第三十三話 知られていない伝説
「見えたー!」
「海だー!」
双子が叫んだ。
ついに目的の海岸に近づいた。
伝説の宝を見つけるぞ!
「きれいだな~」
「きれいね」
リュウとベリーが感嘆の声をあげた通り
青い砂の浜辺は、少し緑がかった
美しい海の色とグラデーションになって
ほんとうにきれいだった。
浜沿いに、漁の小屋が並んでいる。
私たちは、漁師にリサーチして
宝の場所を特定しようと、まずは聞き込みを始めた。
「この辺で、ドラゴンをたおした英雄の話を知ってますか?」
「昔、死んだ女の人がこの辺で網にかかったと聞いたのですが知りませんか?」
「この辺で呪われた宝の話を聞いたことがありますか?」
しかし、伝説にかかわる話を知っている人は
誰もいなかった。
隠しているわけではなさそうだった。
「なんでだ?
なんで誰も知らないんだ?」
「どうしてだろう?
やっぱり楽しくない話だから忘れられたのかな?」
リュウが言った。
でも、伝説の中で海辺の人はべつに
悪いことをしていないのだから
英雄たちのことを忘れる必要はないはず。
「ここじゃないのかな?」
「でも地図でいうとここだと思う」
漁師さんたちに、ここの他に青い砂浜があるか
聞いてみたけど、彼らはそれも知らなかった。
そして、あっという間に夕方になってしまった。
「困ったわね。潜って探すしかないかしら」
「どうしたものでしょう…」
ベリーとルナも、顔を見合わせて言う。
うーん。
私たちは考えたけど、結論が出ない。
「おーい、夜になるぞ」
漁師さんが手を振ってくれた。
私たちはとりあえずその人についていった。
カーラとセーラが、親しみやすい漁師さんになついた。
「夜は浜にいないほうがいい?」
「そうだよ。夜はいろいろ出てくるからな」
「どんなの?」
「いろんなのだよ~」
「こわいの?」
「こわいよ~」
私たちは漁師さんの家でもてなしてもらった。
話をするうちに、この辺の人たちが
昔からここに住んでいたわけではないことがわかった。
だから誰も伝説を知らないのか。
するとリュウは惜し気もなく
伝説の内容を漁師さんに教えてしまった。
こいつは一体、宝を見つけて金持ちになりたいと
本当に思っているのだろうか?
なんで秘密にしないのだろう?
漁師さんは伝説を信じたみたいだった。
明日、みんなで潜って宝を探してみようということになった。
ああ、そうか。
漁師さんに協力してもらわないと、宝を
見つけられないんだ。




