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第二十三話 悪魔

村に着いたら、昼間なのに

誰も人がいないので驚いた。


静かすぎる。

人通りがないどころか、本当に

人が住んでいるのか疑いたくなるほど

人間や動物の姿が見えない。


「ねえ、この村、なんだか気味が悪いわ。

まさか廃墟じゃないわよね?」


ベリーが言った。


「こんにちは」


リュウが民家の玄関の扉をノックした。


「ちょっとお尋ねします」


呼びかけるが、返事がない。


「誰かいますか?」


そう言いながら扉を開けかけて

すぐに閉めると、彼は

苦笑いしながら家から離れた。


「こっちに向かって斧を振りかざした人が

中にいたよ」


「なにそれ!」


ベリーがものすごく驚いて叫んだ。


「ドアを開けたら僕たち攻撃されてたってことだね」


次の家に向かって歩き出しながらリュウは

のっそりと言った。


「えっ?ひどくない?

入ってほしくないなら、入っちゃダメって言えばよくない?」


「ベリー、落ち着いて」


私は言った。


「知らない人はみんな敵だと思い込んでる人も、世の中にはいるから」


「だって、話もしないで殺そうとする?そんなのおかしくない?」


ベリーは納得しない。


「こんにちは!ちょっと聞きたいのですが!」


リュウは私たちのことを何も気にしない様子で

次の家に声をかけた。

すると、ガタガタと音がして裏口から

誰かがこっちの様子をちらっと見た。

そしてサッとかくれた。


しばらくして、玄関が細く開き、

お年寄りらしき人が顔をのぞかせた。


お年寄りだとはわかるが、扉の

細いすき間からしか顔が見えないので

おじいさんなのかおばあさんなのか

よくわからない。


「すみません、通りかかった者ですが

さっき街道で、具合が悪くて

座り込んでいる人を見つけたので

助けてあげて欲しいんですが」


リュウが事情を話すと

お年寄りは、はぁ…ちょっと…と

渋っている。


声の感じでは、どうやらおばあさんのようだ。

話ができる人だったので安心したのか、

ベリーが駆け寄ってきて言葉をつないだ。


「誰か若い人たちにお願いして

ここまで連れてきて手当てしてもらおうかと

思ったんですけど。

困ったわね。外に誰もいないから。

ここの村は何かあったんですか?」


ベリーがそう言うと、おばあさんは早口に


「悪魔だよ、悪魔」


私たちをさっさと帰らせたい雰囲気を

隠しもせず答えた。


「悪魔?」


「あんたたちも、さっさと行きな。

悪魔が村に来るってお告げがあったんだよ」


それだけ言うと、中に引っ込もうとする。

私は、急いで質問した。


「お告げを聞いたのは誰だ?どこにいる?」


すると、


「けっけっけっ」


おばあさんが突然、人をばかにしたような笑い声をあげた。


「誰って、いやだねぇ。

お告げを聞けるのは、あの教会の

神父さんしかいないじゃないか」


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