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忘れられし都の錬金術師。  作者: 暁
小瓶の価値を求めて
11/61

眠りは再び別れの記憶を呼び起こす。

今日は色々あり過ぎて疲れがピークを迎えたので片付けはそこそこに寝床に向かう事に。

ベッドに腰掛け上着を脱ぎ捨て横になると直ぐに寝息をたてる。

寝ている間に頭の中が整理されて行く今日起きた出来事が流れて行く…。

森の中、街への帰り道、隣の家の地下室…。

…甦る古い記憶。

「兄さま…お師匠さまはどちらに?」

大人たちが怖い顔をして答えて貰える様子にも無かった。

「いいか、よく聞け外は皆んなが守ってくれてる、だから外の音が鳴り止んでも直ぐに外へ出ては行けないよ」

兄弟子はそう言い聞かせる様に答えてくれた。

そして、奥の扉を開き洞窟へ促される。

幸い食べ物も水もあるから当分は過ごせると大人たちは考えたのだろう。

だからきっと皆んなが迎えに来てくる。

そう信じて…。

ビッショリと汗をかいてしまった。

あの時の記憶が蘇ると決まって魘されて目を覚ましてしまう。

汗を吸った服を着替えて再び寝床に戻る。

疲れはまだ残っている魘されて再び疲れてしまった。

もう少し寝よう…。

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