第二十一話 本心
宿を発つ前に、リュウとベリーが
地図を広げて作戦会議をした。
今後どの道を通るか、最短距離をとるよりも
安全そうな道を優先するのか…などなど。
ベリーはリュウに恋をしているので
時々彼をじっと見つめたりして
「どうした?」
「ううん、なんでもないの」
という無駄なやり取りを何度も繰り返して
時間を使ってしまう。
地形の情報もなく町の大きさもわからない地図を
いつまでも眺めていたって意味がないと思った私は
会議には加わらず、双子と一緒に休憩していた。
「なあ、カーラにセーラ」
「なぁに?」
「なぁに?」
双子は、私に呼ばれると
はりきって駆け寄ってきた。
「ここだけの話、な。
リュウにもベリーにも言わないから、
実際のところを教えて欲しいんだ」
私は双子の本心を確かめようと思った。
「あんたたち、本当は
私があんたたちのパパじゃないってこと
わかってるよね?」
双子はぽかんとして聞いていた。
あれ?
「ねえ、どうなんだ?」
双子は、しばらく考えているようだった。
そして
「パパだと思ってた」
「パパじゃないの?」
寂しそうに答えた。
「ちがうよ。だから最初から
私はパパじゃないって言ってる」
「でも…」
「パパだと思ったんだもん」
「なんで?」
「ピンときたの!」
「仲間のお財布を取り返すところを見て、あの人がパパにちがいない!って思ったの」
「本当にそう思ってたのか。
たちの悪いたかりかと思ったよ」
「そんなー!」
「そんなー!」
私は悪くない。
本気なのか詐欺なのか、誰が見分けられる?
「えーん」
「えーん」
二人は泣き出した。
泣かれても私にはどうすることもできない。
「どうする?旅についてくるのをやめるか?」
双子は泣きながら私にしがみついてきた。
「ついていく!」
「いっしょにいく!」
「なんでだよ?
街に戻って本物のパパを探さなくていいのか?」
私が質問すると二人は泣き止んで
ちょっと首をかしげた。
「街は嫌い。戻りたくない」
カーラが言った。
「パパを探しても、どうせ見つからない。だからもう探さない」
セーラが言った。
「本当にいいんだな?」
「いい!」
「うん、いいよ!後戻りしたくない」
「わかった。
じゃあ、私がパパじゃないってわかってもらえたから私のことはグレンって呼んで」
双子は、はーい!と元気な返事をした。




