しで見ていると突然ドアがノックされる。
トントントン。
優しくさりげなくノックをしたのは奥さんだった。
「起きてるかい?良かったら朝ごはん用意したからね。着替えは夜の内に洗って置いたから用意できたら出て来てね。」
なんと至れり尽くせりなと考えながら返事をするメアリー。
「はーい、ありがとうございます。」
その声に気付いて目を覚ます。
リタはまだ抱きつかれているので動けなかった。
冒険者向けの宿をしているだけあって行き届いている。
服は綺麗洗われほつれたところは縫ってあるし、装備は磨いてある農夫と言いながら只者では無さそうだ。
支度を済ませてテーブルを囲む。
朝食はスープにパンにサラダ、至ってシンプルな組み合わせ。
リタの朝ごはんは果物だけだったので沢山の料理にワクワクしている。
「ほら食べて食べて。冷めない内にいただいて頂戴。」
奥さんの促しもあり朝ご飯をいただく事に。
食べ終わりメアリーがカバンから地図を取り出す。
農夫が覗き込む。
「この辺りはどこになりますか?」
メアリーは農夫に尋ねる。
「ありゃ?この地図に乗ってないなぁ…。
前に置いて行った冒険者の人の地図があるから持ってきな。」
頂いてすぐに広げる事に。
農夫が指差し教えてくれた。
「ココがこの小屋でお二人さんが目指してるのは…あぁ、ココかなぁ?」
やはりあの森から西に向かっていたのだった。




