第二十七話 その夜
住人がくれた毛布を敷いて広間で待つが
日が暮れてもリュウたちは来なかった。
そのうち、よく似た感じの住人が三人現れて
パンと水を配ってくれた。
だが食べ終わってもまだ仲間が来ない。
「あいつら、どこ行ったのかな」
「ベリーたち、こないね」
「はやくこないかな」
何かの事件に巻き込まれていなければいいが。
それとも、まさか本当にあの行き倒れは演技で
リュウたちは殺されてしまったのだろうか?
いや、リュウが案外強いから二人とも大丈夫だろう。
それより、道に迷っていないか心配だ。
「私が見張ってるから、あんたたちは寝ろ」
私はとりあえず、カーラとセーラを寝かしつけた。
広間の先住者たちが、うさんくさそうに
私たちをチラチラ見ている。
子どもを連れてくる人が珍しいのかもしれない。
だけどあんたたちのほうがうさんくさいよ、と私は思った。
ふと入り口のほうが騒がしくなった。
やっとあいつらが来たのか。
こんなところに、そういろんな人が来るわけがないと思う。
バタバタと住人たちが走り回る音が聞こえてきた。
私はカーラとセーラを起こした。
「たぶんリュウたちだ。見てこよう」
荷物を背負って、双子をズボンにつかまらせて
私は住人にもらった毛布だけをその場に残して
外に出た。
表に回ると、人が10人以上集まっていた。
あの部屋で寝ている人がおよそ10人、他に
こんなにたくさんの人がどこから出てきたのだろう?
「リュウなのか!?」
大声で呼んだら、住人たちが
道をあけてくれた。
「あ。グレン」
リュウたちだった。
二人とも脚に細かい傷がたくさんあった。
その隣に、行き倒れのやつが転がっていた。
「野犬にやられたのか?」
「野犬じゃなくて、野犬みたいな
人間に襲われたのよ」
ベリーが疲れた顔で、むっとして答えた。
「遭難したくないから村を通ってきたんだ。
そうしたら、村の人が僕たちに向かって
犬をけしかけて攻撃してきたんだよ」
「ひどいな!通り過ぎるだけなのに」
ふと行き倒れを見ると、タオルのような布を
ベリーと同じように胴体に巻いている。
「あれ?行き倒れのやつ、もしかして女なのか?」
私が質問すると
「そうなのよ。驚いたでしょ?
最近、そういう人にたくさん出会って
あたしは驚いているのよ」
ベリーが言った。
「女性が一人で放浪しちゃいけないって
きまりは無いけどね」
なにごとも、思い込みはダメってことだ。
「もっと驚いたことに、けっこう美人なんだよ」
リュウが言うので、そーっと覗いて顔を見てみた。
私には美人に見えなかった。
私が首をかしげるとベリーが声をたてて笑った。




