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第三十五話 呪い

リュウが光の中へ入っていった。

私もやっと追いついた。

そこは海水の感覚もなく、光しかない場所のように感じた。



次の瞬間、私たちは暗い山道にいた。


なぜか声を出すことはできなかった。

リュウが前を歩いて私が後ろにいた。

でも私には、前を歩いているのが英雄で

私はこれから死ぬはずの娘なのだとわかった。


歩きながら私は、ベリーに娘の役をさせればよかったと思った。死ぬのは嫌だ。

でも、こうなるとは知らなかったからしょうがない。


二人が立ち止まった。

ここが、村の終わる場所なのだろう。


私は娘が死なない方法を考えた。

そうだ。英雄と一緒に村から出ればいい。

村に帰らなければいいんだ。


リュウが振り返って小さな宝石を私に渡そうとした。

私はそれを受け取らずに、再び歩き出した。

リュウは宝石を袋に入れると、私の手を引いて歩き始めた。

よし、このまま行こう。


二人は手をつないで、足が痛くなるほど歩いた。

そして浜辺に来た。

青い砂浜で、漁師の人たちが仕事をしていた。


私はリュウが大きな丸い球を持っていることに気付いた。


「こいつは海に入りたがっている」


彼は突然そう言うと、それを海に投げ入れた。


「あの時は最善の選択をすることができなかったけど、僕は自分を責めることをやめた」


英雄はそう言った。

私は頷いた。

そうか、彼は優しいから

娘を無理に連れ去らなかった自分を

一番呪っていたのか、と私は思った。


すると私たちは夜の海に戻って

私は危なく溺れそうになった。


光の柱がなくなっている。

でも満月だから浜は見えた。


「こんなに遠かった!?」


私が慌てているとわかったのか、リュウが

私の腕をつかんで岸に向かって泳ぎ出した。

落ち着こうと思ったけど、本当に怖い。

足も疲れて息がきれた。


でもリュウのおかげでなんとか砂浜に帰った。


「おい、二人で何してる」


漁師さんが怒った顔でやって来た。


「さっき、月の光で宝の場所がわかったんだ」


リュウがいつもと変わらない調子で言った。


「僕がこうやって、2000回くらい水をかいた辺りにそれは沈んでいるよ」


「そうなのか!?」


「明日、船を出してくれる?」


「もちろんだ。俺も潜るよ」


漁師さんは怒っていたことを忘れたみたい。

三人で小屋に帰りながら私は


「あっ」


と思わず声をあげた。


「リュウ、もしかしてひどくない?」


「何が?」


「私はやっとわかったよ、あれは

普通の村じゃなくて盗賊の集落だったんだ」


「何が?」


「だから、死んだ娘がいた村。

呪いを解くには英雄と、盗賊の娘が必要だったんじゃない?それをリュウは知ってたんじゃないの?

私を男だと思ったから、代役のつもりでベリーも仲間に入れた?

着いた晩にちょうど満月になるし、偶然とは思えないの」


「そんなことないよ。偶然だよ」


リュウは微笑んで言った。


「じゃあ、さっきの歌は何?」


「歌?僕が何か歌ってた?」


私はリュウの計画通りに操られていたのか

それともこれは本当に偶然なのか。


なんだかわからない。

でも、あと少しでもしかしたら宝が手に入るかもしれない。


その希望に私は賭けた。


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