第二十四話 山へ
言うだけ言うと、おばあさんは
中に引っ込んでしまった。
二度と出てきそうになかった。
ベリーが『何かあったのか』と聞いたら急に
悪魔が来るというお告げの話を始めたし
どうも嘘っぽい気がする。
でも、嘘にしても何にしてもおばあさんが
旅人を邪魔だと思っていることに変わりはない。
「ねぇリュウ、この村には頼れないわ。
ひとつ前の村まで戻りましょう。
あの人、死んでしまうわ」
ベリーが言い出した。
「戻るなんて絶対に嫌だよ」
さっきおばあさんが言った教会を私は目で探した。
彼女がドアの隙間から指さしたほうに
…教会はあった。
山の上に。
「教会って、あれかな?ずいぶん遠いけど」
「それにしてもグレン、あなた
へんなお告げをした人が誰なのかを
聞いてどうするつもりだったの?」
「だから、そいつの責任で行き倒れを
治療させられるかもしれないと思ったんだよ。
そいつのお告げのせいで
この村の人たちが外に出てこなくなったって言うなら」
「ふぅん。でも教会の神父さんなら親切そう。
責任とか関係なくお世話してくれそうかも」
私たちは教会に行ってみることにした。
私は提案した。
「二手に分かれないか?
私はカーラとセーラを連れて、先に教会へ行く。
リュウとベリーは行き倒れを連れてくる。
あんたらが合流するまでに、私は神父さんとやらに
事情を説明しておけばいいだろ」
それで私たちは別れた。
ただし、私が宝の地図を預かった。
行き倒れがすでに死んでいた場合に、二人が
山の上の教会に行くのが面倒になって
もうグレンたちを置いて行っちゃおう、なんて
思うかもしれないから。
「グレンはなんで私たちを信用しないの?」
私が地図を預かると言ったらベリーは怒った。
「私たち、仲間じゃないの?」
「仲間だよ。でも、友達を呼ぶためだけに山の上まで行きたいなんて誰も思わないだろ?」
「だから、リュウと私が仲間を置いていくような人だと思っているんでしょ?」
「思うよ。私だったら置いていくかもしれない。
それにベリーは嘘つくじゃないか。
方位磁針が『落ちてた』とか言うし」
ベリーは何か言い返したそうだったが
リュウが
「ケンカはダメだよ」
と言ったので黙った。
「パパー、足がいたいよー」
「おんぶしてー」
三人になったら、カーラとセーラが
すぐさま私に甘えだした。
「おんぶなんかできるわけないだろ。
ほら、引っ張ってやるから自力で歩け」
右手はカーラ、左手はセーラと
手をつないで私は歩き出したが
「足がいたいよー」
「もう歩けないよー」
二人が泣き声をあげ続けるので
とうとうストップした。




